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「腎臓がんになりやすい人」の特徴はご存知ですか?症状や検査方法も解説!

 公開日:2024/05/27
「腎臓がんになりやすい人」の特徴はご存知ですか?症状や検査方法も解説!

腎臓がんは初期には無症状の場合がほとんどです。そのため人間ドックなどの検査で偶然がんが発見されることは、少なくありません。

腎臓がんは女性よりも男性の方がかかりやすく、がんになる患者さんの割合は年々増加傾向です。

腎臓がんになりやすい人の特徴は性別のほかにもあります。では特に気をつけたい腎臓がんになりやすい人の特徴には、どのようなものがあるのでしょうか。

今回は腎臓がんになりやすい人の特徴・症状・検査や治療法・予防法を解説します。

村上 知彦

監修医師
村上 知彦(薬院ひ尿器科医院)

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長崎大学医学部医学科 卒業 / 九州大学 泌尿器科 臨床助教を経て現在は医療法人 薬院ひ尿器科医院 勤務 / 専門は泌尿器科

腎臓がんとは

腎臓は血液を濾過する働きを担う臓器です。
体内の老廃物・塩分・水分の濾過を行い、体外へ尿として排出します。この尿を作る働きは、腎臓の尿細管細胞が行っています。
腎臓がんは、成人のがん全体の2〜3%程度の割合で発生するといわれており、その数は年々増加傾向です。また近年では健康診断の普及によって、がんが小さなうちに発見されることが増えています。
がんの大きさが4cmに満たないものは小径腎がんと呼ばれ、大きく成長したがんと異なり低侵襲手術でがんを取り除く治療も選択肢にあがります。

腎臓がんになりやすい人の特徴

腎臓がんになりやすい人の特徴には、50歳以上・男性・喫煙・偏った食生活・運動不足・高血圧・長期間の透析治療などがあります。ここではこれら腎臓がんになりやすい人の特徴を解説します。

50歳以上の人・男性

腎臓がんの罹患率は、50歳代以上で増加し始める傾向があります。発症が最も多いのは60〜70歳です。しかし若年者にも発症することはあります。
性別では女性よりも男性の発生割合が高く、男性の発症率は女性の2倍もの数が報告されています。

喫煙・偏った食事・運動不足

タバコは発がんの危険因子です。喫煙者は非喫煙者の1.4〜2倍も腎臓がんになりやすいことがわかっています。また日々の身体活動量が高ければ高い程、がん発生のリスクは下がります。そのためがん予防には運動が効果的です。
無理のない範囲でできるだけ長い運動する時間を設けることががんの予防行動として推奨されています。また偏った食事や運動不足は肥満へとつながります。肥満は腎臓がんのリスク要因です。
つまり禁煙・バランスのよい食事・健康的な運動習慣を生活に取り入れることで、腎臓がんのリスク要因を減らすことができます。

高血圧

腎臓は血圧の調節を行う機能も担う臓器であり、高血圧は腎臓がん発生の危険因子の1つをされています。

透析治療を長期間受けている人

透析は慢性腎不全の患者さんが受ける治療です。透析治療を受けている患者さんの腎臓がんの発生率は、一般の人と比べると約15倍とされています。
透析の患者さんに特徴的に発生する後天性嚢胞(ACD)随伴腎がんというがんもあり、このがんは多発性・両側性に発生しやすい特徴を持っています。

腎臓がんの初期症状と三大症状

腎臓がんは、血尿・痛み・腹部のしこりの3症状が有名です。しかしこれらの3つの症状すべてが発生するのは、腎臓がんの患者さんのなかでもわずか数%とされています。
ここでは腎臓がんでみられる症状について解説します。

初期症状はほとんどないといわれている

近年、超音波検査やCT検査を健康診断で受けたときに腎臓がんが発見されることが増えています。腎臓がんは初期症状はほとんどありません。実際、腎臓がんの約70%の人は、人間ドックなどのときにたまたま受けた超音波検査などで無症状の状態で発見されています。
無症状の場合は小さながんであることがほとんどです。症状のある腎臓がんより無症状のがんの方が予後がよいことがわかっています。

血尿

腎臓がんの人の約40%には、無症候性顕微鏡的血尿がみられます。これは尿検査で発見される血尿です。

背中・腰の痛み

腎臓がんは初期段階では痛みが出ないことがほとんどです。しかしがんが大きくなると背中や腰に痛みが出現することがあります。

お腹のしこり

腎臓はお腹のやや背中側、みぞおちの高さに左右1つずつある臓器です。腎臓がんが大きくなるとこの腎臓の位置にしこりが触れるようになることがあります。

腎臓がんの検査方法

腎臓がんの検査にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、腎臓がんを調べる3つの検査方法を紹介します。

画像検査

腎臓がんは画像検査の有用性の高い病気です。主に超音波検査やCT検査の結果を診断に使用し、必要時にMRI検査を追加で行います。
CT検査では腎臓がんの位置を特定できるほかに、がんによって静脈の血流が塞がれていないか、リンパ節への転移がないかなどさまざまな情報を得ることができます。
腎臓がんのできた部位によっては、体内の大血管である下大静脈や腎静脈が、がんで塞がれることがあります。
これらの血管が塞がってしまっている可能性がある場合は、CT検査だけではほかの病気との区別やがんの進行状態の判断が困難なため診断の確定ができません。このような場合にMRI検査は追加され、診断の補助的な役割を担います。

生検

生検は超音波検査などで発見された腫瘍が良性か悪性か、がん細胞かどうかを調べるために行う検査です。
腎臓がんの生検は、うつ伏せで腰から細い針を腎臓に向けて刺して、組織の一部を採取します。採取した検体は顕微鏡検査を行ってがんの悪性度の診断に使用します。

血液検査

血液検査は、腎臓がんの発生による体の状態の変化を把握するために行う検査です。腎臓がんでは、以下のような値の変化がみられることがあります。

  • 白血球や血小板の数が増える
  • 総タンパクやアルブミンの値が低くなる/li>
  • CRP・LDH・アルカリフォスファターゼ・AST・ALT・クレアチニン・カルシウムの値が高くなる

これらの結果から、現在の体の状態を総合的に診断します。

腎臓がんになりやすい人についてよくある質問<

ここまで腎臓がんになりやすい人の特徴や初期症状を紹介しました。ここでは「腎臓がんになりやすい人」についてのよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

腎臓がんの治療法について教えてください。

村上 知彦医師村上 知彦(医師)

腎臓がんの治療は、手術で直接がんを取り除く外科治療のほかに凍結療法・薬物療法・放射線治療・監視療法があります。
治療法は、がんの進行状況(ステージ)・がんの性質・全身の状態を考慮して、患者さん本人の希望に合わせた方法が選択されます。
腎臓がんは周囲の組織へ浸潤や転移がみられない場合、手術による腎臓の摘除が標準的な治療です。がんの転移がある場合は薬物療法や放射線療法が選択肢にあがります。

腎臓がんを予防するのに有効なことは何でしょうか?

村上 知彦医師村上 知彦(医師)

腎臓がんに限らず、がん全般の予防として有効とされているのが以下の6つの予防策です。

  • 禁煙
  • 節度のある飲酒
  • バランスのとれた食事
  • 適度な運動
  • 適切な体型維持
  • 感染予防

腎臓がんに限った予防法は確立されておらず、すべてのがんの予防にはこれらの対策が有効とされています。

編集部まとめ

腎臓がんになりやすい人の特徴は、50歳以上・男性・喫煙・偏った食生活・運動不足・高血圧・長期間の透析治療などがあげられます。

腎臓がんは超音波検査やCT検査などの画像検査が有用で、ほとんどの場合はこれらの検査を用いて診断される病気です。

腎臓がんは画像検査で発見され、初期段階で治療開始できる人が少なくありません。自覚症状に乏しい病気のため、早期発見のために定期的な健康診断を受けましょう。

腎臓がんと関連する病気

「腎臓がん」と関連する病気は3個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する病気

  • 肺がん(転移性肺がん)
  • 肝臓がん(転移性肝臓がん)
  • 脳のがん(転移性脳腫瘍)

腎臓がんは、ほかの臓器に転移する可能性のある病気です。上記は腎臓がんから転移が少なくない部位ですが、なかでも特に転移しやすいのは肺であることがわかっています。

腎臓がんと関連する症状

「腎臓がん」と関連している、似ている症状は8個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

腎臓がんの初期には、ほとんど自覚症状はありません。上記のような症状は腎臓がんが大きく成長してからみられることがほとんどです。上記のような気になる症状がある場合には、早めの受診をおすすめします。

この記事の監修医師