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「子宮頸がん検診の費用」はご存知ですか?検診の頻度や内容も解説!医師が監修!

 公開日:2024/07/11
「子宮頸がん検診の費用」はご存知ですか?検診の頻度や内容も解説!医師が監修!

子宮頸がんは、女性の子宮の入口あたり(子宮頚部)にできるがんのことです。子宮頚部とは、子宮の入口に近い部分であり、腟につながる部分のことをいいます。

子宮頸がんは初期の頃にはほとんど症状がありません。早期に発見されれば、治療により治癒しやすいがんとされています。しかし、ごく早期のものを除いて子宮の摘出が必要となることがあります。

国内の子宮頸がんの報告数は、年間11,000人(2019年)です。若い世代の発症が多く、発症の割合は20代から上昇していきます。

子宮頸がんの早期発見のために推奨されているのが、子宮頸がんワクチンと子宮頸がん検診の併用です。今回は、子宮頸がん検診の費用や、頻度・内容を解説します。

馬場 敦志

監修医師
馬場 敦志(宮の沢スマイルレディースクリニック)

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筑波大学医学群医学類卒業 。その後、北海道内の病院に勤務。 2021年、北海道札幌市に「宮の沢スマイルレディースクリニック」を開院。 日本産科婦人科学会専門医。日本内視鏡外科学会、日本産科婦人科内視鏡学会の各会員。

子宮頸がんとは?

子宮頸がんとは、女性の子宮の入口あたりにできるがんのことです。子宮頸がんの罹患は、ヒトパピローマウイルスやHPV(Human Papillomavirus)の感染が関わっています。
性行為を介しての感染が一般的です。長期にわたりHPV感染を繰り返すことにより発症します。子宮頸がんは、若い世代の女性に多く発症するのが特徴です。日本では女性特有のがんの第2位の発症率となっています。

子宮頸がん検診の費用は?

市区町村が実施しているがん検診には、検診費用の補助があります。各自治体によって自己負担する金額が異なるため、ホームページや広報紙などで確認してください。

自治体の公費負担がある場合の費用

ほとんどの自治体では、健康増進法に基づいてがん検診を実施しています。
がん検診の費用の多くは公費で負担しており、一部自己負担でがん検診を受けることができます。各自治体により自己負担する金額は異なりますが、2,000円以下で受けられるようです。
また、がん検診受診を推奨するために一定の年齢の方を対象にがん検診無料クーポンが配布されています。20歳を対象に実施されている自治体が多く、対象の方は無料で検診を受けることができます。

保険診療で検査を受ける場合の費用

自覚症状がある場合、検診は適用されず、保険診療での婦人科受診となります。
検査の実施費用は、診察費なども含めるため各医療機関により異なりますが、3割負担の方で約2,000円です。
症状によっては、エコーなどの検査も追加で行われることもあるので、少し多めに準備しておくとよいでしょう。
以下に自覚症状の例をあげます。

  • 不正出血(月経以外の出血)
  • おりものの異常(茶褐色~黒褐色)
  • 下腹部の痛み
  • 月経不順(月経がこない、間隔が長い、または頻繁にくる)
  • 月経困難(生理痛が強い、出血量が多い)

自由診療で検査を受ける場合の費用

自覚症状のない場合や自治体の公費負担の対象にならない場合は、自由診療で検査を受けることになります。自由診療の場合の費用は、医療機関により異なりますが約5,000~10,000円(税込)です。
HPV検査(ヒトパピローマウイルスの有無を調べる検査)なども追加で受けることができるため、医師と相談してください。

子宮頸がん検診の頻度はどのくらい?

20歳以上の女性は、2年に一度定期的に子宮頸がん検診を受けることが推奨されています。
予約が必要な自治体や医療機関が多いため、事前の確認が必要です。

20歳以上は2年に一度

子宮頸がん検診の対象は20歳以上の女性です。2年に一度定期的に子宮頚部(子宮の入口あたり)の細胞診を受けることが推奨されています。
対応可能な自治体では、30歳以上の女性に対してHPV検査も選択可能です。HPV検査で陰性と判断された場合、検診間隔を5年に延長できます。

気になる症状がある場合は医療機関にて検査を受ける

月経時以外の出血がある場合など気になる症状がある場合は、ほかの病気の可能性もあるため、医療機関で受診してください。症状がある場合は検診ではなく保険診療となります。詳しくは医療機関で相談してください。

子宮頸がんの検診内容

がん検診の内容は、問診・視診・内診・子宮頸部の細胞診です。精密検査はコルポスコープ検査・細胞診・HPV検査などを組み合わせて行います。
がん検診は症状がない健康な人を対象に行われます。症状があり受診して行われる検査や、治療後の経過観察で行われる定期検査は、がん検診対象外です。

問診

問診での主な質問項目は以下のとおりです。

  • 最近の月経(月経が始まった日と日数、月経周期)
  • 妊娠・出産の経験
  • 月経以外の性器出血などの症状の有無
  • 検診受診状況

視診・内診

視診ではクスコ(腟鏡)と呼ばれる器具を入れて子宮頸部を確認します。
内診では腟に指を入れ、もう片方の手は下腹部にあて、両方の手で挟みながら子宮や卵巣・卵管の位置や形・かたさなどを調べます。

細胞診

細胞診は、子宮頸部をブラシなどでこすって採取した細胞を、異常がないか顕微鏡で観察する検査です。月経中は避けて検査を受けます。
細胞診で異常な細胞が見つかった場合は精密検査を行います。

コルポスコープ検査

コルポスコープ検査は、細胞診で異常があった場合にコルポスコープと呼ばれる腟拡大鏡を使って子宮頸部を拡大して観察する検査です。
その結果、正常・異常・浸潤がん・評価不能などに分類されます。

要精密検査になった場合の検査内容

細胞診の検査結果で、要精密検査になった場合に行われるのがコルポスコープ検査です。異常な部位が見つかれば、組織を一部採取する組織検査を行い、がんや前がん病変がないか診断します。
また、細胞診の結果によってはHPV検査(ヒトパピローマウイルスの有無を調べる検査)を先に行い、コルポスコープ検査が必要かどうかを判断します。

子宮頸がんの検診費用についてよくある質問

ここまで子宮頸がん検診の費用・検診の頻度・内容などを紹介しました。ここでは「子宮頸がんの検診費用」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

子宮頸がん検診を20歳未満で受ける場合自由診療になりますか?

馬場 敦志医師

子宮頸がん検診の対象は20歳以上の女性です。2年に一度定期的に受けることができます。対象年齢外である20歳未満の場合は、自由診療で検診を受けることは可能です。一般的に検診を受けることができるのは20歳以上ですが、自治体によっては18歳以上となっているところもあります。各自治体に問い合わせてください。

HPVワクチンを受けている場合も定期的に検査が必要ですか?

馬場 敦志医師

HPVワクチンを受けている場合でも、定期的な子宮がん検診は必要です。HPVワクチンがすべての感染を予防できるわけではないため、子宮頸がん検診も定期的に受けることが、早期発見・早期治療へとつながります。

編集部まとめ

子宮頸がんは、若い世代の女性でも発症するがんです。早期発見・早期治療により、治癒しやすいがんとされています。

早期発見のためには、検診を受けることがとても重要です。20代の方が、はじめて婦人科を受診し診察を受けることは、とても勇気のいることだと思います。

婦人科での検診を受けることへの不安は大きいと思いますが、ご自身の体のために、ぜひ検診を受けてください。早期発見で子宮頸がんの治療が行われれば、妊娠・出産が可能な場合もあります。心配なことがあれば、婦人科の医師に相談しましょう。

子宮頸がんに関連する病気

「子宮頸がん」と関連する病気は4個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

子宮頸がんが子宮の入口あたりにできるがんであるのに対し、子宮体がんは子宮の奥である子宮体部にできるがんです。子宮体がんの発生は、女性ホルモンのエストロゲンが深く関わっています。HPVは、子宮頸がんのほかに尖圭コンジローマなどの病気の発生にも関連します。

子宮頸がんに関連する症状

「子宮頸がん」と関連している、似ている症状は4個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

子宮筋腫や子宮内膜症などでもこのような症状が出ることがあるので、症状がある場合は早めに婦人科で受診するようにしてください。

この記事の監修医師