「どれくらい便が細いと大腸がん」を疑うべき?細くなる原因も医師が解説!
どれくらい便が細いと大腸がんを疑うべき?Medical DOC監修医が便が細くなる原因・どれくらい便が細いと大腸がんを疑うべきか・便が細くなった時に疑う病気・疾患などを解説します。
監修医師:
西脇 亮(医師)
目次 -INDEX-
「大腸がん」とは?
大腸がんは、大腸にある粘膜層から発生するがんで、良性のポリープが悪性化するものと、正常な粘膜から発生するものがあります。大腸がんは、日本において非常に一般的ながんの一つであり、特に50歳以上の成人に多く見られます。初期段階では症状がほとんどないことが多いですが、進行するにつれてさまざまな症状が現れます。
便が細くなる主な原因
大腸がんでは、さまざまな症状が出ることが知られています。便が細くなることも、大腸がんの症状の1つです。ここでは、便が細くなる主な理由について解説します。
これらの理由により、大腸がんは便の形状に変化を引き起こし、便が細くなる症状が現れることがあります。この症状は、他の消化器症状と共に大腸がんの可能性を示唆しているため、早期に専門医の診断を受けることが重要です。
がんによって腸管が狭くなる
大腸がんの腫瘍が大きくなると、腸が物理的に狭くなります。便の通過経路が狭まり、便が細くなります。これは特に腫瘍が直腸やS状結腸に位置している場合に顕著です。
腸の壁の柔軟性が下がる
がん組織が腸の壁に広がることで、腸の柔軟性が低下し、正常に拡張できなくなります。これにより、腸が便を通す際の直径が小さくなる可能性があり、最終的には便が細くなってしまうと考えられます。
どれくらい便が細いと大腸がんを疑うべき?
では、どれくらい便が細いときに大腸がんを疑うと良いのでしょうか。また、その他にどのような便であれば大腸がんを疑うべきなのか解説します。
便が細い
便が細いと言っても、「細い」ことに明確な定義はありません。そのため、今までの自分の便は親指くらいの太さがあったにもかかわらず、最近は小指くらいの太さしかない場合は便が細いと言って良いでしょう。このように、明らかに便が細くなっていることは、大腸がんの便の特徴の1つです。
便に血が混じる
大腸がんではがん細胞が増殖するために、血管がどんどん作られています。これを血管新生と言います。この血管は非常にもろくて破れやすいことが知られています。そのため、便が通る際にこすれて、その刺激で出血してしまいます。このように大腸がんでは、便に血が混じったり、血自体が出たりすることがあります。
便秘や下痢
大腸がんが進行すると、便が通る場所が狭くなることがあります。便が少しずつしか出なければ下痢のような症状になったり、便がほとんど出ない便秘のような症状が現れたりすることがあります。このように、大腸がんによって、便通の状態が変化することがあります。
便が細くなった時に疑う病気・疾患
便が細くなる病気は大腸がんだけではありません。この章では、便が細くなった時に疑う病気について解説します。
大腸ポリープ
大腸ポリープで便が細くなるのは、大腸がんで便が細くなる原因と似ています。大腸ポリープは、大腸にできる良性の腫瘍ですが、発生する場所によっては、便の通り道が狭まり、便が細くなることがあります。特に、腫瘍が大腸の出口近くに位置する場合、便の通り道が狭まり、細い便が出やすいと考えられています。大腸がんと同様、消化器内科を受診して、精査を受けると良いでしょう。
過敏性腸症候群
過敏性腸症候群は、ストレスなどにより自律神経が影響を受け、腸の運動が不規則になることがあります。その結果、便秘や下痢を繰り返すことになり、これが便の形に影響し、便が細くなることがあります。他の消化器管疾患を鑑別するため、まずは消化器内科を受診するのが良いでしょう。
裂肛(切れ痔)
便が硬いと肛門が切れやすく、その結果として裂肛(切れ痔)を発症します。この状態が繰り返されると、肛門の出口が狭くなり、細い便が出ることがあります。切れ痔も消化器内科や肛門科などを受診するようにしましょう。
便が細くなったらどんな検査を受診したらいい?
便が細い場合は、大腸がんの他の疾患を鑑別するため、さまざまな検査を行います。
便潜血反応検査
便潜血検査は、便に微量の血液が混ざっているかを調べる検査です。大腸がんでは、便に明らかに血がまじる場合もありますが、少量の場合は見た目がはっきりしない場合もあります。その際に有用な検査が便潜血反応検査で、簡単かつ侵襲もなく行えるため、大腸がんの早期発見に役立ちます。
画像検査
大腸がんやその他の疾患を鑑別するため、腹部のレントゲン検査やCT検査などを行います。この検査によって、どの場所に大腸がんがあるか、その大きさや程度などを判定することに役立ちます。また、大腸がん以外の病気ではないか、それを見分けるためにも有用です。
大腸内視鏡検査
大腸内視鏡検査は、大腸の内腔を直接観察し、必要に応じて組織を採取することができます。また、検査と同時に治療を行うことも可能で、必要に応じて大腸がんやポリープを切除します。この検査前に腸の洗浄が必要であり、大腸がきれいになっている状態で行われます。
これらの検査は消化器内科などの内科で行うことができます。しかし、画像検査は種類によっては大規模な病院を受診する必要がありますので、必要と判断されれば紹介となります。なお、検査だけであれば入院の必要はありません。
「どれくらい便が細いと大腸がんを疑うべき?」についてよくある質問
ここまで大腸がんを疑う便の特徴などを紹介しました。ここでは「どれくらい便が細いと大腸がんを疑うべき?」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
大腸がんが進行すると現れる症状について教えてください。
西脇 亮 医師
大腸がんは進行するとさまざまな症状が現れます。大腸がんは血管が豊富なため便に血が混じったり、血自体が出たりします。また、この記事で解説したように、便が細くなるなどの便の性状の変化や、便秘や下痢などの症状を引き起こすことがあります。さらに、食事等の日常生活が変わっていないにもかかわらず、体重が減ってしまうこともあります。
編集部まとめ
大腸がんでは便が細くなることがありますが、その他にも鑑別する必要がある病気もあります。今までと便の状態が異なる場合は、消化器内科や肛門科を受診して、必要な検査を受けるようにしましょう。
「どれくらい便が細いと大腸がんを疑うべき?」と関連する病気
「どれくらい便が細いと大腸がんを疑うべき?」と関連する病気は3個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
便が細くなる症状は、大腸がんの症状の特徴の1つですが、その他の病気でも認めることがあります。食事量などによって便自体が減ることで、便が細くなることもありますが、症状が続く場合は消化器内科や肛門科を受診するようにしてください。
「どれくらい便が細いと大腸がんを疑うべき?」と関連する症状
「どれくらい便が細いと大腸がんを疑うべき?」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
大腸がんでは便に血が混じっていたり、そもそも肛門から血が出たりすることがあります。また、慢性的に出血している状態は、めまいやふらつきなど貧血の症状を引き起こすことがあります。このように、大腸がんは便の異常だけでなく、さまざまな症状を訴えることがあります。