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「皮膚がんのステージ」はご存知ですか?種類別に解説!医師が監修!

 公開日:2024/07/10
「皮膚がんのステージ」はご存知ですか?種類別に解説!医師が監修!

皮膚がんのステージは、Ⅰ期からⅣ期に分類されます。このステージが進むにつれてより治療は複雑になります。本記事では皮膚がんのステージについて以下の点を中心にご紹介します。

  • ・皮膚がんの種類
  • ・皮膚がんのステージ
  • ・皮膚がんの治療法

皮膚がんのステージについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

高藤 円香

監修医師
高藤 円香(医師)

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防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科

皮膚がんとは

皮膚がんは、紫外線の影響などにより皮膚の細胞が異常をきたし、悪性腫瘍として成長する病気です。主に基底細胞がん、有棘細胞がん、悪性黒色腫の3種類があり、それぞれ発生部位や特徴、進行の速度が異なります。早期発見が重要であり、治療法には外科的な切除や放射線療法、化学療法などがあります。
日焼けを防ぐために長時間直射日光にさらされることを避け、日焼け止めを使用したり、帽子や長袖の衣服を着用したりして肌を保護することが、予防においてベストな手段の一つとされています。

皮膚がんの種類

皮膚がんにはどのような種類があるのでしょうか?以下で詳しい種類について解説します。

有棘細胞がん

有棘細胞がんは皮膚がんの一種で、紫外線の影響などが原因で発生します。日本では人口10万人あたり年間約2.5人の発症が見られ、70歳以上の高齢者に多く見られます。このがんは角化傾向を示す腫瘍として分類され、分化度によって治療法が異なります。
主な治療方法には外科療法、凍結療法、放射線療法、化学療法があり、進行度や全身状態に応じて治療が行われます。初期段階では外科的に腫瘍を切除する方法が多く用いられますが、進行した場合は化学療法や放射線療法が中心となることもあります。
予後はがんの進行度によって異なりますが、早期発見・早期治療により予後が良好な場合も少なくありません。

基底細胞がん

基底細胞がんは、皮膚がんの中でも一般的に多くみられるタイプで、特に顔や首に発生しやすい特徴があります。紫外線への長期間の曝露が主なリスクファクターとされています。このがんの進行は遅く、ほかの臓器に転移する可能性は低いですが、放置すると周囲の組織にダメージを与えるため、早期発見と治療が重要です。
治療方法としては、外科手術による切除、凍結療法、局所化学療法などがあります。早期に適切な治療をすれば、治癒率は高いとされています。​

悪性黒色腫

悪性黒色腫は皮膚がんの中でも特に攻撃性が高いタイプで、紫外線の過度な曝露が主な要因とされています。早期発見と治療が重要で、進行するとほかの臓器への転移リスクが高まります。治療法は進行度に応じて異なり、外科手術、放射線療法、化学療法などがあります。
初期段階では切除が推奨されていますが、進行した場合にはより複合的な治療が必要になる場合があります。

有棘細胞がんのステージ

有棘細胞がんのステージは、がんの大きさ、深さ、およびリンパ節やほかの臓器への転移の有無を基に、I期からIV期まで分類されます。

Ⅰ期

有棘細胞がんのステージⅠ期では、腫瘍の大きさが2cm以下であり、真皮または真皮から皮下組織にとどまっている状態を指します。
この段階ではがんは小さく、周囲の組織への拡がりが限定的なため、治療の可能性が高いと考えられます。適切な治療によっては、良好な治療結果を期待できるステージです。

Ⅱ期

有棘細胞がんのステージII期では、腫瘍は2cmを超えて成長していますが、まだリンパ節への転移はありません。
この段階では治療の選択肢が多様で、外科手術による切除や放射線療法が一般的に考慮されます。

Ⅲ期

有棘細胞がんのステージIII期では、腫瘍はさらに大きく成長し、周囲の組織やリンパ節への転移を起こす可能性があります。
この段階では、治療計画がより複雑になり、外科手術のほかに放射線療法や化学療法が組み合わせて検討されることがあります。

Ⅳ期

有棘細胞がんのステージⅣ期は、腫瘍が周囲の組織を超えて広がり、遠隔の臓器にも転移している状態を指します。
この段階での治療は困難で、腫瘍の制御と患者さんがより良い生活を送れるように支援することに注力します。

基底細胞がんのステージ

上記で、有棘細胞がんのステージについて解説しました。ここでは、基底細胞がんのステージについて解説します。

Ⅰ期

基底細胞がんのステージI期は、腫瘍が小さく、まだ局所的に限定されている段階を指します。
この初期段階では、治療の成功率は高く、通常は外科手術による切除を推奨しています。

Ⅱ期

基底細胞がんのステージII期では、腫瘍がより大きく成長しているものの、まだ遠隔の転移は見られません。
この段階での治療は主に外科手術で、早期の介入により治癒率は依然として高いとされます。

Ⅲ期

基底細胞がんのステージIII期は、腫瘍がさらに大きくなり、近くの組織に侵入し始めるが、まだ遠隔の転移はしていない段階です。
このステージでは、治療方法として外科手術のほか、放射線療法が検討されることもあります。早期の適切な治療により、良好な結果が期待できます。

Ⅳ期

基底細胞がんのステージIV期では、がんがほかの身体部位へ転移し始める最も進行した段階を指します。
この段階での治療は困難であり、転移したがんを管理するためにさまざまな治療法が検討されます。

悪性黒色腫のステージ

最後に、悪性黒色腫のステージ分類について解説します。

Ⅰ期

悪性黒色腫のステージI期では、がんはまだ薄く、表面近くに限定されています。この初期段階では治療の成功率が高く、外科手術によるがんの大半の切除ができるといわれています。
早期発見が極めて重要であり、定期的な皮膚検査により、治療可能な段階で発見されることが望まれます。

Ⅱ期

悪性黒色腫のステージII期では、がんはより厚くなり、深さも増しますが、まだリンパ節や遠隔部位への転移はありません。
治療には主に外科手術が用いられ、がんを可能な限り全て取り除くことが目指されます。早期発見と適切な治療が重要です。

Ⅲ期

悪性黒色腫のステージIII期は、がんが近くのリンパ節もしくは原発巣とリンパ節までの間の皮膚もしくは皮下に転移した段階です。
この時点での治療はより複雑になり、外科手術に加えて放射線療法や化学療法が検討されることがあります。

Ⅳ期

悪性黒色腫のステージIV期は、がんが遠隔部位に転移している状態です。この段階では治療が難しく、生存率も低下します。治療方法には、転移したがんを対象とした化学療法、放射線療法、免疫療法などがあります。

皮膚がんについてよくある質問

ここまで皮膚がんのステージを紹介しました。ここでは「皮膚がん」にについてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

皮膚がんを予防するにはどうしたらいいですか?

高藤 円香医師

皮膚がんを予防するためには、過度な紫外線曝露から肌を守ることが重要です。具体的には、日焼け止めを使用し、長袖の服や帽子を着用して直射日光を避けることが大切です。
また、ほくろの色や形の変化に注意し、異常があれば医師に相談することも大切です。

皮膚がんの治療法にはどのようなものがありますか?

高藤 円香医師

皮膚がんの治療法には、外科手術による腫瘍の切除、放射線療法、化学療法、免疫療法などがあります。治療はがんの種類、位置、進行度によって異なり、ときには複数の治療法を組み合わせて行われることもあります。

まとめ

ここまで皮膚がんの種類や症状についてお伝えしました。皮膚がんについて要点をまとめると以下の通りです。

  • ・皮膚がんには、有棘細胞がん、基底細胞がん、悪性黒色腫などがあり、それぞれ特徴が異なる。
  • ・有棘細胞がん、基底細胞がん、悪性黒色腫のステージは、初期(I期)から進行(IV期)まであり、がんの大きさ、深さ、リンパ節や遠隔部位への転移有無で分類される。初期段階では外科手術による治療の成功率が高く、進行段階では治療が複雑になる。
  • ・皮膚がんの治療法には、外科手術による腫瘍の切除、放射線療法、化学療法、免疫療法などがある。

皮膚がんと関連する病気

皮膚がんと関連する病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法などの詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

皮膚科

  • パジェット病
  • 血管肉腫
  • 皮膚付属器
  • メルケル細胞

具体的な症状や治療法については、担当の医師と相談しましょう。

皮膚がんと関連する症状

皮膚がんと関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 改善しない湿疹
  • まだらに盛り上がったしこり
  • 皮膚のかさつき
  • 左右対称でないほくろ
  • ほくろの色や形・大きさの変化
  • 赤い色素斑
  • 茶色・白色の色素斑<br />

これらの症状が持続する場合、または新たにあらわれた場合、医師の診察を受けることが大切です。

この記事の監修医師