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「肝臓がんのステージ別・生存率」はご存知ですか?ステージ別の治療法も解説!

 更新日:2024/01/25
「肝臓がんのステージ別・生存率」はご存知ですか?ステージ別の治療法も解説!

肝臓がんはその進行状況から、4つのステージに分けられます。肝臓がんについての基礎知識や、ステージごとの生存率や治療方法も合わせて解説します。

  • ・肝臓がんとはどのような状態のことをいうのか
  • ・肝臓がんのステージごとの生存率
  • ・肝臓がんにはどのような治療方法があるのか

肝臓がんとそのステージについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(TOTO関西支社健康管理室産業医)

プロフィールをもっと見る
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。2023年、TOTO関西支社健康管理室産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

肝臓がんとは?

「肝臓がん」は、肝臓に発生する悪性腫瘍の一般的な呼び名で、「肝細胞がん」とも称されます。肝細胞がんは、肝臓の主要な細胞である肝細胞が悪性化する病気です。しかし、肝臓内の胆管が悪性化した場合、それは「肝内胆管がん(胆管細胞がん)」と呼ばれ、治療法は異なります。肝細胞がんの発症は、50代以上の男性に多いとされています。
肝細胞がんは、治療後に再発しやすい疾患とされており、しばしば肝臓内で再発し、肺、リンパ節、副腎、脳、骨などに転移する可能性があります。
また、「転移性肝がん」は、肝臓以外の部位で発生したがんが肝臓に転移した状態を指します。転移性肝がんは肝細胞がんとは異なり、原発巣(がんが最初に発生した部位)に基づいた治療が行われます。この状態は、肝転移とも呼ばれます。

肝臓がんの原因は?

肝臓がんを引き起こす主な要因として、B型肝炎やC型肝炎の感染があります。これらの肝炎は、血液や体液を介して肝炎ウイルスに感染することで発症します。肝炎が長期化すると肝細胞が破壊され、肝硬変という状態に進行します。そして、肝硬変は肝臓がんの発症につながることがあります。ただし、近年では薬の開発により肝炎ウイルスの駆除が進み、C型肝炎が原因の肝臓がんは減少傾向にあるといわれています。
また、肥満や糖尿病が引き起こす脂肪肝も肝臓がんの一因となります。脂肪肝は、肝臓に脂肪が蓄積した状態を指します。糖尿病の増加に伴い、脂肪肝が原因で肝臓がんを発症するケースも増えています。
さらに、長期間にわたる過度な飲酒も肝臓がんのリスクを高めます。しかし、適量の飲酒であれば、肝臓がんを発症する可能性は低いとされています。
これらの要因を考慮に入れ、定期的な健康診断を受けることで、早期発見と適切な治療が可能となります。肝臓がんの予防と早期発見のために、健康管理を怠らないことが重要です。

肝臓がんのステージとその生存率

肝臓がんは、T因子(腫瘍の数、腫瘍の大きさ、脈管浸潤)のスコアとリンパ節転移、遠隔転移の有無により、ステージ(病期)が判断されます。数字が大きいほど、病状は進行している状態です。以下、ステージごとに解説します。

ステージ1

ステージ1は、肝臓がんの進行状況が「腫瘍径が2cm以下」「腫瘍個数が単発」「肝内脈管への浸潤がない」の3項目全てが当てはまる状態です。
予後はステージ1~4の中で最も良いですが、肝臓がんは再発率の高い疾患のため、5年生存率はおよそ50%台となっています。

ステージ2

ステージ2は、肝臓がんの進行状況が「腫瘍径が2cm以下」「腫瘍個数が単発」「肝内脈管への浸潤がない」の3項目のうち2項目が当てはまる状態です。
5年生存率はおよそ30%台です。

ステージ3

ステージ3は、肝臓がんの進行状況が「腫瘍径が2cm以下」「腫瘍個数が単発」「肝内脈管への浸潤がない」の3項目のうち1項目が当てはまる状態です。
5年生存率はおよそ10%台です。

ステージ4

ステージ4は、肝臓がんの進行状況が「腫瘍径が2cm以下」「腫瘍個数が単発」「肝内脈管への浸潤がない」の3項目のうちいずれも当てはまらないか、もしくはリンパ節への転移が陽性」の状態です。ステージ4はさらに2つに分類されます。
上記の状態をステージ4A、上記の状態に肝外転移(肺や骨など)を認める場合はステージ4Bと呼ばれAよりも悪性度が高まります。5年生存率はおよそ4%台です。

肝臓がんのステージごとの治療方法

肝臓がんの主な治療方法について、解説していきます。

手術(肝切除)

肝臓がんの治療には、「肝切除術」という手法があります。これは、がん細胞が存在する部分を含む肝臓の一部を取り除く手術です。全身麻酔を使用し、肝臓の健康な部分が機能を維持できるだけの組織を残すことが可能な場合に行われます。この手術は、肝臓のがん細胞を完全な除去を目指す、根治的な治療法とされています。ただし、肝硬変が進行し、肝機能が低下している場合には、肝移植が選択肢として考えられることもあります。
これらの治療法は、患者さんの健康状態やがんの進行度により異なるため、医師との相談が必要です。

ラジオ波焼灼療法(RFA)

「ラジオ波焼灼療法(RFA)」は、エコーやCTを用いてがん細胞を特定し、その部位に針を挿入してラジオ波やマイクロ波を照射し、がん細胞を焼き尽くす治療法です。局所麻酔が可能とされ、全身麻酔を必要とする手術と比べて体への負担が軽減されるという特徴があります。しかし、3cm以上の大きな腫瘍に対しては再発リスクが高まるとされており、また、腫瘍の位置によっては治療が難しい場合もあります。これらの点を考慮に入れ、患者さんの状態やがんの進行度に応じた治療法を選択することが重要です。

肝動脈塞栓術

「肝動脈塞栓術」では、足の付け根から肝臓に向けて細いチューブ(カテーテル)を挿入し、肝臓がんに血液を供給する肝動脈に抗がん剤を注入します。これにより、がん細胞だけを集中的に攻撃します。さらに、肝動脈を閉塞させることで、がん細胞への栄養供給を遮断し、がん細胞の死滅を目指します。
この治療法は、肝臓がんの大きさや個数、肝臓の機能によって手術やラジオ波焼灼療法が困難な場合でも適用可能な場合があります。肝動脈塞栓術は、手術やラジオ波焼灼療法に比べて治療成績は劣るかもしれませんが、多様な患者さんに対応でき、治療効果を高めるために、他の治療法を行う前に肝動脈塞栓術を行うこともあります。
肝動脈塞栓術の一種である「カテーテルを通じて肝動脈に抗がん剤と塞栓を行う治療」は、英語表記のTranscatheter Arterial Chemo-Embolizationから頭文字をとってTACE(テイス)、抗がん剤を使わない場合はTAE(ティーエーイー)と呼ばれます。これらの治療法は、患者さんの状態やがんの進行度に応じた治療法を選択することが重要です。

分子標的薬

近年では、肝臓がんに対する分子標的薬が数多く開発され、治療の選択肢が広がっています。これらの抗がん剤は、特定の分子を標的にすることで、がん細胞だけを攻撃し、正常な細胞への影響を最小限に抑えることを目指します。これにより、吐き気や皮膚のしびれなどの従来の抗がん剤の副作用を軽減することが期待されています。
ただし、分子標的薬の効果は、がんの種類や進行度、患者さんの体質などにより異なるため、医師との相談を通じて治療法を選択することが重要です。
これらの新たな治療法の開発と普及により、肝臓がんの治療は患者さんのQOL(生活の質)を向上させる方向へと進化しています。

放射線療法

肝臓がんの治療法として、放射線治療という選択肢も存在します。これは、がん細胞に直接放射線を照射し、その活動を抑制する方法です。これまで、肝臓は放射線の影響を受けやすく、放射線治療は用いられることが少なかったこともあり、肝臓がんの標準治療としてはまだ確立されていませんでした。
しかし、近年の放射線技術の進歩により、がんのある部位に高線量の放射線をピンポイントで照射することが可能となり、肝臓がん治療の新たな選択肢となっています。手術や穿刺局所療法が困難なケースに適用されますが、治療できる施設が限られており、治療を希望する場合は担当医との相談が必要です。
放射線治療は、手術や薬物療法と並ぶがんの3大治療法の1つで、手術のように臓器を取り除くことなく、がんの部分だけに放射線を照射することで治療を行います。治療の目的は、完治を目指す場合と苦痛を緩和する場合の2つがあります。これらの治療法は、患者の状態やがんの進行度に応じて選択されます。

肝臓がんの予防方法

肝臓がんの予防には、いくつかの重要な要素があります。

まず、全般的ながんの予防策として、禁煙、適度な飲酒、バランスの良い食事、定期的な運動、適切な体重の維持、感染症の予防などが挙げられます。
特に肝細胞がんに対しては、肝炎ウイルスの感染予防が非常に重要です。
B型肝炎ウイルスに対しては、ワクチンによる予防が可能とされています。また、肝炎ウイルスの感染を早期に発見することも、肝臓がんの発生予防にとって重要です。そのため、定期的な健康診断や検査を受けることをお勧めします。
さらに、B型肝炎やC型肝炎ウイルスに感染していることが分かった場合、肝細胞がんの予防として、肝炎の進行を防ぐための抗ウイルス療法が推奨されます。これには、ウイルスの排除や増殖を抑制する薬が使用されます。これらの予防策を適切に行うことで、肝臓がんのリスクの低減につながります。

「肝臓がんのステージ」についてよくある質問

ここまで肝臓がんのステージの症状を紹介しました。ここでは「肝臓がんのステージ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

肝臓がんは治療をしても再発しますか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

肝臓がんは治療後も再発する可能性が高いとされています。肝臓がんの再発率は約80%といわれており、これは肝切除術を行った場合でも、肝炎や肝硬変は治療できないためです。肝臓がんの特徴として、一度治療で完全に取り除かれたとしても、肝臓内で再発しやすいことが挙げられます。これは、治療したがんが肝内転移を起こして再発する場合や、慢性肝炎を背景に持つ肝臓から新たにがんが発生することが原因となります。これらの情報から、肝臓がんの治療後のフォローアップは非常に重要です。また、再発予防のための生活習慣の改善や、定期的な検査を受け、早期発見に努めることも大切です。

肝臓がんステージ4の主な症状は?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

肝臓がんは、初期段階では自覚症状がほとんど現れないことが多いため、「沈黙の臓器」とも呼ばれます。そのため、定期的な健康診断や他の病気の検査の際に偶然発見されることが多いようです。特に、肝機能の異常や肝炎ウイルスの感染が健康診断などで指摘された場合は、医療機関での受診が推奨されます。
肝細胞がんが進行すると、腹部のしこりや圧迫感、痛みなどの自覚症状が現れることがあります。しかし、これらの症状が現れる頃には、がんは既に進行している可能性が高いです。そのため、早期発見のためには定期的な健康診断が重要となります。

編集部まとめ

ここまで肝臓がんとそのステージについてお伝えしてきました。肝臓がんとそのステージについての要点をまとめると以下の通りです。

⚫︎まとめ

  • ・肝臓がんとは、肝臓の主要な細胞である肝細胞が悪性化する病気で、多くはB型肝炎やC型肝炎などの肝炎ウイルスに感染することが原因で発症する
  • ・肝臓がんは1~4期のステージに分類され、数字が大きいほど病状は進行している状態となり、5年生存率もステージがあがるごとに低くなっている
  • ・肝臓がんには、手術(肝切除)、ラジオ波焼灼療法(RFA)、肝動脈塞栓術、分子標的薬、放射線療法などの治療方法があり、患者さんの状態に合わせて選択される

「肝臓がん」と関連する病気

「肝臓がんの症状」と関連する病気は2個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

肝臓の病気

肝臓がんの症状と同じような症状をおこす病気もこれほどあります。なかなか自己判断は難しいので、症状が続く場合はぜひ一度医療機関を受診してください。

「肝臓がんの症状」と関連する症状

「肝臓がんの症状」と関連している、似ている症状は13個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

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  • 圧迫感
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  • 肝性脳症
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  • 全身倦怠感
  • 便通異常
  • 黄疸
  • 吐下血
  • 貧血症状

これらの症状が当てはまる場合には、肝臓がんなどの異常の有無を確認するべく、早めに医療機関を受診しましょう。

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