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「C型肝炎」の症状・感染経路はご存知ですか?医師が監修!

 更新日:2023/03/27
C型肝炎

ウイルス性と聞くと心配になるのが、感染経路やどんな経過を辿るのかということではないでしょうか。知っておくと心構えができることでしょう。

ここでは、C型肝炎の主な感染経路・症状・予防法について紹介します。また、検査を受ける時期や検査方法についても紹介するので参考にしてください。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

C型肝炎の感染経路・症状

C型肝炎とは?

C型肝炎はどんな病気ですか?

C型肝炎は肝臓がC型肝炎ウイルス(HCV)に感染することで引き起こされる病気です。重症化すると慢性肝炎・肝硬変・肝がんといった肝臓の障害を引き起こす可能性があります。
ただし感染してもすぐに症状が起きるわけではありません。「感染しているが検査を受けていない方」や「感染がわかっているが通院していない方」もおり、潜在層を合わせて約100万人ものHCV感染者がいると考えられています。
これは肝臓という臓器自体が病気にかかっても自覚症状がほとんど感じられないためです。そのため、気づかずに肝がんへと進行してしまったというケースもあります。

どんな感染経路がありますか?

感染経路は主に血液です。通常は普通に生活をしていても、他人の血液に触れることはないでしょう。そのため日常生活では感染に関してあまり気にしなくても良いとされています。
想定される感染経路としては、感染者の血液から作られた血液製剤や輸血、または注射器の使い回しなどが想定できます。
そのため、感染者と直接触ったりタオルなどを共用したりといった場合でも感染はありません。ただし、血液が服などについてしまった場合は、直接触らず洗うようにしましょう。妊婦からお腹の中にいる胎児や、性行為でも感染する可能性はありますが、確率はかなり低いです。

C型肝炎ではどんな症状が出ますか?

C型肝炎の初期症状は、全身の倦怠感・食欲不振・嘔吐などです。症状が進行すると、皮膚が黄色く見える「黄疸」や極端なむくみといった症状がみられます。この頃には肝硬変が進んでいるため、本来であれば治療が必要です。
しかし、黄疸以外は初期症状においては他の病気でもみられる症状のために見逃されることが多くなっています。

自覚症状がない方も多いのですね…。

初期症状などの自覚症状すらもないまま、進行してしまう方が多いです。これを「不顕性感染」と呼びます。しかし、不顕性感染となってもウイルスが自然に排除されることはあまりありません。
ここから「慢性肝炎」へと進行し、約3割の方が肝硬変へと進行していきます。この頃には肝硬変の症状が出始めるため、その症状の診察によって初めてHCVに感染していたということを知る方も多いです。

C型肝炎の診断方法と治療方法

ウィルス検査

C型肝炎の検査方法が知りたいです。

C型肝炎は主に血液検査でHCV抗体が陽性かどうか調べます。これは数ml採血するだけで終わる簡単な検査で、健康診断の血液検査に合わせて行われていることが多いです。そのため、社会人になって健康診断を受けた方の中にはすでに検査をしてもらったという方も多いかもしれません。
HCV抗体が陽性と判断された場合、さらに「現時点でHCV感染者となっている方」と「過去にHCV感染者だったがすでに治っている方」の2パターンに分けられます。この2パターンを区別するため、さらに核酸増幅検査(NAT)を行って治療が必要かどうかの診断を実施するのです。

C型肝炎と診断される基準値を教えてください。

C型肝炎である(または感染していたがすでに治った)方と診断される基準値は、血液中のHCV抗体が0.0~0.9C.O.Iの範囲です。この基準を超える値が出ると、C型肝炎に感染しているとされ、さらにNATなどの検査を行います。

検査はいつ受けてもいいですか?

検査は、いつ受けても大丈夫です。C型肝炎かどうかを調べる血液検査は、ほとんどの病院や診療所で受けられる検査ですし、各自治体が行っている住民検診(40歳以上の方が対象)でも、C型肝炎の血液検査を受けることができます。企業の福利厚生の一環として行われる健康診断の項目にも含まれる場合があるため、もしかすると受けたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
本来は「一生に一度は検査を受けていたほうが良い」とされています。そのため、まだ一度もC型肝炎の検査を受けていないのであれば受けたほうが良いでしょう。特にご家族にHCV陽性者がいる場合は検査を受けるのが望ましいとされています。

どのような治療を行いますか?

治療は、大きく分けて2つあります。ウイルスの働きを弱めて最終的に駆除を図る「抗ウイルス療法」と、肝臓が線維化しないようにする「肝庇護療法」の2通りです。どちらの治療法が取られるかは、C型肝炎の進行度・年齢・抗ウイルス療法が可能な体質かどうかによって判断されます。
ほとんどの場合、抗ウイルス療法でHCVを駆除して根治する方向で進められます。抗ウイルス療法で主に行われているのは、インターフェロンという注射薬を用いる「インターフェロン療法」と飲み薬だけの「インターフェロンフリー療法」の2種類です。インターフェロンは副作用が出ることが多いとされているため、現在では副作用の少ないインターフェロンフリー療法が優先的に用いられています。
どちらの治療法も適応できない、もしくは肝がんのリスクが非常に高い状態まで進行している場合は肝庇護療法です。内服薬や注射薬で肝機能をなるべく正常に保つことで、症状が進行し肝臓が線維化するのを抑えます。

治療を受けなくても治りますか?

治療が必要なのは肝障害が起きている方です。感染初期にはご自身の免疫反応によってウイルスが自然になくなる可能性もあります。しかし、数十年後に肝機能障害を引き起こす可能性もあるのです。
実際に、感染していると診断された時に無症状だった方の約6割~8割は、その後慢性肝炎に移行するといわれています。そのため、無症状だったとしても定期的な検診は必要になるでしょう。

C型肝炎の予防法・生活上の注意点

掃除道具

C型肝炎は予防できますか?

C型肝炎は、主に感染した方の血液を直接触ることで感染するといわれています。そのため、基本的には他人の血液を直接触らなければ予防といえます。他人の歯ブラシやカミソリを使わないようにすることも予防の1つです。
また、他人の血液を清掃しなければいけない場合は、ゴム手袋を着用して肌に直接血液が触れないようにし、着用したゴム手袋は袋に密封して処分するようにしましょう。

感染後に日常生活で注意すべきことを教えてください。

感染後は定期的に医療機関で検診を受け、肝臓とウイルスの状態を調べるようにしてください。また、過度の飲酒や肥満は肝臓に負担がかかり、肝炎のリスクを上げてしまうおそれがあります。飲酒はなるべく控え、できる限り肥満に気をつけるようにしましょう。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

C型肝炎は感染リスクが低いとはいえ、まだ根絶されていない病気です。まだ一度もC型肝炎の検査を受けていない方は、なるべく受けるようにしましょう。
検査自体は血液検査だけと比較的容易です。住民検診や健康診断に含まれている場合が多いので、そういった検診に項目があった場合には積極的に選んでみると良いでしょう。

編集部まとめ

患者と介護者

現在、日本ではC型肝炎にかかっている方が約100万人ほどいると考えられています。感染経路がわかっているケースはあまり多くありません。

そのため、どんな方であっても一度はC型肝炎の検査を受けることを推奨されています。検査自体は血液検査だけなので比較的容易です。

すぐ近くに感染者がいても、感染経路は血液だけなので、日常生活を共に過ごしていても感染することはありません。過度な心配はしないようにするのが大切です。

この記事の監修医師