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「前立腺がん」を予防する可能性の高い「食べ物」はご存知ですか?【医師解説】

 公開日:2026/01/09
「前立腺がん」を予防する可能性の高い「食べ物」はご存知ですか?【医師解説】

前立腺がんの予防法とは?Medical DOC監修医が前立腺がんの予防法・発症のリスクを上げやすい食べ物・予防する食生活などを解説します。

石川 智啓

監修医師
石川 智啓(医師)

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2013年名古屋大学医学部卒。初期研修修了後、JCHO中京病院泌尿器科、小牧市民病院泌尿器科、名古屋大学医学部附属病院泌尿器科を経て、現在水野内科クリニックで勤務。日本泌尿器科学会専門医、da Vinci Surgical System コンソールサージャン・サーティフィケートの資格を有する。

「前立腺がん」とは?

前立腺がんは、前立腺という男性特有の臓器にできる悪性腫瘍です。初期は自覚症状が乏しく、健康診断で偶然発見されることも少なくありません。しかし、進行すると頻尿や排尿困難、血尿などの症状が現れる場合があります。
年齢、家族歴、男性ホルモン(テストステロン)の影響が主な発症要因とされています。そのほかにも、男性がんの危険因子についてはさまざまな研究が行われています。
今回の記事では、前立腺がんの予防法を中心に解説します。

前立腺がんの予防法

前立腺がんに特化した予防法は、現時点ではまだはっきりと確立しているものはありません。しかし、以下のようなことに気をつけることで、前立腺がんになるリスクを低くすることが期待できます。

バランスの取れた食事を心がける

前立腺がんの発症リスクは、食生活と密接に関係しています。特に動物性脂肪の過剰摂取はリスクを高める一因です。肉類ばかりでなく、魚・野菜・豆製品をバランスよく摂ることが大切です。低脂肪食品を選ぶことも方法の一つです。

適度な運動を継続する

運動によって、前立腺がんのリスクを低くできる可能性が示されています。前立腺がん以外にも、心臓の病気やその他のがんのリスクも下げることが期待できます。
運動習慣がない方は、まずはエレベーターでなく階段を使うようにする、歩数を増やすようにするなどの習慣を取り入れてみましょう。
1週間あたり、少し息がはずむが会話はできるくらいの強度の運動を150〜300分しましょう。または、より強度が強い運動を75〜150分、行うとよいでしょう。

健康的な体重を維持する

肥満を予防することが前立腺がんの予防にもつながります。肥満は、医学的には体格指数(BMI = 体重kg ÷ (身長m)2)が30kg/m2以上の場合を指します。肥満の方は、悪性度の高い前立腺がんになる、前立腺がんによる死亡リスクが高まるとことが報告されています。
適切なカロリー摂取と、適度な運動を心がけ、健康的な体重を維持しましょう。

禁煙する

タバコは、前立腺がんのリスクを高めることが報告されています。特にヘビースモーカーの方では前立腺がんによる死亡するリスクが高まるともいわれています。喫煙は、前立腺がんだけでなく、他のがんや慢性閉塞性肺疾患(CODP)の危険因子となります。喫煙していない方は、今後も喫煙を開始しないようにしましょう。また、現在喫煙している方は、できるだけ禁煙しましょう。

節酒する

過度のアルコール摂取は、前立腺がんのリスクを高める可能性があります。飲むとしても、1日1合程度にとどめ、週1〜2回の休肝日を設けましょう。

前立腺がん発症のリスクを上げやすい食べ物

前立腺がんの発症に食べ物が関連しているかどうかについては研究段階ではあります。しかし、以下のような食品の食べ過ぎには注意したほうがよいでしょう。

飽和脂肪酸を多く含む食品

飽和脂肪酸を大量に摂取すると、進行前立腺がんのリスク増加につながる可能性があります。
飽和脂肪酸は、肉類、ラード、バター、乳製品などの動物性脂肪やパーム油などに多く含まれています。脂質の摂りすぎは前立腺がんのみならず、肥満や生活習慣病のリスクも高めることが知られています。適度な摂取を心がけましょう。

高温で調理した肉

肉を高温で調理すると、発がん性の疑いがある物質が生成されることがあります。肉の種類や焼き加減によっては異なります。しかし、ウェルダンビーフ、ウェルダンハンバーグの摂取量が多いと、進行性の前立腺がんのリスクが高まるとも報告されています。焦げた肉を頻繁に食べることは、控えたほうがよいかもしれません。

揚げ物やファストフード

牛肉や豚肉に限らず、揚げ物やファストフードを頻繁に食べることは前立腺がんのリスクを高める可能性があります。フライドポテトやフライドチキン、魚のフライ、ドーナツを週に1回以上とると、前立腺がんになる危険性が高まるという報告があります。
高温で調理された食品には、終末糖化生成物(AGE)が大量に含まれ、酸化ストレスや炎症誘発性作用の増加に関連しているとされています。また、ジャガイモなど炭水化物に富んだ食品を揚げる際に、発がん性物質であるアクリルアミドが生成されます。
ファストフードは手軽に食べられるものですが、頻繁に食べることは避けましょう。

砂糖入り飲料

砂糖が大量に添加された飲み物は、前立腺がんのリスク上昇と関連しているとの報告があります。血糖値の急上昇や、慢性的な炎症を通じて前立腺がんの危険性を高めるのではとも考えられています。また、糖質の過剰な摂取は肥満にもつながりかねません。清涼飲料水やエナジードリンクなどの甘い飲み物は、あくまで楽しみ程度に止めるようにしましょう。

アルコール飲料

過度のアルコール摂取は、前立腺がんのリスク増加と関連しています。アルコールが分解されてできるアセトアルデヒドは毒性が高く、発がん性物質として知られています。最終的にアセトアルデヒドは水と二酸化炭素に分解されて排泄されます。しかし、慢性的なアルコール摂取は細胞の酸化ストレスを増加させ、血中テストステロンの濃度を高め、前立腺がんのリスクを高める可能性があります。

前立腺がんを予防する食べ物・食生活

前立腺がんの発症を予防するとはっきり示されている食べ物はありませんが、発症のリスクを下げる可能性のある食べ物を紹介します。

トマト

トマトに含まれる、抗酸化作用を持つリコピンが前立腺がん発症を予防する可能性が報告されています。特にトマトソースを週に2回以上食べると、そうでない場合と比べて前立腺がん発症を抑えられたとされています。加熱することで吸収率が上がるため、トマトソースやスープとして取り入れるのがおすすめです

大豆製品

大豆製品に含まれるイソフラボンと、その誘導体であるゲニステインとダイゼインに、前立腺がん予防効果があるのではと注目されています。イソフラボンやゲニステイン、ダイゼインは女性ホルモン(エストロゲン)に似た作用を持ちます。納豆や豆腐、豆乳、油揚げなどを積極的にとるようにしましょう。

緑茶

緑茶に含まれるカテキンには、がん細胞の増殖を抑制したり、がん細胞を死滅させたりする効果があるとされています。

アブラナ科の野菜

ブロッコリーやカリフラワーなどのアブラナ科の野菜には、がんを予防する効果があるとされる、スルフォラファンという成分が含まれています。

きのこ類や魚介類

きくらげや乾燥しいたけなどのきのこ類や、しらす干しや紅鮭といった魚介類には、ビタミンDが豊富に含まれています。ビタミンDは、その活性型代謝物であるカルシトリオールという成分が前立腺がんの発症リスクを下げることが示唆されています。

「前立腺がんの予防法」についてよくある質問

ここまで前立腺がんの予防法などを紹介しました。ここでは「前立腺がんの予防法」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

性行為が原因で前立腺がんを発症することはありますか?

石川 智啓石川 智啓 医師

性行為が前立腺がんを発症するリスクを高めるという明らかな証拠は、現時点では明らかになってはいません。逆に、少数ではありますが、頻繁な射精が前立腺がんのリスクを低下させるという報告もみられます。ただし、不特定多数の相手との性行為には、性感染症などの危険性もあります。予防的な衛生管理は大切だといえるでしょう。

まとめ

今回の記事では、前立腺がんの予防方法について、今のところ明らかになっているような食品や生活習慣を中心に解説しました。前立腺がんのみならず、がんの予防のためには、適度に身体を動かすこと、適切な体重を保つこと、健康的な食生活を心がけること、節酒・禁煙が重要です。トマトや大豆製品、緑茶などを取り入れたバランスの良い食生活を続けることが、長期的な健康維持にも役立ちます。今回の記事を参考にして、日常生活に取り入れられそうなものから始めてみるとよいでしょう。

「前立腺がん」と関連する病気

「前立腺がん」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

泌尿器科系

これらの病気は、前立腺がんと同様の症状が現れることがあります。

「前立腺がん」と関連する症状

「前立腺がん」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

前立腺がんは早期の段階ではほとんど症状がない場合もありますが、進行すると上記のような症状が出現するケースがあります。

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