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「認知症になりやすい人」の特徴はご存知ですか?なりやすい性格も医師が解説!

 公開日:2024/05/09
「認知症になりやすい人」の特徴はご存知ですか?なりやすい性格も医師が解説!

認知症になりやすい人の特徴とは?Medical DOC監修医が認知症になりやすい人の特徴・性格・なりにくい人の特徴・予防法などを解説します。

前田 佳宏

監修医師
前田 佳宏(医師)

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島根大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科に入局後、東京警察病院、国立精神神経医療研究センター、都内クリニックにて薬物依存症、トラウマ、児童精神科の専門外来を経験。現在は和クリニック院長。愛着障害やトラウマケアを専門に講座や情報発信に努める。診療科目は精神神経科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経内科。 精神保健指定医、認定産業医の資格を有する。

「認知症」とは?

認知症とは、さまざまな原因で脳の働きが低下し、日常生活に支障をきたすようになった状態を指します。物忘れがひどくなる、同じことを何度も言ったり聞いたりする、日にちや場所がわからなくなる、これまでできていたことができなくなるなどの症状が現れます。

認知症には、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症など、さまざまなタイプがあります。一次性認知症と呼ばれるこれらの認知症は、脳の神経細胞の変性や脱落によって引き起こされます。一方、二次性認知症は、感染症、頭部外傷、内分泌疾患などの他の疾患が原因で発症します。

認知症になりやすい人の特徴

まずは、認知症になりやすい人の特徴を解説します。

加齢

認知症の最大の危険因子は加齢です。65歳以上の高齢者では、認知症の有病率が高くなります。ただし、年齢を重ねるだけでは認知機能が低下するわけではありません。家族に認知症の人がいる場合、遺伝的な要因により認知症のリスクが高まる可能性もあります。

生活習慣病

糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病も、認知症の危険因子となります。特に中年期からは生活習慣病になりやすいので注意が必要です。生活習慣病は、認知症だけでなく脳梗塞などの脳血管障害などの危険性も高くなります。

運動不足

運動不足も認知症の危険因子の一つです。定期的な運動習慣がある人は、運動習慣がない人と比べて認知症のリスクが低いことが報告されています。

肥満

肥満や体重減少にも注意が必要です。中年期では、肥満の人ほど認知症になりやすいことが報告されています。一方、高齢期では、痩せや体重減少が認知症のリスクを高めます。

喫煙

喫煙も認知症のリスクを高める要因の一つです。喫煙量が多く、 期間が長いほど、言葉の流暢性(りゅうちょうせい:なめらかさのこと)や記憶などの認知機能が低下する可能性がありま す。

飲酒

過度の飲酒も認知症のリスクを高める可能性があります。週に276g以上(500ml缶、約10本)のアル コールを摂取すると、認知症を発症する危険性が高くなることが報告されています。

認知症になりやすい人の性格

認知症になりやすい性格について、科学的に明確なエビデンスはまだ十分ではありませんが、いくつかの性格傾向が認知症のリスクを高める可能性が示唆されています。

真面目

真面目で勤勉、責任感が強いなどの性格は、若い頃は仕事で評価される面がありますが、ストレスを感じやすく、認知症になるリスクが示唆されています。頑固で融通が利かない性格も、認知症になりやすい傾向があります。

神経質

神経質で心配性な性格の人は、ストレスを感じやすく、不安やうつ状態に陥りやすいと言われています。長期的なストレスは、認知機能の低下につながる可能性があります。

社交性に乏しい

人付き合いが苦手で、社会との接点が少ない人は認知症になるリスクが高いと言われています。家に閉じこもりがちで、他者とのコミュニケーションが少ないと、脳への刺激が減少し、認知機能の低下を招く可能性があります。

認知症になりにくい人の特徴

それでは、認知症になりにくい人の特徴と考えられる点について解説します。

健康的ない生活習慣

定期的な運動習慣がある人は、運動習慣がない人と比べて認知症のリスクが低いことがわかっています。週2~3回以上の運動を行うことが推奨されます。また、読書やパズル、楽器の演奏、囲碁などの知的活動を週6時間以上行う人は、認知症の発症を予防できる可能性があります。

社会参加とコミュニケーション

社会参加や他者とのコミュニケーションを積極的に行う人は、認知症になりにくい傾向があります。孤立を避け、他者と交流することが認知症予防につながります。家族や友人との会話、地域活動への参加、ボランティア活動などを通じて、社会とのつながりを維持することが大切です。

バランスの取れた食事

地中海食に代表される野菜や魚を中心とした食事は、認知機能低下や認知症のリスクを低減する可能性があります。バランスの取れた食事を心がけ、適度な量の野菜、果物、全粒穀物、魚、オリーブオイルなどを取り入れることが推奨されます。

生活習慣病の管理

糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を適切に管理している人は、認知症のリスクが低いことがわかっています。特に中年期からは、定期的な健康診断を受け、必要に応じて医師の指導のもと、薬物療法や生活習慣の改善に取り組むことが大切です。

適正体重の維持

中年期(40~64歳)に肥満ではない人は、認知症のリスクが低いことが報告されています。一方、高齢期(65歳以上)では、極端な痩せや体重減少は認知症のリスクを高める可能性があります。年齢に応じた適正体重を維持することが、認知症予防につながります。

認知症の予防法

定期的な運動

定期的な運動は、認知機能の維持・向上に役立ちます。ウォーキングやジョギング、水泳など、自分に合った運動を継続的に行うことをおすすめします。

社会参加や知的活動

社会参加や知的活動も、認知機能の維持・向上に効果的です。趣味の活動、ボランティア、生涯学習など、他者と交流しながら楽しく活動することが大切です。読書、パズル、楽器演奏など、脳を刺激する活動も認知症予防に役立ちます。

生活習慣病の管理

糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を適切に管理することが、認知症予防につながります。定期的な健康チェックを受け、口渇感や口臭など気になる症状が続くようであれば、早めに医師に相談しましょう。

バランスの取れた食事

バランスの取れた食事も重要です。野菜や果物、魚、オリーブオイルなどを取り入れ、飽和脂肪酸や糖分、塩分を控えめにすることを心がけましょう。

禁煙

禁煙している期間が長いほど認知症の発症リスクが軽減するため、できるだけ早い時期に禁煙することが推奨されます。

「認知症になりやすい人」についてよくある質問

ここまで認知症になりやすい人などを紹介しました。ここでは「認知症になりやすい人」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

認知症になりやすい人の行動や生活習慣について教えてください。

前田 佳宏医師前田 佳宏(医師)

認知症になりやすい人の行動や生活習慣としては、運動不足、偏った食生活、喫煙や過度の飲酒、社会参加の少なさなどが挙げられます。一人で家に閉じこもりがちで、他者とのコミュニケーションが少ない生活も認知症のリスクを高めます。規則正しい生活リズムを保ち、バランスの取れた食事と適度な運動、社会参加を心がけることが認知症予防につながります。

認知症の可能性がある職業はありますか?

前田 佳宏医師前田 佳宏(医師)

特定の職業が認知症のリスクを高めるというエビデンスは乏しいです。しかし、ストレスの多い仕事や、有害物質を扱う職業では注意が必要かもしれません。一方、仕事を通じて社会とのつながりを持ち、知的な刺激を受けられる職業は、認知症予防の観点からはプラスに働く可能性があります。ただし、職業よりも、仕事以外の生活習慣や性格傾向が認知症のリスクにより大きな影響を与えると考えられます。

編集部まとめ

認知症の予防と早期発見・早期治療には、正しい知識と理解が不可欠です。認知症に関する最新の情報を学び、日々の生活の中で予防策を取り入れていくことが大切です。また、認知症は本人だけでなく家族や周囲の人々にも大きな影響を与えます。認知症の人やその家族を地域全体で支えていくことが、これからの超高齢社会には求められています。一人ひとりが認知症について正しく理解し、支え合う社会の実現を目指していきましょう。

「認知症になりやすい人」と関連する病気

「認知症になりやすい人」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

脳・神経科の病気

内分泌・代謝科の病気

これらの病気は、脳の血流障害や神経細胞の障害を引き起こし、認知症の原因となる可能性があります。基礎疾患として認知症のリスクを高めるため、適切な治療とコントロールが重要です。

「認知症になりやすい人」と関連する症状

「認知症になりやすい人」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • もの忘れがひどい
  • 同じことを何度も言ったり聞いたりする
  • 日付や場所がわからなくなる
  • 今までできていたことができなくなる
  • 性格が変わる(怒りっぽくなる、無気力になるなど)

これらの症状は、認知症の初期に現れることが多いです。もの忘れの程度が日常生活に支障をきたすようであれば、認知症の可能性を疑い、早めに専門医に相談することが大切です。

この記事の監修医師