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「認知症になりやすい人の口癖」はご存知ですか?なりやすい人の特徴も医師が解説!

 公開日:2024/02/05
「認知症になりやすい人の口癖」はご存知ですか?なりやすい人の特徴も医師が解説!

認知症になりやすい人の口癖とは?Medical DOC監修医が認知症になりやすい人の口癖・なりやすい人の特徴・なりにくい人の特徴・予防法などを解説します。

村上 友太

監修医師
村上 友太(東京予防クリニック)

プロフィールをもっと見る
医師、医学博士。福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学脳神経外科学講座助教として基礎・臨床研究、教育、臨床業務に従事した経験がある。現在、東京予防クリニック院長として内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、抗加齢医学専門医。日本認知症学会、日本内科学会などの各会員。

「認知症」とは?

認知症とは記憶力や判断力、思考能力、情報処理能力などが有意に低下し、それにより日常生活に支障が出ている状態を指す病名です。認知症になると、友人や家族など周囲の人と衝突しやすくなったり、大事な用事を忘れてしまったり、車の運転ができなくなったりと多くの問題が生じます。
認知機能が低下する要因には認知症の他に、精神疾患や体調不良による朦朧状態(せん妄)、低血糖などによる認知機能の低下など、適切に治療することで改善するものもあります。物忘れが増える、性格が変わる、場にそぐわない行動をすることが増えるなど認知機能の低下を疑う場合には脳神経内科や物忘れ外来を受診しましょう。

認知症になりやすい人の口癖

依存的な性格の方や物事をできるだけ避けてしまう性格であったり、プレッシャーを感じやすい性格であったり、批判や皮肉が多かったりすると認知症になりやすいと報告されています。また認知症の発症早期には神経質で怒りっぽい性格になるといわれています。
そのような認知症になりやすい、または認知症になりかけている方で多い口癖について具体的にご紹介します。

「疲れた」「なんでもよい」「好きにして」

活動性が低く、さまざまなことに依存的で、否定的な発言や判断などを丸投げするような発言が多い人は認知症になりやすい傾向があります。

「もう歳だから」「もうダメだ」「どうせ自分なんて」

自己評価が低く、否定的な発言が多く、自分で行動を起こさない人は認知症になりやすい傾向があります。

「昔はよかった」「今時の若いものは」

批判的な発言や皮肉的な発言が多い人は認知症になりやすい傾向があります。

認知症になりやすい人の特徴

認知症は加齢とともに増加し、非活動的で社会的な関わりの少ない人に多いとされています。また高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病のある人や肥満のある人、うつ病などの精神疾患のある人、喫煙者、教育年数が短い人で認知症が多いことが知られています。これを踏まえ、どのような生活の人が認知症になりやすいかをご紹介します。

高齢

2012年の統計では、認知症は男女ともに65歳から増え始め、75歳では10人に1人、80歳では5人に1人と急激に増加します。認知症の有病率は女性で高く、65歳ではほぼ同じ割合ですが、80歳以上では10%以上の差がみられます。

社会的な関わりが少ない

人との交流がなく、引きこもりがちな生活な人は認知症になりやすいと考えられます。外出機会も減るため、運動不足になりやすいことも認知症になりやすい因子となります。

運動習慣がなく、休日はごろごろと過ごす

休日にごろごろと過ごしている人は肥満になりやすく、糖尿病などの生活習慣病になりやすく、認知症になりやすいと考えられます。

教育年数が8年以下の人

教育年数が8年以下の人は9年以上の人に比べて2倍認知症になりやすいと報告されています。日本では義務教育期間は9年であるため、ほとんどの方が当てはまらないと思いますが、義務教育を受けられなかった方は注意が必要です。

認知症になりにくい人の特徴

バランスの取れた食事や適度な運動を日常的にしている人、知的活動や社会的な活動を日常的に行っている方は認知症になりにくいとされています。また適度の飲酒、特に赤ワインの適量接種は認知症の予防効果があると報告されています。

本人や家族の健康意識が高い

普段からバランスのよい食事や適度な運動を心がけ、暴飲暴食を避ける人は認知症になりにくいです。また、生活リズムの整った人はストレスもためにくく、うつ病なども発症しづらくなります。

活動的である、社交的である

活動的な人や社交的な人は、新しい体験をしたり、人との会話を楽しんだりと頭を使う機会が多く、認知症になりにくいです。

没頭できる趣味がある

認知症は活動性がなく、何も考えない時間の多い方がなりやすいです。没頭できる趣味がある人は、余暇時間も趣味などで頭を使う機会が多く、認知症になりにくいと考えられます。

認知症の予防法

認知症の予防には適度な運動やバランスの取れた食事、余暇時間の積極的な活動、社会参加などが有効と報告されています。

食事療法

大豆・大豆食品や野菜、藻類、牛乳・乳製品、魚の摂取は認知症のリスクを減らし、米の摂取量が多いと認知症のリスクが高まると報告されており、食べすぎによる肥満も認知症のリスクとなります。食べすぎに注意してバランスのよい食事をしましょう。

適度な運動

1日30分以上のウォーキングなど、適度な運動は認知症の発症率の低下と関連すると報告されており、糖尿病などの生活習慣病の予防にもなります。転倒しやすい方は手すりや歩行器などを利用してウォーキングをする、座って体操を行うなど、危険のない形で運動を行うようにしてください。

余暇活動や社会参加

将棋やクイズ、映画鑑賞、ゲームなど知的な活動、散歩やエアロビクスなどの身体的な活動、友人とあう、ボランティア活動を行う、デイサービスに通うなどの社会的な活動を行うことは、認知症の予防に効果があると報告されています。また、好きなことをする、社会的な交流・役割をもつことはうつ病などの精神疾患の予防にもなります。
交友関係が少なく暇を持て余している場合には認知症のリスクが高くなるため、ボランティア活動に参加する、デイサービスを利用する、町内会などの役員をするなど社会参加を心がけるとよいでしょう。

「認知症になりやすい人の口癖」についてよくある質問

ここまで認知症になりやすい人の口癖などを紹介しました。ここでは「認知症になりやすい人の口癖」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

認知症を疑う話し方の特徴を教えてください。

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

認知症になると固有名詞などが思い出しづらくなり、「あれ」「それ」といった指示後が増えてきます。また、認知症のタイプごとに違いがありますが、頻度の最も多いアルツハイマー型認知症では「テレビはあまり見てないから…」「カレンダーを見てこなかったから…」「注意してみていなかったから…」と取り繕うような発言が増えて、忘れている事実を認めたがらないようになります。

認知症になりやすい性格はありますか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

依存的な性格や物事をできるだけ避ける性格、プレッシャーを感じやすい性格で認知症になりやすいと報告されています。いずれの性格も消極的で活動性の乏しい方が多いです。

編集部まとめ

認知症は加齢とともに発症しやすくなり、90歳を超えると半数以上の方が発症する一般的な病気ですが、発症すると行動が制限されたり、周囲の方に迷惑をかけてしまったりしてしまう厄介な病気です。認知症の予防には食事や運動などの生活習慣の改善が大事ですが、否定的・批判的な発言を減らして、積極的に活動することを心がけることも重要です。
認知症になりやすい口癖を自分も言っているなと感じる場合には、より積極的に周囲と関わるなど活動的な生活を心がけてみてください。

「認知症になりやすい人の口癖」と関連する病気

「認知症になりやすい人の口癖」と関連する病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

精神科の病気

認知症になると、物忘れのような認知機能の低下症状だけではなく、精神面での変化がみられることもあり、精神症状が目立ってしまう場合もあります。精神科や心療内科で相談するのも良いでしょう。

「認知症になりやすい人の口癖」と関連する症状

「認知症になりやすい人の口癖」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 気分がふさぐ
  • 協調性がない
  • 批判が多い
  • 心配性である

物忘れが増えていたり、性格が変わったり、場にそぐわない行動をすることが増えたりしている場合などには、脳神経内科や物忘れ外来を受診しましょう。

参考文献

  • 認知症疾患診療ガイドライン2017

この記事の監修医師