「幸せホルモン」ってどんなホルモン?増やす食べ物や増やし方を医師が解説!

幸せホルモンとは?Medical DOC監修医が幸せホルモンの効果・増やす方法・増やす食べ物などを解説します。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)
目次 -INDEX-
「幸せホルモン」とは?

私たちの体の中では、「ホルモン」と呼ばれる物質がつくられ、体の活動の調整をしています。このホルモンの中には、心を安定させたり、幸福感や達成感、高揚感などを感じさせるような「幸せホルモン」と呼ばれるホルモンがあります。この幸せを感じさせてくれるホルモンについて今回はお話ししましょう。
幸せホルモンの1つ「セロトニン」とは?
まず幸せのホルモンの1つ目は「セロトニン」です。セロトニンは、脳内の神経伝達物質の1つで、視床下部や大脳基底核、延髄などに分布しています。セロトニンの働きは、喜びや快楽に関わり放出されるドパミンや恐怖や驚きなどで放出されるノルアドレナリンをコントロールし、精神を安定させることです。
セロトニンが低下すると、ホルモンのバランスが不安定となり、攻撃性が高まったり、不安やうつ症状などの精神症状が引き起こされたりします。
幸せホルモンの1つ「オキシトシン」とは?
次の幸せホルモンは、「オキシトシン」です。オキシトシンは脳内の視床下部で作られています。このオキシトシンは、神経伝達物質で不安の軽減や共感、他者への信頼感に関与することが分かっています。人とのつながりや信頼、安心感と深くかかわっているため、愛情ホルモンや絆ホルモンとも呼ばれています。
幸せホルモンの1つ「ドーパミン」とは?
3つ目の幸せホルモンは「ドーパミン」です。ドーパミンは、脳が興奮すると、脳内の線条体と呼ばれる部位から大量に放出されます。このホルモンは、運動機能、意欲や快楽に関連する行動を担っています。目標を達成したときやご褒美、楽しく活動している時にやる気や達成感、快楽をもたらしてくれるのです。
幸せホルモンの1つ「β-エンドルフィン」とは?
4つ目の幸せホルモンは「β-エンドルフィン」です。β-エンドルフィンも脳内で働く神経伝達物質の一種です。このホルモンは、脳内麻薬とも呼ばれ、気分の高揚や多幸感、鎮痛作用をもたらします。ランニングなどで運動をつづけた時に感じる、ランナーズハイなどがこの状態に当てはまります。
幸せホルモンが分泌されると体にどんな効果がある?

幸せホルモンは気分だけではなく、睡眠やストレスへの反応など身体にさまざまな影響を与えます。
気分の安定
幸せホルモンの中で主にセロトニンやオキシトシンは、心の安定や不安症状の軽減をもたらします。しかし、一つのホルモンだけではなく、互いのホルモンがバランスをとりながら身体や精神の状態のバランスを調整しています。
意欲の増加
幸せホルモンの中でドーパミンは意欲を高める効果があり、意欲を高めて課題への取り組みを達成させることにつながります。
睡眠の質や日内リズムの安定
セロトニンの作用により、睡眠の質の向上や日内リズムが安定するようになります。この作用により自律神経のバランスが安定し、健康状態が保たれるようになります。
幸せホルモンを増やす可能性の高い食べ物

幸せホルモンの中で特にセロトニンは、食べ物との関連が報告されています。セロトニンを合成するには、食品の中の必須アミノ酸であるトリプトファンやビタミンB6の摂取が重要であると言われています。食品の中でトリプトファンが多い食品をご紹介しましょう。
大豆製品
大豆や大豆を加工して高濃度にした大豆たんぱく製品はトリプトファン含有量が多く、お勧めの食品です。乾燥大豆は100gあたり500〜600mgと多くのトリプトファンを含みます。豆腐や納豆、豆乳、きな粉もお勧めの食品です。特に納豆はトリプトファンに加えてセロトニンの合成に必要なビタミンB6も含まれるため、食事に積極的に取り入れましょう。
乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)
乳製品も多くのトリプトファンが含まれています。チーズの種類により含有量は異なりますが、パルメザンチーズのような硬質チーズは100gあたり約1000〜1200mgと少量でも多くのトリプトファンが含まれるため、取り入れると良いでしょう。そのほかにも牛乳やヨーグルトを普段の生活に取り入れてみるのもお勧めです。しかし、多く食べすぎると、悪玉コレステロールの上昇を招くこともあるため気をつけなければなりません。
魚介類
魚介類もお勧めの食材です。かつお節や煮干しのように乾燥させた食材は、トリプトファンが多く含まれます。かつお節には100gあたりトリプトファンが約800〜1000mg程度と含有量が多く、おひたしなどにふりかけたりして取り入れると良いでしょう。そのほかにマグロの赤身や鮭、あじなどの刺身もお勧めです。
肉類
鶏むね肉、豚ロースや牛もも肉などの肉類にもトリプトファンが多いです。例えば、鶏むね肉には100gあたり約290mgと比較的トリプトファンが多く含まれます。鶏むね肉にはビタミンB6も多く含まれるため、食事に取り入れてみましょう。
幸せホルモンが分泌されにくい行動や生活習慣

幸せホルモンの分泌は、普段の行動や生活習慣により影響されることも多いです。どのような行動が分泌しにくくなってしまうかについてここでは解説しましょう。
不規則な生活
不規則な生活や睡眠リズムが乱れることでセロトニンの分泌が下がることが分かっています。また、不規則な生活自体が自律神経のバランスを乱してしまうことで体の不調を引き起こします。規則的な生活を心がけましょう。
過剰なストレス
長期にわたり過剰なストレスがかかっていると、セロトニンやオキシトシンなどの分泌の低下がみられます。ストレスをなるべくかけないようにリラックスできる環境を整えたり、ストレス解消法なども検討しましょう。
社会的な孤立
引きこもり、人と合わないような生活やギャンブルやSNSなどに依存しすぎる生活はオキシトシンの分泌を低下させやすくなります。
幸せホルモンの出し方(増やし方)

それぞれの幸せホルモンには、ホルモンの分泌が増える条件があります。
セロトニンを増やす方法
セロトニンを増やすためには太陽光を浴びることが大切です。特に朝日を浴びることが有効であると言われています。また、20分程度のリズム運動などを行うことも良いとされています。生活リズムを整え、生活習慣を整えることが大切です。
オキシトシンを増やす方法
オキシトシンの分泌を増やす効果的な方法は、親しい人とのスキンシップです。家族や恋人、友人とのハグや手をつなぐと言ったスキンシップはオキシトシンの分泌を促すとされています。特に信頼関係のある人とのスキンシップほど、オキシトシンの分泌量が増えることが分かっています。ペットとのふれあいでもオキシトシンの分泌は増加すると報告されており、他者とのスキンシップが困難な場合には、自分で自分の体に触れるセルフタッチでも良いことが分かっています。肌に心地の良い刺激を受けることでオキシトシンが分泌されやすいです。
また、人と交流し人を思いやる事、自分が安心できる人間関係、居場所を作り身を置くことも非常に大切です。自分にとって安心できる環境を作るようにしましょう。
ドーパミンを増やす方法
ウォーキングなどの有酸素運動を行うこと、朝日を浴びる事、瞑想をすること、新しい事に挑戦することがドーパミンの分泌を増加させます。また、小さな目標を立て、それを1つづつ達成することで達成感を得ることもドーパミン分泌を促します。褒められたり、報酬をもらうなどのプラスの経験がさらにドーパミン分泌を多くします。
βエンドルフィンを増やす方法
βエンドルフィンは、ややきついと感じる有酸素運動を20分以上行ったり、高強度のインターバル運動を行ったときに分泌が増加することが分かっています。これらの運動を日常生活に取り入れてみましょう。
幸せホルモンが過剰分泌されると現れる症状

幸せホルモンと言われるものでも、過剰に分泌されると身体に不調があらわれます。また、薬剤の服用で過剰になり問題となる事もあるため注意が必要です。
不安、焦燥感、興奮、錯乱など
セロトニンの過剰により不安、いらつき、興奮、錯乱などの精神症状がみられることがあります。これらの症状がみられた場合、多くは薬剤によるセロトニン症候群の可能性があるため、主治医に相談をしましょう。
発汗、頻脈、高血圧
セロトニンの過剰により発汗、頻脈、下痢、四肢の震え、散瞳などの症状がおこることがあります。抗うつ剤の単回服用でも起こり得るため、抗うつ剤の内服後にこれらの症状がでた場合には主治医に相談をしましょう。
幻覚・妄想、興奮
統合失調症ではドーパミンが過剰に分泌され、幻覚や妄想といった症状が引き起こされると言われています。
幸せホルモンが過剰分泌されるとどんな病気になりやすい?

セロトニン症候群
抗うつ薬を服用中にセロトニンが過剰となると、不安、発熱、震えや体がピクピク動く筋肉のけいれんなどの症状がおこることがあります。これがセロトニン症候群です。セロトニン症候群は薬の服用後数時間でみられることが多いです。薬の服用を中止すれば通常1日程度で症状が消えます。しかし稀に、40℃以上の高熱、横紋筋融解症や腎不全、播種性血管内凝固症候群(DIC)などの命に関わる重篤な合併症がみられることもあり、注意が必要です。
統合失調症
統合失調症は思春期から青年期に発症する脳の病気です。統合失調症の原因ははっきりとしていませんが、遺伝的要因に環境要因が組み合わさり発症すると考えられています。また、ドーパミンなどの脳内神経伝達物質が発症に深く関係していると考えられています。
統合失調症の症状は幻覚、妄想等の陽性症状と社会性の喪失、感情鈍麻などの陰性症状、集中力や記憶力の低下、問題解決能力の低下などの認知障害です。ドーパミンの過剰により陽性症状が引き起こされると考えられています。
「幸せホルモン」についてよくある質問

ここまで幸せホルモンについて紹介しました。ここでは「幸せホルモン」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
恋をすると幸せホルモンは分泌されるのでしょうか?
伊藤 陽子(医師)
恋をすると、ドーパミン、オキシトシンなどの幸せホルモンが分泌される可能性があります。これにより興奮や多幸感、絆の形成などが起こります。
オキシトシンが分泌されやすい行動について教えてください。
伊藤 陽子(医師)
オキシトシンは親しい人とのスキンシップで分泌されやすくなります。特に家族や恋人、親しい友人とのハグなどのスキンシップが良いでしょう。
まとめ 幸せホルモンを分泌させて気持ちを安定させよう
幸せホルモンとは、セロトニン、オキシトシン、ドーパミン、βエンドルフィンを言います。これらのホルモンが分泌されると、気持ちが安定したり、信頼感、安心感、多幸感などを感じるようになります。
これらのホルモンを分泌させるためにも、生活のリズムを整えることが大切です。
「幸せホルモン」と関連する病気
「幸せホルモン」と関連する病気は3個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
幸せホルモンと病気が直接関係していないことも多いですが、上記の様な病気の場合にはホルモンのバランスが崩れている可能性も考えられます。
「幸せホルモン」と関連する症状
「幸せホルモン」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 心の安定
- 多幸感
- 達成感
- 信頼感
- 興奮
幸せホルモンにより上記の様な症状が出て、精神的にも安定するようになります。幸せホルモンをなるべく分泌させることで心の安定をはかりましょう。



