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「心電図で要精密検査」になったら?費用の目安や受診すべき5つの症状を医師が解説!

 公開日:2026/05/19
「心電図で要精密検査」になったら?費用の目安や受診すべき5つの症状を医師が解説!

健康診断の心電図で要精密検査になったら?メディカルドック監修医が、要精密検査の意味や受診すべき診療科、具体的な検査内容、費用の目安について分かりやすく解説します。

小鷹 悠二

監修医師
小鷹 悠二(おだかクリニック)

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福島県立医科大学医学部卒業 / 専門は循環器内科 / 2009/4月~2013/3月 宮城厚生協会坂総合病院 / 2013/4月~2017/3月 東北大学病院循環器内科・同大学院 医員 / 2017/4月~2018/5月 仙台オープン病院 循環器内科医長 / 2018/5月~ おだかクリニック 副院長 / 診療所での外来業務に加え、産業医、学校医としての業務も行っている。

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健康診断で行う「心電図検査」とは?

健康診断で当たり前のように受けている心電図検査ですが、何を調べているかご存じでしょうか。心電図検査は、心臓の電気の流れを記録し、不整脈や心臓の異常のサインを見つける大切な検査です。短時間で体への負担も少ない一方、結果の見方にはポイントがあります。

心電図検査の仕組みとわかること

心臓は全身に血液を送るポンプの役割をしており、収縮と拡張を繰り返しています。この動きは、心臓で発生する規則正しい電気信号が筋肉に伝わることで起こります。心電図検査では、この微弱な電気の活動を波形として記録し、以下のことを調べます。

  • 不整脈(脈の乱れ)がないか
  • 心筋梗塞や狭心症などによる心臓の血流障害がないか
  • 心臓の筋肉の異常がないか

検査は胸や手足に電極をつけるだけで行うことができ、痛みは伴いません。心臓の機能を評価する簡便な検査として、広く行われています。

健康診断で心臓を調べる目的

健康診断で心臓を調べる主な目的は、症状が出る前に病気のサインを見逃さないことです。具体的には、次のような重大な病気を見つけるねらいがあります。

  • 心臓の血管が狭くなったり詰まったりする病気(狭心症や心筋梗塞など)
  • 突然死につながる恐れのある脈の乱れ(不整脈)
  • 心臓の障害を引き起こす心臓の筋肉の異常(心筋症)

検査で異常が指摘されても、大多数は経過観察で心配ない場合がほとんどですが、その中から本当に治療が必要な人を見つけ出す、重要な役割があります。

健康診断結果で心電図が「要精密検査」になったら?

健康診断の心電図検査で「要精密検査」という結果が届くと、心臓の病気かもしれないと不安になるかもしれません。しかし、「要精密検査」は必ずしも重い病気があるという意味ではなく、詳しく調べて本当に治療が必要かを確認するためのサインです。多くは心配のないものですが、中には治療が必要な病気が隠れていることもあります。ここでは、要精密検査となった場合の対応について解説します。

心電図の結果が要精密検査でも自覚症状がなければ放置して大丈夫?

「毎年言われるけど元気だから」と自分の判断で放置してしまうのは危険です。なぜなら、自覚症状が全くなくても、本人が気づいていない重大な病気が隠れていることがあるからです。指摘された異常が本当に放置してよいものかどうかは、超音波を使って心臓の動きや形を確認する心エコー検査などで詳しく調べないと判断できません。ただし、胸の痛みなどの症状がない場合は緊急ではないこともあるため、慌てずに落ち着いて受診の予定を立てて大丈夫です。

心電図の精密検査を受けるには何科に行く?費用はどのくらい?

心電図の異常を指摘された場合は、心臓の専門である「循環器内科」を受診して、専門医の判断を仰ぐことが大切です。精密検査は健康診断の延長ではなく保険診療となり、3割負担の場合の費用の目安はおおよそ以下の通りです。

  • 診察と心電図のみ:約1,500円前後
  • 診察、心電図、採血、レントゲン、心エコー検査:約5,500円前後
  • 診察、心電図、採血、心エコー、レントゲン、長時間の心電図(ホルター心電図):約10,000円前後

なお、血液検査の検査項目数が多かったり、追加で他の検査も行うと、さらに費用がかかることがあります。

心電図の精密検査受診のタイミングはいつまで?当日の持ち物はある?

自覚症状がない場合は、落ち着いて予定を立てて受診しても大丈夫なことが多いです。しかし、次のような症状がある場合は、健診結果にかかわらず早めに受診してください。

  • 気を失う(失神)
  • めまい
  • 胸の痛みや圧迫感
  • 軽い労作での息苦しさ、呼吸の苦しさ
  • 動悸

当日の持ち物としては、以下のものを忘れずに準備しましょう。

  • マイナンバーカードか保険証
  • 健康診断の検査結果表
  • 医師が記入する2次精検結果記入用紙(手元にある場合)
  • 過去の心電図などの検査結果(手元にある場合)
  • 病歴がある場合はお薬手帳

心電図の精密検査の内容とは?

心電図検査で異常を指摘された際に実施する、精密検査の内容を解説していきます。

ホルター心電図

ホルター心電図は、小型の心電図の機械を胸に取り付けて、普段通りの生活をしながら約24時間連続で心電図を記録する検査です。機械を付けたままでも、いつも通りに過ごすことができます(機種によって湯船への入浴や激しい運動は制限されることがあります)。この検査では、次のようなことが分かります。

  • 1日の脈の速さ
  • 不整脈の種類や発生した回数
  • 胸の痛みや動悸などの症状が出たときの心電図の変化

短い時間の心電図では見つけにくい異常を見つけるのに役立ちます。機種によっては数日〜1週間くらいの期間で記録できるものもあります。

心臓超音波(心エコー)検査

心臓超音波(心エコー)検査は、超音波を使って、心臓の様子を画面に映し出す検査です。胸にゼリーを塗り、超音波を出す器具を当てて調べます。痛みや体への負担はなく、ベッドに横になっているだけで終わります。この検査では、次のようなことが分かります。

  • 心臓の部屋の大きさや、筋肉の壁の厚さ
  • 心臓がポンプとして正常に動いているか
  • 血液の逆流を防ぐ「弁」がきちんと働いているか
  • 血液がスムーズに流れているか

心臓の構造に異常がないかを、正確に調べることができます。

運動負荷心電図

運動負荷心電図は、安静にしている時の心電図では分からない異常を見つけるために、あえて運動をして心臓に負担をかけた状態で行う検査です。具体的には、心電図や血圧計を体につけたまま、動くベルトコンベアの上を早歩きしたり(トレッドミル検査)、固定された自転車のペダルをこいだりして検査します。この検査では、次のようなことが分かります。

  • 運動した時に胸の痛みや息切れなどの症状が出ないか
  • 運動によって脈の乱れ(不整脈)が起こらないか
  • 心臓の筋肉に血液が足りなくなる病気(狭心症など)のサインが出ないか

その他の検査

心電図や心エコー検査のほかに、必要に応じて次のようなさらに詳しい検査が行われることがあります。

  • 血液検査:血液中の成分を調べ、脈の乱れの原因や心臓の負担度合いを確認します。
  • 胸部レントゲン:心臓が大きく膨らんでいないか、心電図異常につながる肺や骨格の異常がないかなどを確認できます。
  • 冠動脈CT検査:造影剤とX線を使い、心臓に血液を送る血管(冠動脈)が狭くなっていないかを立体画像で調べます。
  • 心臓MRI検査:心臓の筋肉の動きや厚さ、性状などを評価し、筋肉や血流の異常を評価します。
  • 心筋シンチグラフィ:微量の放射性医薬品を注射し、心臓の筋肉の血液の流れや細胞の代謝状態を画像化する検査です。
  • 心臓カテーテル検査:手首や足の付け根の血管から細い管(カテーテル)を心臓まで入れ、血管の詰まり具合を直接確認する精密な検査です。

これらの検査により、病気の原因を正確に突き止め、適切な治療方針を決めることができます。

「心電図の精密検査」の見方と再検査が必要な結果

どのような心電図の指摘があると受診すべきなのかを解説していきます。

「心電図の精密検査」の結果の見方

健診結果は、多くの場合主に次の4つに分けられ、それぞれ対応が異なります(健診によってコメントの内容は若干異なることがあります)。

  • ①異常なし:追加の対応は不要です。
  • ②要経過観察:軽い変化があり、生活に気をつけながら定期的な健診などで再検査を受けましょう。動悸などの症状の自覚があれば、早期に受診しましょう。
  • ③要精密検査(要再検査):病気が隠れている可能性があるため、医療機関で詳しい検査を受けます。
  • ④要治療:早急に受診し、治療を始めます。

心電図の異常には、心配ないものが多いですが、重大な病気のサインが混ざっていることもあります。自己判断で放置せず、専門医から結果の意味や今後の対応についてしっかり説明を聞くことが大切です。

「心電図の精密検査」の再検査基準と内容

再検査では、ホルター心電図・心エコー・運動負荷心電図など、症状や指摘内容に応じた検査が選ばれます。費用は3割負担でおおよそ1,500〜10,000円程度が目安で、追加検査がある場合はさらに費用がかかることがあります。受診先は循環器内科が基本です。自覚症状がない場合でも1か月以内を目安に受診し、症状がある場合は早急に対応してください。検査結果に応じて、経過観察・生活習慣の改善・薬物療法・手術など個々の状態に合わせた治療方針が決まります。

「心電図」の異常で気をつけたい病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「心電図」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

不整脈

心臓の電気的なリズムが異常になった状態を不整脈と呼びます。代表的な変化としては以下のようなものがあります。

  • 脈が飛ぶ、ずれる:規則的に出ていた心電図波形の中に、1拍だけ早いタイミングで脈が入っている状態です。期外収縮がこれに該当します。
  • 脈が極端に速い(頻脈):心電図では脈の間隔が短くなり、ぎゅっと詰まったような波形に見えます。
  • 脈が極端に遅い(徐脈):脈の波形の間隔が広くなって見えます。
  • 脈のリズムに規則性がなくなる:心房細動を生じると、脈のリズムが全て一定ではなくなってしまい、不規則な脈になります。

健康な人にも起こりますが、中には重篤な脳梗塞の原因になったり、失神や突然死につながる非常に危険なものもあります。健診で心電図異常を指摘された場合や動悸やめまいなどの自覚症状がある場合は、放置せずに循環器の専門医を受診して詳しい検査を受けることが大切です。

虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞など)

心臓の周りを通っている冠動脈という血管が、動脈硬化などの原因で流れが悪くなったり、詰まってしまう病気です。狭心症では、階段を登ったり運動をしたりした時に、心筋への血液が不足して、胸が締め付けられるような痛みや圧迫感、息切れなどの症状が一時的に現れます。進行して血管が完全に閉塞すると、突然の強い胸痛を生じる心筋梗塞を発症することがあり、突然死の原因になることもあります。

心筋症

心臓の筋肉が異常に分厚くなる「肥大型心筋症」や、筋肉が薄く伸びる「拡張型心筋症」などがあります。心筋に異常が起こると、全身に血液を送り出すポンプ機能が低下し、将来的に心不全を引き起こす原因となります。

心不全

心臓は全身に血液を送る役割を持ちますが、高血圧や不整脈、虚血性心疾患、心筋症などが原因で心臓に負担がかかり続けた結果、心臓の壁が厚く硬くなったり風船のように膨らんだりして、心臓の機能が低下する心不全と呼ばれる状態となることがあります。心電図で異常を指摘された場合、放置すると心不全につながる恐れがあります。安易に自己判断せずに心臓超音波検査などの精密検査を受けましょう。

「心電図で要精密検査」と言われた時の過ごし方は?

心電図の結果が要精密検査で自覚症状がある場合の過ごし方

心電図異常をきたす心臓に関連する自覚症状としては、次のようなものがあります。

  • 失神(気を失う)や強いめまい
  • 胸の痛みや圧迫感、冷や汗
  • 安静時の息苦しさや急な息切れ
  • 動悸

心電図変化に加え、これらの症状がある場合は、心筋梗塞や危険な不整脈など早急な治療が必要な病気の可能性があります。症状が強い場合や急に悪化した場合は、救急外来の受診や119番通報も含めて、ためらわずに対応してください。症状が軽微でも放置はせず、早急に循環器科を受診する必要があります。

心電図の結果が要精密検査で自覚症状がない場合の過ごし方

症状がない場合は緊急ではないことが多いため、落ち着いて受診の予定を立てて大丈夫です。しかし、不整脈や心臓の血流障害など隠れた病気の可能性はあるため、自己判断で放置せず必ず一度は受診しましょう。受診までの日常生活では、次のような点に注意してください。

  • 過度な飲酒や喫煙を控える
  • 適度な運動とバランスの良い食事を心がける
  • 十分な睡眠をとり、ストレスを溜めない

これらは心臓の負担を減らすために大切です。

心電図の要精密検査の前日や当日はどのようなことに注意すれば良い?

前日はしっかり睡眠をとり、激しい運動や飲酒は控えましょう。当日は緊張や動きで結果が変わることがあるので、リラックスして受けることが大切です。カフェイン(コーヒーなど)は控えめにし、検査前は安静に過ごします。薬は自己判断でやめず、医師の指示に従いましょう。

「心電図の要精密検査」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「心電図の要精密検査」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

健康診断で心電図で要精密検査と言われたら、どのくらいの期間内に病院へ行くべきでしょうか?

小鷹 悠二小鷹 悠二 医師

急いで受診すべきかは自覚症状の有無で決まります。失神や強いめまい、胸の痛み、軽い動作での息苦しさや強い動悸、これらの症状がある場合は、すぐに病院へ行ってください。症状がない場合は緊急性は低いことが多いですが、放置せずに予定を立てて受診しましょう。

心電図の精密検査を受ける場合、費用は全部でいくらくらいかかりますか?

小鷹 悠二小鷹 悠二 医師

大まかな目安として、通常必要となる診察、心電図、採血、レントゲン、心エコー、長時間の心電図(ホルター心電図)を一通りやると、約10,000円程度の費用がかかります。採血検査の項目数が多かったり、さらに追加の検査が必要となったり、処方が出されることもあるため、15,000円程度は用意して受診するとよいでしょう。

健診で心電図がひっかかり異常Q波という結果が出ました。すぐに治療が必要なのでしょうか?

小鷹 悠二小鷹 悠二 医師

異常Q波は、心臓の血流障害や筋肉の異常などがある際に出現することがある心電図変化です。中には体格等による変化で出現する良性のこともありますが、無症状の心臓の血流障害など、重大な病気の可能性もあります。基本的には、危険な疾患が原因となっている可能性があるため、症状がなくても放置せず、速やかに循環器科を受診することが大切です。

心電図でD判定が出ました。家庭用の心電計を購入すべきですか?

小鷹 悠二小鷹 悠二 医師

心電図で「D判定」が出たときは、まず病院での再検査や診察が大切で、家庭用心電計は必ずしも必要ではありません。家庭用の機器は記録の参考にはなりますが、診断は医師が行うものです。医師から「自宅でも記録するとよい」と言われた場合に検討すれば十分です。まずは指示どおり早期に受診し、必要な精密検査を受けましょう。

まとめ

健診の心電図変化で「要精密検査」となることは、決して珍しいことではありません。緊急性が高くないことが多いですが、中には重大な病気が隠れていることもあるため、症状がなくても放置はせず、心臓の精密検査を受け、何が原因となっているかを明らかにすることが大切です。

「心電図」の異常で考えられる病気

「心電図」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

循環器系

治療が必要な病気が隠れていることもあるため、心電図異常を指摘された場合には受診をして、重大な病気がないかを診てもらいましょう。

「心電図」に関連する症状

「心電図」に関連する症状は5個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 息切れ・呼吸の苦しさ
  • めまい・ふらつき・失神
  • むくみ

心電図異常の指摘だけでなく、動悸や胸痛などの症状が伴っている場合には、心臓の病気の可能性が一段と高まるため、絶対に放置をしないで速やかに受診をしましょう。

この記事の監修医師