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「お酒を飲まない女性」で”γ-GTPが高い”4つの原因は?放置するリスクも医師が解説!

 公開日:2026/04/20
「お酒を飲まない女性」で”γ-GTPが高い”4つの原因は?放置するリスクも医師が解説!

お酒を飲まないのにγ-GTPが高いのはなぜ?メディカルドック監修医が女性に多い非アルコール性脂肪肝や薬の影響、ホルモンバランスの関係等を解説します。

伊藤 陽子

監修医師
伊藤 陽子(医師)

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浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

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肝機能を測る数値のひとつ、γ-GTP(ガンマGTP)とは?

まずは、γ-GTPについて基本的な内容を押さえておきましょう。

肝臓の解毒作用と「γ-GTP」の役割

γ-GTPは、肝臓でアルコールや薬の分解に関わる「グルタチオン」という物質のはたらきを助ける酵素です。
通常、血液中に漏れ出す量はわずかですが、肝臓や胆道に不調が生じると血中の濃度が上昇します。血液検査で簡単に測定できるため、肝機能を評価するうえで欠かせない重要な項目です。

血液検査における「γ-GTP」の基準値

一般的に、健康診断におけるγ-GTPの基準値は、50U/l以下とされています。
医療機関においては、検査する医療機関によって基準値は異なり、男性よりも女性の方が基準値を低く設定している医療機関もあります。

血液検査における「γ-GTP」の異常値・再検査基準と内容

血液検査でγ-GTPの異常を指摘されたら、消化器内科を受診して詳しい原因を調べる必要があります。

  • どのような検査を行うのか:再度の血液検査や腹部エコー検査(超音波検査)などを行うのが一般的です。
  • 検査費用:血液検査の項目数や検査内容によって異なるため、医療機関に直接確認することをおすすめします。
  • どこで再検査・精密検査を依頼するのか:まずは消化器内科を受診しましょう。
  • 再検査・精密検査の緊急度:自覚症状がなくても1ヶ月以内の受診が望ましいです。ただし、だるさや黄疸がある場合は直ちに受診してください。
  • 再検査結果に応じた治療内容:生活習慣の改善(食事・運動)や、原因疾患に応じた薬物治療などが検討されます。

女性でお酒を飲まないのにγ-GTPが高い4つの原因

γ-GTPは、お酒を飲まない方でも上がるケースがあります。代表的な4つの原因を見ていきましょう。

薬やサプリメントの影響(薬剤性肝障害)

服用している薬やサプリメントが肝臓へ負担をかけ、肝機能に異常が出るのが「薬剤性肝障害」です。抗がん剤や抗真菌薬などだけでなく、市販を含めた解熱鎮痛薬や風邪薬、サプリメントなどでも現れるケースがあります。
健康維持を目的として摂取するサプリメントも、体質に合わなければ肝臓の炎症を引き起こす要因となります。数値の異常が見つかった際は、現在使用しているすべての薬やサプリメントを医師に伝えるようにしてください。

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)という、肝炎ウイルスやアルコール性肝障害とは関係なく起こる肝臓病でもγ-GTPが上がることがあります。
多くの原因が、肥満や糖尿病、脂質異常症、高血圧などによる脂肪肝であるため、お酒を飲まなくてもなる可能性は十分に考えられます。

胆石や胆道系のトラブル

胆汁の通り道である胆道に多く含まれるγ-GTPは、胆石などで流れが滞ったり胆道にトラブルが起きたりすると上昇します。
右側肋骨の下あたりの重苦しい痛みや発熱、吐き気などがある場合は、胆石による急性胆嚢炎などを疑う必要があるかもしれません。

女性特有の疾患(更年期・PBC)

更年期以降の女性は、女性ホルモンが減少する影響で脂質代謝が変化し、肝機能に影響するケースがあります。
また、自身の免疫システムが誤って肝臓の胆管を攻撃してしまう原発性胆汁性胆管炎(PBC)という病気も、中高年の女性によく見られる疾患です。お酒を飲まない中高年女性がγ-GTPの異常を指摘された際、考えるべき疾患のひとつといえるでしょう。

お酒を飲まない女性なのに肝機能検査で数値がγ-GTPだけ高い場合に考えられること

肝機能検査では、γ-GTP以外にAST・ALTといった別の酵素の異常も確認します。お酒を飲ままない方で他の数値は問題無いのにγ-GTPだけが高い場合にどのような原因が考えられるかを紹介します。

γ-GTPが高くて他の数値(AST・ALT)は正常なケース

ASTやALTは、肝臓がいまダメージを受けていることをあらわすサインです。そのため、γ-GTPが単独で高い場合、肝臓自体には大きな炎症が無いものの、以下のような状態が考えられます。

  • 胆道のつまりや炎症
  • 初期の脂肪肝
  • 薬剤の影響

肝臓自体に大きなダメージが及ぶ前の、胆汁の流れの異常や初期の不調を示唆している可能性があります。

γ-GTPが高くても一時的な変動の可能性も

γ-GTPは、検査直前の体調不良や激しい運動による体へのストレス、風邪薬などの薬が一時的に影響を及ぼす現象も否定できません。
「基準値を超えているからすぐに異常」とは限らず、同じ値でも普段の数値とどの程度異なるかによって危険性は異なります。普段の状態を考慮した総合的な判断が必要なため、必ず医師と相談するようにしましょう。

血液検査の「γ-GTP」の異常で気をつけたい病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「γ-GTP」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)

単なる脂肪肝から進行し、肝臓に慢性的な炎症が生じて組織が硬くなる状態を非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と呼びます。放置すると肝硬変や肝がんに進行し、黄疸や足のむくみ、お腹の張りなどが現れることがあります。主な対処法は食事療法と運動療法による減量です。肝機能の異常が見られる場合は、早めに消化器内科を受診しましょう。

原発性胆汁性胆管炎(PBC)

原発性胆汁性胆管炎(PBC)は、肝臓内の細い胆管が壊されて胆汁が停滞してしまう難病指定の疾患です。自覚症状がほとんど現れない方が70〜80%を占めるため、血液検査の異常が発見のきっかけとなります。病状の進行を抑えるためには、ウルソデオキシコール酸という薬を継続服用する治療法が標準的です。

薬剤性肝障害・薬物性肝障害(DILI)

摂取した医薬品やサプリメントが原因で、肝臓が炎症を起こす病気です。薬の服用後2ヶ月以内に起こるケースが多いですが、3ヶ月以上経ってから起こることもあります。治療の基本は、原因となる薬物の中止です。倦怠感、食欲不振、皮膚の痒みなどの初期症状に注意し、異常があれば速やかに消化器内科を受診してください。

胆石症・総胆管結石

胆汁の通り道である胆嚢や胆管に石ができる病気です。胆管に石がはまり込むと、強い腹痛や黄疸が現れます。炎症が起きて「胆管炎」になると、発熱や意識障害などを伴うこともあります。総胆管結石の場合は早めに結石を取り除く処置が必要なケースが多いため、無症状でも腹部エコーで石が見つかった場合は専門医の診断を受けましょう。

女性でお酒を飲まないのに「γ-GTP」が高いときの正しい対処法・改善法は?

糖質の見直し(菓子パン・果物など)

お酒を飲まない女性でγ-GTPが高い場合、考えられる原因のひとつが「脂肪肝」です。
食生活を見直す際にチェックしたいのが、糖分やトランス脂肪酸を含む「菓子パン・洋菓子」の摂取量です。また、果物も果糖を多く含むため注意が必要です。甘い飲料は急速に吸収され、中性脂肪として肝臓に蓄積されやすいため、緑黄色野菜や食物繊維を意識したバランスのよい食生活を心がけましょう。

サプリメントの中止

最近自己判断で飲み始めたサプリメントがある方は、一度中止してみるのもひとつの方法です。サプリメントや医薬品による「薬剤性肝障害」は、原因物質の中止で改善するのが一般的です。栄養ドリンクの中にも糖分や微量のアルコールが含まれるものがあるため、影響が否定できません。服用中のサプリメントを持参して消化器内科で相談しましょう。

有酸素運動を行い、肝臓の脂肪を燃焼させる

脂肪肝による数値上昇の場合、改善には「有酸素運動」が大切です。可能であれば、1週間に150分(2時間30分)以上の運動を行いましょう。難しい場合でも、ウォーキングやジョギング、水泳などの全身運動を1日5〜10分から始めることが望まれます。筋トレを合わせると基礎代謝が上がり、より効率的に脂肪を燃焼しやすくなります。

「女性でお酒を飲まないのにγ-GTPが高い」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「女性でお酒を飲まないのにγ-GTPが高い」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

ASTやALTは正常でγ-GTPの数値が高い場合、放置しても大丈夫ですか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

他の数値が正常であっても、γ-GTPの異常を放置してはなりません。胆道系の病気や初期の脂肪肝が原因で数値が上がっている可能性があるためです。肝臓は自覚症状が現れにくいため、エコーや血液検査によって客観的に状態を把握することが非常に大切です。まずは一度消化器内科を受診しましょう。

お酒を一滴も飲まないのに、γ-GTPが高くなる一番の原因は何ですか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

大きな原因のひとつが、食べすぎや運動不足などによって肝臓に脂肪が溜まって起こる「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」です。初期は自覚症状がないため、気付かないうちに進行するケースが少なくありません。健康診断の「腹囲」計測も、このリスクを評価するために行われています。定期的に健診を受け、体調を確認するようにしましょう。

女性特有の病気でγ-GTPが上がることはありますか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

更年期前後の女性は女性ホルモンのエストロゲンが減少し、脂肪代謝が悪化して脂肪肝になりやすくなります。また、自己免疫疾患である原発性胆汁性胆管炎(PBC)は女性に多く、γ-GTPが上昇することがあります。いずれにせよ、数値の上昇が見られた場合は早めに消化器内科で相談してみてください。

更年期の女性がγ-GTPの数値を下げるにはどんな方法がありますか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

食生活の見直しと運動が大切です。糖質や脂質の摂りすぎを避け、有酸素運動や筋トレを取り入れて身体を動かすことを意識しましょう。ただし、何らかの疾患が原因の場合はその治療が不可欠です。原因が不明な場合は、まず消化器内科でご自身の状態を確認してください。

まとめ 「女性でお酒を飲まないのにγ-GTPが高い」のは脂肪肝や疾患のサイン!早めに受診を!

お酒を飲まない女性のγ-GTPが高い場合、考えられる原因は脂肪肝や胆道系の病気などです。また、最近飲み始めた薬やサプリメントによる影響も否定できません。
健康診断でγ-GTPが高いと指摘されたら、まずは消化器内科で相談して数値上昇の原因を探りましょう。そのうえで、食生活の改善や運動などのセルフケアに取り組むことで、数値の改善が見込まれます。
肝臓は自覚症状が現れないため、放置して症状が悪化するケースがよく見られます。γ-GTPの異常がある場合は、必ず早めに受診してください。

「γ-GTPが高い」に関連する病気

「γ-GTPが高い」状態から医師が考えられる病気は6個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

消化器系の病気

肝臓・胆道に関連する疾患

γ-GTPの上昇があっても、自覚症状が現れないケースは少なくありません。健康診断や血液検査で異常を指摘されたら、早めに消化器内科へ相談することをおすすめします。

「γ-GTPが高い」に関連する症状

「γ-GTPが高い」ことに関連して現れる可能性がある症状は4個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

上記の症状は、γ-GTPが高い状態を放置して肝硬変に移行した際に現れる症状の例です。このような症状が現れないように、適切な治療を受けることが非常に大切です。

この記事の監修医師