「胸部X線検査」は”どんな服装”がNG?その他の注意点や見つかる病気も医師が解説!

胸部X線検査(レントゲン)の際、どのような服を選べば良いのでしょうか。メディカルドック監修医が、適した服装や避けるべき装飾を解説します。

監修医師:
木村 香菜(医師)
目次 -INDEX-
胸部X線検査(レントゲン)とは?
胸部X線検査は、胸部にX線を照射して肺や心臓の状態を画像として確認する検査です。健康診断や肺がん検診で実施されることが多く、呼吸器疾患の早期発見に役立ちます。ここでは検査の目的と流れを解説します。
胸部X線検査の仕組みと目的
胸部X線検査は、体を通過したX線の透過度の違いを画像として記録する検査です。空気を含む肺は黒く写り、骨や心臓など密度の高い組織は白く写ります。
この差を利用して、肺炎・肺がん・結核・心拡大などの異常がないかを確認します。短時間で実施できることから、健康診断で広く用いられています。
胸部X線検査の流れ
検査では、撮影装置の前に立ち、胸を検出器に密着させた状態で撮影します。技師の指示に従い、大きく息を吸って止めることで、肺が十分に広がった状態で画像を撮影します。
撮影自体は数秒で終了しますが、金属や装飾品が写り込むと再撮影になる場合があります。そのため検査前に服装や装飾品の確認が行われます。
胸部X線検査時に着替えが必要なのはなぜ?
胸部X線検査では、衣類や装飾品が画像に影として写り込むことがあります。こうした影は病変と区別がつきにくく、診断の妨げになることがあります。そのため、多くの施設では検査着への着替えや衣類の調整が求められます。
胸部X線検査を検査着・私服で受けるときの正しい服装
胸部X線検査は施設によって検査着に着替える場合と、私服のまま撮影する場合があります。私服で受ける場合には、X線画像に影響を与えない服装を選ぶことが重要です。
胸部X線検査に適したインナーやトップス
胸部X線検査では、無地で装飾のない薄手のインナーが適しています。
Tシャツやシンプルなカットソーなど、ボタン・刺繍・プリントのない衣類が望ましいでしょう。厚手の素材や重ね着は影が出る可能性があるため、1枚のインナーで撮影できる服装が理想です。
レントゲンで黒い服やボタンなどの装飾は避けた方が良い?
服の色自体は検査結果に影響しませんが、ボタン・ファスナー・刺繍・プリントなどの装飾は画像に写り込むことがあります。
金属だけでなく、厚みのあるプラスチックや装飾も影として写ることがあるため、装飾の少ないシンプルな服装を選ぶと安心です。
X線撮影時のズボンの選び方と注意点
胸部X線検査では上半身を中心に撮影しますが、ズボンの金具やベルトが写り込むことがあります。
特にハイウエストのズボンや金属ファスナー付きの衣類は影が写る可能性があります。検査時にはベルトを外し、金属の少ないズボンやスウェットなどを選ぶとスムーズに撮影できます。
X線・レントゲン検査で女性が注意したい服装のポイント
女性の場合、ワイヤー入りブラジャーやブラトップは金属やゴム部分が写り込むことがあります。そのため、検査時には外すよう指示されることがあります。
検査前後の着替えを考え、無地のTシャツにカーディガンのはおりものを合わせた服装にしておくと、検査がスムーズに進みます。
健康診断の「胸部X線検査」の主な判定結果と再検査が必要な検査結果
以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。
「胸部X線検査」の結果の見方
健康診断では以下のような判定が示されることがあります。
- 異常なし
- 経過観察
- 要再検査
- 要精密検査
特に「要精密検査」と判定された場合は、早めに医療機関でCT検査などを受けることが推奨されます。
「胸部X線」の再検査基準と内容
再検査では以下の検査が行われることがあります。
- 胸部CT検査
- 喀痰検査
- 血液検査
- 呼吸機能検査
再検査は呼吸器内科や内科で受けることが多く、結果によって治療や経過観察が行われます。費用は検査内容により異なりますが、保険適用の対象となります。精密検査は将来的な健康リスクを避けるため、通知を受け取ってから1ヶ月以内を目安に受けるのが望ましいです。
レントゲン検査の所見のひとつ、異常陰影とは?
異常陰影とは、レントゲン画像に通常とは異なる影が確認される状態を指します。
炎症・腫瘍・線維化などさまざまな原因で生じるため、CTなどの追加検査で詳しく確認する必要があります。
「胸部X線検査」で発見できる病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「胸部X線検査」で発見できる病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
肺がん
肺がんは肺の細胞ががん化することで発生します。喫煙や受動喫煙が大きな危険因子とされています。
初期には症状がない場合もあり、胸部X線検査で影として見つかることがあります。疑われる場合はCT検査などで詳しく調べます。
肺炎
肺炎は、肺に炎症が起こる病気の総称です。細菌やウイルスなどの感染によって起こる感染性肺炎が多くみられますが、食べ物や唾液が気道に入ることで生じる誤嚥性肺炎や、薬剤や放射線治療などが原因となる非感染性肺炎もあります。胸部X線検査では肺の一部が白く写る陰影として確認されることがあり、発熱・咳・息切れなどの症状がある場合は内科や呼吸器内科での診察が必要です。
肺結核
肺結核は結核菌による感染症です。長引く咳や微熱、体重減少などがみられることがあります。
胸部X線検査では空洞性陰影などの特徴的な陰影が見られることがあり、確定診断には喀痰検査などが行われます。
気胸
気胸は、肺から空気が漏れて胸腔内にたまり、肺がしぼんでしまう状態です。若い痩せ型の男性に起こる自然気胸のほか、肺の病気が背景にある続発性気胸や外傷による気胸などがあります。突然の胸の痛みや息苦しさで気づくことが多く、胸部X線検査では肺の縮みや胸腔内の空気が確認されます。症状がある場合は早めに呼吸器内科などを受診することが大切です。
心拡大
心拡大は、胸部X線検査で心臓の影(心陰影)が通常より大きく見える状態を指します。高血圧や心不全、心臓弁膜症などの心疾患でみられることがあります。胸部X線検査では心臓の横幅と胸郭の幅の比(心胸郭比)を目安に評価します。異常が疑われる場合には、心電図検査や心エコー検査などによる詳しい検査が行われます。
「胸部X線検査」における他の注意点は?
胸部X線検査では服装以外にもいくつかの注意点があります。検査前に確認しておくことで、スムーズに検査を受けられます。
装飾品は胸部X線検査前の着替えで外しておく
ネックレス、ピアス、エレキバン、湿布などは画像に影として写ることがあります。検査前にはこれらの装飾品を外しておくことが必要です。
妊娠中や妊娠の可能性がある場合レントゲン前に申し出る
X線は少量の放射線を使用するため、妊娠中または妊娠の可能性がある場合は事前に医療スタッフへ伝えましょう。必要に応じて検査方法の変更が検討されます。
貼るカイロや湿布もX線検査時には外しておく
カイロや湿布も厚みがあるため、レントゲン画像に影が写ることがあります。検査前には外すよう指示されることが一般的です。
「胸部X線検査の服装」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「胸部X線検査の服装」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
ブラジャーを着けたままでも胸部X線検査を受けられますか?
木村 香菜 医師
ワイヤー入りブラジャーや金具の付いた下着は、胸部X線画像に影として写ることがあります。そのため多くの施設では、撮影前にブラジャーを外すよう案内されます。金属や装飾のないインナーであれば着用したまま撮影できる場合もありますが、施設の指示に従うことが大切です。
胸部X線検査で避けた方が良い服装の特徴は何でしょうか?
木村 香菜 医師
ボタン、ファスナー、金属装飾、刺繍、プリントなどがある衣類は、レントゲン画像に影として写る可能性があります。また厚手の衣類や重ね着も画像の判定に影響することがあります。無地で装飾のない薄手のインナーなど、シンプルな服装で受けることが望ましいとされています。
胸部X線検査ではなぜ服を着替えないといけないのでしょうか?
木村 香菜 医師
衣類や装飾品がX線画像に影として写ると、肺の異常と区別がつきにくくなることがあります。そのため正確な診断を行うために、装飾のない衣類に着替えたり検査着を着用したりする場合があります。撮影の質を保つための大切な準備といえます。
私服のレントゲン撮影で無地のTシャツが望ましいのはなぜですか?
木村 香菜 医師
無地のTシャツは装飾や金具が少なく、X線画像に影が写り込みにくいためです。刺繍やプリント、厚みのある装飾などは画像に写ることがあります。検査をスムーズに受けるためにも、装飾のないシンプルなインナーを選ぶと安心です。
ヒートテックのような発熱素材のインナーでX線検査を受けても大丈夫ですか?
木村 香菜 医師
ヒートテックなどの発熱素材そのものが問題になることは多くありません。ただし、厚手の生地や装飾、縫製の構造によっては画像に影が写ることがあります。無地で薄手のインナーであれば着用したまま撮影できる場合もありますが、施設によっては着替えを案内されることがあります。
まとめ 「胸部X線検査の服装」はシンプルな無地のインナーがベスト!
胸部X線検査では、衣類や装飾品が画像に影として写ることがあります。正確な診断のためには、影の原因となるものを避けた服装で検査を受けることが大切です。
シンプルな服装で検査を受けることで、再撮影を防ぎ、スムーズに検査を終えることにもつながります。健康診断や肺がん検診の際には、胸部X線検査に適した服装を意識しておくと安心です。
「胸部X線検査」に関連する病気
「胸部X線検査」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
胸部X線検査では、肺や心臓の異常を示す影や形の変化を確認できます。異常が疑われる場合には、CT検査などの精密検査で詳しく原因を調べることが重要です。
「胸部X線検査」が望ましい症状
「胸部X線検査」が望ましい症状は7個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
胸部X線検査は、肺や心臓の病気の手がかりとなる影を確認する検査です。咳や息切れなどの症状が続く場合や健康診断で異常を指摘された場合は、早めに医療機関で検査を受けることが大切です。
