「眼圧検査で風を当てる」のはどうして?費用や発見できる病気も医師が解説!
眼圧検査で目に風を当てるのはどうして?Medical DOC監修医が検査の目的や発見できる病気・瞳に風が当たるのが苦手な人の対策等を解説します。
監修医師:
栗原 大智(医師)
目次 -INDEX-
眼圧検査で風を当てるのはどうして?
眼圧検査は勢いよく風が当たるため、眼科の検査の中でも、苦手な人が多い検査の一つです。しかし、この眼圧検査は失明原因の1位である緑内障など、目の病気を見つけるために非常に大事な検査です。この記事では、そんな眼圧検査の原理や眼圧検査で見つかる病気などについて解説します。
眼圧検査とは?
眼圧検査は目の硬さを測定する検査です。眼圧は血圧と似ていて、高すぎても、低すぎても目の病気の原因になります。眼圧検査の測定方法はいくつかありますが、空気を当てるだけで測定する非接触型の眼圧検査と、直接器械を当てて測定する接触型の眼圧検査があります。
眼圧検査で風を当てることで目の何がわかる?(ノンコン)
眼圧検査で風を当てることによって、目の表面を一時的にへこませます。このへこみ具合から、眼圧が高いのか、低いのかを判断しています。眼圧が高い場合はへこみがすぐに戻りますが、眼圧が低い場合はへこみはそれに比べてゆっくりになります。また、眼圧検査では風は最低でも3回は当てています。これは測定によるバラツキをなくすためで、3回の平均値を検査結果として出しています。そのため、眼圧検査では風を何度も当てています。
眼圧検査の費用は?
眼圧検査の費用は、自己負担が3割の場合で250円程度、1割の場合は80円程度です。また、人間ドックなど保険診療以外の場合は、実施している団体によって料金が異なる場合があります。
眼圧検査前日や当日の注意点
眼圧検査の際はコンタクトを外す必要があります。眼圧検査後にコンタクトをしたい場合は、必ずコンタクトレンズのケースを持参する必要があります。その他には、検査前や当日に注意することはありません。
眼圧検査の結果の見方と再検査が必要な診断結果・数値
ここまでは眼圧検査について基本的なことを紹介しました。
再検査・精密検査を受診した方が良い結果がいくつかあります。
以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。
眼圧検査の結果の見方・基準値と異常値
眼圧検査は眼圧が正常であれば、その値は10〜21mmHgとなります。この範囲より眼圧が低い場合を低眼圧、高い場合を高眼圧と言います。
眼圧検査の結果で精密検査が必要な数値と検査内容
眼圧検査が正常範囲から外れた場合は、再検査のため眼科を受診しましょう。眼圧検査は空気で測定するやり方の他に、直接目に機械を当てて測定する方法もあります。
「目に風をあてる眼圧検査」で発見できる病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「目に風を当てる眼圧検査」に関する病気を紹介します。
どのような病気や症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
緑内障
眼圧が高い場合は、緑内障を疑うことがあります。緑内障は視神経や視野に異常がある病気で、日本の成人の失明原因の1位です。40歳以上では約20人に1人が緑内障とされており、初期には自覚症状を認めないことも多いとされています。眼圧が高い場合は緑内障がないかを確認しますが、日本人の多くは眼圧が正常範囲にある正常眼圧緑内障のことが多いとされています。そのため、眼科検診では眼圧検査と眼底検診を合わせて行います。その結果、緑内障と診断されれば点眼や手術で治療を行います。眼圧が高い場合はもちろん、そうでなくても40歳以上の方は定期的な眼科検診が推奨されています。
網膜剝離
眼圧が低い場合は網膜剥離を疑うことがあります。網膜剥離は、目の奥にある網膜にできた裂け目などがきっかけとなり、網膜の一部がはがれていきます。網膜剥離は徐々に範囲が広がると、視界に虫や糸くずが見える飛蚊症や、視野が欠ける(視野欠損)、視力が出なくなる(視力低下)などの症状が現れます。網膜剥離の範囲が小さい場合はレーザーで対応できますが、進行すると手術が必要になります。しかし、眼圧は下がっていないことも多く、飛蚊症や視野欠損、視力低下などがあれば、速やかに眼科を受診するようにしましょう。
「目に風を当てる眼圧検査」についてよくある質問
ここまで眼圧検査について紹介しました。ここでは「目に風を当てる眼圧検査」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
風が出る眼圧検査は目を閉じて検査を受けてもよいですか?
栗原 大智 医師
目を閉じると正確な検査が得られないため、検査をやり直します。軽くまばたきするのは問題ありませんが、難しい場合は検査員がまぶたを開けてお手伝いします。
目に風を当てる眼圧検査を受ける際、恐怖心を感じるのですが上手に受診するコツはありますか?
栗原 大智 医師
恐怖心が強いとまばたきの回数が多くなったり、力が入っていると目の表面に空気が当たったりして再検査になります。検査自体に痛みはないため、なるべくリラックスをして力を抜くとうまくできます。
風を当てる眼圧検査の結果が21mmHg以上の人は緑内障の恐れがありますか?
栗原 大智 医師
眼圧検査で結果が21mmHgを超える場合は、高眼圧症に該当します。眼圧が高い場合は緑内障の恐れがあるほか、緑内障がなくても1年に1〜2%は緑内障を発症しうるとされています。つまり、高眼圧症があると、すでに緑内障になっている可能性もありますし、10年後には10人に1〜2人が緑内障を発症していることになります。
眼圧検査で瞳の眼圧が高いとどのような症状が現れますか?
栗原 大智 医師
眼圧が高いだけであれば、基本的には自覚症状がありません。しかし、緑内障発作やぶどう膜炎などによって眼圧が高い場合は、痛みや見え方に異常を認めることがあります。
まとめ 風が出る眼圧検査で眼圧と目の健康度を測定しよう
風が出るタイプの眼圧検査は非常に簡単で、すぐに終わりますが、緑内障などの目の病気の早期発見に繋がる非常に重要な検査です。正常な値だから目の病気がないというわけではありませんが、毎年測定することで目の健康度を確認することができます。特に、40歳以上の方で、目の検診を受けてない方はお近くの眼科を受診して検診を受けるのがおすすめです。
「眼圧検査」の異常で考えられる病気
「眼圧検査」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
眼圧検査の結果によっては、さまざまな目の病気を疑う場合があります。非常に簡便な検査なので、まだ眼科検診を受けたことがない方は一度目の健康状態を確認しましょう。
参考文献