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健康診断で「中性脂肪が高い」と言われたら生活習慣病の可能性が?医師解説!

 更新日:2023/11/29
健康診断で「中性脂肪が高い」と言われたら生活習慣病病の可能性が?医師解説!

健康診断で中性脂肪が高いと言われたらどうすべき?Medical DOC監修医が血液検査の見方や基準値・主な原因と病気のリスク・対処法などを解説します。

金 仁星

監修医師
金 仁星(医師)

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大阪大学医学部卒業後、地元の病院で臨床研修修了。その後、医療法人 友広会の理事に就任、同法人のAGAメディカルクリニックで勤務。
化粧品検定2級、英語発音指導士® 所有

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健康診断・血液検査で「中性脂肪が高い」と診断されたときに考えられる原因と対処法

中性脂肪が高いと診断された場合、それは生活習慣病の一つである脂質異常症の可能性を示しています。これは、食事や運動不足、遺伝などが原因で、血液中の脂質が正常値を超えてしまう状態を指します。

中性脂肪が高いと診断されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法

高脂肪、高カロリーの食事やアルコール摂取が多いと、中性脂肪が増加する可能性があります。これは、体内でエネルギーとして利用しきれなかった余分な栄養素が中性脂肪として蓄積されるからです。
適度な運動は、体内のエネルギー消費を促し、中性脂肪を減らす効果があります。逆に運動不足は、エネルギー消費が少なくなり、余分なエネルギーが中性脂肪として溜まる可能性があります。
また遺伝的要素も影響します。親や兄弟姉妹に高脂血症の方がいる場合、注意が必要です。
日常生活では食事バランスを見直し、定期的な運動を心掛けましょう。また定期的な健康診断で血液検査を受けることも重要です。

痩せているのに中性脂肪が高いと診断されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法

アルコールは直接的に中性脂肪を増やす作用があります。体重に関係なく飲酒量が多い人は注意が必要です。
また体型は痩せてる場合でも、食事内容次第では中性脂肪値が高くなります。特に油っこい食べ物や甘いものは注意しましょう。
日常生活で気を付けるポイントは、飲酒量を控えめにし、健康的な食事を心掛けることです。また定期的な健康診断で血液検査を受けることも重要です。

中性脂肪が高くコレステロールが低いと診断されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法

中性脂肪が高くコレステロールが低いと診断された場合、脂質代謝の乱れ、過度な飲酒、不適切な食事習慣、内臓疾患などが原因と考えられます。特に肝臓の異常が疑われるため、詳細な検査が必要です。見た目には分かりにくいですが、疲労感や体調不良を感じることがあります。
すぐにできる処置は、食生活の改善やアルコールの制限などです。特に食事はバランス良く、特に野菜や魚を多く取るよう心掛けてください。この食事習慣の改善は中性脂肪を落とすだけではなく、コレステロール値も適切に保つことができます。

中性脂肪が高く血糖値も高いと診断されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法

中性脂肪が高く血糖値も高いと診断された場合、肥満や不規則な食生活、運動不足などの生活習慣が原因と考えられます。このような状態が続くと、動脈硬化や心疾患などのリスクが高まります。そのため、食事の見直しや適度な運動などの生活改善が重要です。野菜の摂取を増やし、飽和脂肪酸や砂糖の摂取を制限することが有効です。また、定期的な運動や体重管理も効果的です。日常生活では、ストレスの管理や禁煙も心がけましょう。定期的な健康診断を受け、改善しない場合は医師と相談するようにしましょう。

妊娠中や産後に中性脂肪が高いと診断されたときに考えられる原因と病気のリスク・対処法

妊娠中や産後に中性脂肪が高いと診断された場合、病気のリスクと対処法について考える必要があります。特徴的な症状としては、体重の増加や血圧の上昇が挙げられます。すぐにできる処置としては、食事内容の見直しや適度な運動が有効です。また、病気のリスクとしては、妊娠高血圧症候群や糖尿病などが考えられます。バランスの取れた食事やストレスの管理、妊娠中期以降は定期的な健康診断などが重要です。

健康診断の「中性脂肪」の数値の見方と再検査が必要な中性脂肪が高い診断結果

ここまでは診断されたときの原因と対処法を紹介しました。
再検査・精密検査を受診した方が良い結果がいくつかあります。
以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。

健康診断・血液検査の「中性脂肪」の基準値と結果の見方

脂肪値の基準値は150mg/dL以下とされています。150mg/dLを超える場合には「高脂血症」の疑いがあり、再検査対象となります。また、400mg/dLを超える場合は、膵炎のリスクが上昇するとされ、早急な治療が必要となります。

分類 基準値 再検査値
空腹時採血 150mg/dL以下 150mg/dL以上
随時採血 175mg/dL以上

健康診断・血液検査で「中性脂肪が高い」ときの数値と再検査内容

健康診断や血液検査で「中性脂肪が高い」と診断された場合、再検査が必要になることがあります。再検査では、食事制限や運動療法など生活習慣の改善を指導することが多く、必要に応じて薬物療法も行われます。また、他の項目(例えばコレステロール値や甲状腺機能)も一緒に調べることで、異常値の原因をより詳しく探ることができます。

健康診断・血液検査の「中性脂肪が高い」診断で気をつけたい病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「中性脂肪が高い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

脂質異常症(高脂血症)

脂質異常症は、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)のバランスが崩れる病気です。食生活の乱れや運動不足、遺伝などが原因となります。遺伝が絡む場合は高校生や大学生でも中性脂肪が高値となることがあります。改善策としては、食事の改善や適度な運動があります。また、医師の指導のもとで薬物治療を行うこともあります。異常値が続く場合は、内科を受診しましょう。

糖尿病

糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)の量が多くなる病気です。生活習慣の乱れや遺伝が主な原因とされています。食事改善や運動、インスリン注射や薬物治療が対策となります。血液検査で高値が見つかった場合、内科や内分泌内科を受診することをおすすめします。

ネフローゼ症候群

ネフローゼ症候群とは、腎臓の病気で、尿にタンパクが過剰に排出され、体内のタンパクが減少し、むくみや中性脂肪・コレステロールの上昇が起きる状態です。主な原因は詳しくは分かっていませんが、免疫系の異常が関与していると考えられています。対策としては、塩分制限や安静に努めること、治療薬(ステロイド)を用いることがあります。尿検査でタンパクが多く、特にむくみや眼瞼(まぶた)の重さが感じられた場合、専門医の診断が必要です。受診すべき診療科は、内科または腎臓内科となります。

膵炎

膵炎は、消化酵素が膵臓内で活性化し、自己消化により引き起こされます。アルコール摂取や胆石などが主な原因です。急性膵炎の場合は入院治療が必要となることもあります。中性脂肪が高い場合は消化器内科を受診しましょう。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌量が低下することで起こります。自己免疫反応やヨウ素摂取不足などが原因です。代謝が低くなることで中性脂肪の消費量が少なくなり、中性脂肪の上昇に繋がります。治療法として、甲状腺ホルモン補充治療が行われます。異常値が見つかった場合は内分泌内科を受診することをおすすめします。

「中性脂肪が高い」ときの正しい対処法・改善法は?

健康診断で「中性脂肪が高い」と指摘されたとしても、適切な対処法と改善策を知っていれば、必要以上に心配することはありません。
まず中性脂肪を減らすためには、定期的な運動が不可欠です。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動が効果的です。
飲酒に関しては、適量のアルコールは問題ありませんが、飲みすぎると中性脂肪が増えます。特にビールや日本酒などの糖質を多く含むお酒は注意が必要です。また食事内容を見直し、バランスの良い食事を心掛けましょう。特に野菜や海藻、豆類などの食物繊維を多く含む食品を積極的に摂取することがおすすめです。その他、サバやイワシなどの青魚に含まれるオメガ3系脂肪酸は、中性脂肪を減らす効果があります。これらの食品も積極的に摂取しましょう。
他には睡眠不足も中性脂肪を増やす原因となります。十分な睡眠時間を確保し、ストレスを解消することも大切です。
医師と相談し、適切な治療法や生活改善策を見つけることが重要です。

「中性脂肪が高い」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「中性脂肪が高い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

中性脂肪が高いのですがおすすめの食事を教えてください。

金 仁星金 仁星 医師

バランスの良い食事が中性脂肪を管理する上で重要です。特に、飽和脂肪酸の摂取を控え、オメガ3脂肪酸を多く含む魚類や、食物繊維が豊富な野菜や果物を積極的に摂ることをおすすめします。ただし果物の取り過ぎはよくありません。例えばバナナなどは1日1~2本程度にとどめておきましょう。

中性脂肪が300以上で高いのは生活習慣病等の病気が原因でしょうか?

金 仁星金 仁星 医師

中性脂肪値が300以上であれば、生活習慣病の可能性が高まります。心臓病や糖尿病などのリスクが増加するため、早期に生活習慣の見直しや医師のアドバイスを求めることが重要です。

中性脂肪が高いのは食生活や運動習慣のほかに遺伝も関係ありますか?

金 仁星金 仁星 医師

遺伝的要素も中性脂肪値に影響を与えます。しかし、食生活や運動習慣など生活習慣も大きく関わっています。そのため、遺伝的要素だけでなく、日々の生活習慣も見直すことが重要です。

中性脂肪を下げるにはどうしたらいいですか?

金 仁星金 仁星 医師

適度な運動とバランスの良い食事は中性脂肪値を下げる基本的な方法です。また、アルコールの摂取も控えめにすることも重要です。さらに、定期的な健康診断で値をチェックし、必要であれば医師と相談することも大切です。

編集部まとめ

血中の中性脂肪は重要な栄養源で、正しい量であれば健康維持に必要です。しかし、その値が高すぎると、血流が悪くなり心臓疾患のリスクが増えます。また、肝臓への負担も増えるため、生活習慣の見直しを必要に応じて行いましょう。
適度な運動やバランスの良い食事、睡眠時間の確保など、日々の生活の中で改善できるポイントは多いです。特に飲酒は中性脂肪の上昇に直接つながるため、適量のコントロールが必要です。また、ストレス管理も重要な要素となります。無理なダイエットよりも長期的な視点で健康管理を考えることが大切です。
一方で、自力での改善が難しい場合もあります。そのような状況では早めに医療機関に相談し、専門家のアドバイスを受けるべきです。また、すでに生活習慣病と診断されている方も中性脂肪の管理は重要です。以前に受けたアドバイスを再確認し、放置しないようにしましょう。
そして、これらの生活習慣の改善は一時的ではなく継続的に行いましょう。身体はあなたの毎日の選択によって作られます。一日一日の小さな行動の変化が、あなたの将来の健康を守ることに繋がります。

「中性脂肪が高い」とき・中性脂肪の異常で考えられる病気

「中性脂肪が高い」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

内科の病気

内分泌内科の病気

腎臓内科の病気

これらは中性脂肪が高い場合に考えられる代表的な病気です。ただし、必ずしも上記の病気であるとは限りません。正確な診断は、医師の判断と追加の検査が必要です。

この記事の監修医師