【闘病】「10万人に1人」の病と「数千人に1人」の病を乗り越えて(2/2ページ)

身体の衰えは仕方がない、でも心はいつも健康に

編集部
現在もオプジーボを続けながらの生活ですが、普段の体調はどうですか?
MAKIさん
(夜盲や羞明があるため)網膜色素変性症では毎日時間帯によって見え方が違いますから、疲れるときは酷く疲れることがあります。「これ以上見えづらくならなければいいのだけど……」という不安は、常に持っています。悪性黒色腫の免疫療法の副作用は軽くて身体の調子は良いです。肺の影も消失して、嬉しい気持ちで過ごしています。
編集部
今後MAKIさんと同じように病で苦しむ人や、周囲の人に向けて伝えたい言葉はありますか?
MAKIさん
網膜色素変性症も悪性黒色腫も、よく知られた病ではないので意識されないのは当然だろうと思います。私から言えることは、仕事も遊びも若いうちから思い切りやってほしいということです。私も若いころは病気知らずで、仕事も遊びも全力でできたので幸せでした。
編集部
それでは最後に読者に向けてメッセージをお願いできますか?
MAKIさん
何でもない時は健康について考えもしないですが、いざ病気になると、身体だけでなく精神も病んでしまうことがあります。年齢と共に身体の衰えはあるので仕方がないですが、心はいつでも健康で過ごしてください。定期健診はしっかり受けるのが大事です。
編集部まとめ
網膜色素変性症は暗闇で見えにくい、視野が狭くなるなどの初期症状が見られます。ただし、視野障害は周辺から進み、一般的に病状の進行は緩徐であり、視力は末期まで保たれることが多いようです。QOL(生活の質)は残存視野によることが多く、最近ではメガネ型補助器具の開発・販売も行われていますので、気になる症状がありましたら早めの受診が大切になります。また悪性黒色腫は通常のほくろと見分けにくいですが、足の裏や手のひら、爪などの普段できない場所に、6㎜以上のまだらなほくろのようなものが出来たら要注意です。なお、6mmは一つの基準ですが、徐々に拡大することは異常なサインなので、次第に大きくなるほくろには早めに気がつくことが重要です。どちらも初期に対応することが大切な病気ですから、定期的な検診、セルフチェックを大事にしましょう。







