「高齢者が絶叫マシンに乗ってはいけない理由」はご存知ですか?医師が監修!
公開日:2024/08/01

家族での特別なおでかけ先に、テーマパークはぴったりです。 非日常的な刺激を得られる絶叫マシンは、テーマパークの花形アトラクションといえるでしょう。 しかし、絶叫マシンによっては年齢制限があり、高齢者は乗車できないことをご存じでしょうか? 今回は年齢制限がある理由や、高齢者が絶叫マシンに乗ってはいけない理由を紹介します。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
目次 -INDEX-
年齢制限がある絶叫マシンはある?
多くの絶叫マシンには年齢制限があり、残念ながら高齢者は乗車できません。高齢を理由に乗車を制限される年齢は各テーマパーク、各アトラクションによって異なりますが、59歳・60歳・62歳・64歳をボーダーラインとしているテーマパークが多いようです。
なぜテーマパークは高齢者の乗車を制限しているのでしょうか?それは絶叫マシンが高齢者に過度な身体的・精神的影響を与えることが心配されるからです。
高齢者が絶叫マシンに乗ってはいけない理由
高齢者が絶叫マシンに乗ってはいけない理由は、高齢者は身体的特徴として体調を崩しやすく、回復力も低下しているためです。以下は高齢者の身体的特徴の一部です。- 身体の生理的老化
- 臓器機能の低下
- ストレスに対応できる潜在能力(予備力)の低下
- 回復力の低下
- 外部環境の変化への対応能力(恒常性維持機能)の低下
絶叫マシンのようなストレスのかかるアトラクションへの乗車は、高齢者に大きなリスクをもたらす可能性があります。
絶叫マシンが身体に与える影響とは
もし高齢者が絶叫マシンに乗ると、どのような影響が出るのでしょうか。以下で具体的に解説します。脳に影響を与える可能性がある
絶叫マシンに乗ると脳が頭蓋骨のなかで揺さぶられ、脳の血管が引っ張られたり出血したりするリスクがあり、脳に血液が送れなくなる恐れもあります。絶叫マシン乗車時に脳の血管がダメージを受けることで、脳梗塞、脳出血、眼の水晶体や網膜の出血が起きた症例もあるようです。
心臓に影響を与える可能性がある
ドイツで行われた18~70歳の男女を対象とした実験では、ジェットコースター乗車後、43.6%の被験者に不整脈が見られたそうです。不整脈とは、脈が通常とは違うペースで打たれる状態で、息切れ・めまい・胸の痛みなどの症状を伴うこともあります。絶叫マシンで生じる身体的負担は、ある程度の運動をしたときの負担と同程度です。
しかし、そこに興奮や恐怖などの精神的ストレスが加わるため、心臓への負担は大きくなります。




