『クレーター状のニキビ跡』は治る? サブシジョン治療と注意点【医師解説】

クレーター状のニキビ跡は、皮膚の深い部分に癒着が起こることでへこみが固定され、セルフケアでは改善しにくいことが特徴です。「サブシジョン」は、その癒着を物理的に切り離して肌を内側から持ち上げる治療法のこと。今回は、サブシジョンの仕組みや期待できる効果、注意点について、PRISM Beauty Clinic統括院長の畑山先生が分かりやすく解説します。
※2026年1月取材。

監修医師:
畑山 知輝(PRISM Beauty Clinic)
クレーター状のニキビ跡を治すには?

編集部
クレーター状のニキビ跡とは、どのような状態なのでしょうか?
畑山先生
クレーター状のニキビ跡は、強い炎症によって皮膚の奥(真皮層)が破壊され、元通りに再生できずへこんでしまった状態です。また表面だけでなく、皮膚の深い層にダメージが残っているため、自然治癒やスキンケアでの改善は難しいのが特徴です。
編集部
なぜ、クレーターは治りにくいのでしょうか?
畑山先生
クレーターの多くは、皮膚の下で硬い線維組織が瘢痕(はんこん)として残り、皮膚を下に引っ張っている状態だからです。そのため、表面からレーザーを当てるだけでは、へこみの原因そのものに十分アプローチできないことがあります。
編集部
クレーター治療には、どんな選択肢がありますか?
畑山先生
クレーターの深さや形に応じて変わり、具体的にはフラクショナルレーザー(レーザーを点状に照射して皮膚の深部に熱を届け、肌の再生能力を促すことでニキビ跡などの改善を図る治療法)、ダーマペン(微細な針で皮膚に高密度な穴を開け、肌の自然治癒力を利用してコラーゲンやエラスチンの生成を促す治療機器および治療法)、ブレッシング(極細の針を皮膚へ斜めに刺入し、高周波の照射と薬剤注入を同時に行うことで物理的な癒着剥離も得られる治療機器)、サブシジョンなどがあります。浅いクレーターには、表面の再生を促す治療が向いていますが、深いへこみや硬い癒着がある場合には、皮膚の下から改善する治療が必要になります。
編集部
セルフケアでは改善できないのでしょうか?
畑山先生
残念ながら、クレーター状のニキビ跡をセルフケアで根本的に改善することは難しいですね。無理なマッサージや物理的刺激は、かえって炎症や色素沈着を招く可能性があります。きれいに改善するには、専門的な治療を受けることが重要です。
サブシジョン治療とは? ニキビ跡を治せる?

編集部
サブシジョン治療とは、どのような治療ですか?
畑山先生
皮膚の下でクレーターを引き下げている瘢痕組織を、専用の針で切り離す治療です。へこみの原因となっている癒着を解除することで、皮膚が自然に持ち上がりやすい状態を作ります。この治療は、クレーターの根本原因に直接アプローチできる有効な治療法の一つとされています。
編集部
なぜ、サブシジョンでへこみが改善するのですか?
畑山先生
理由は二つあります。まずは、瘢痕を切り離すことで、皮膚が下に引っ張られなくなること。次に、治療後に起こる軽い出血や炎症が、コラーゲン生成を促して皮膚の再構築を助けること。両方が作用することにより、へこみが徐々に目立ちにくくなるのです。
編集部
どんなクレーターに向いていますか?
畑山先生
クレーターと一口にいっても、その形状に応じて分類されます。サブシジョンは、ローリング型やボックス型など、皮膚の下で広く癒着しているタイプのクレーターに特に有効です。一方、アイスピック型のような非常に深く細いクレーターでは、効果が出づらいことがあります。
編集部
ほかの治療を併用することはありますか?
畑山先生
はい。サブシジョン単独でも大きな効果が得られますが、さらにきれいに改善するため、ヒアルロン酸注射やジュベルック注射(ポリ乳酸と非架橋ヒアルロン酸を成分とする製剤を皮下に注入し、コラーゲンの生成を段階的に促進させる治療法)を同日に行うことがあります。また、サブシジョンで効果が見られクレーターがある程度浅くなった後、フラクショナルレーザーやダーマペン、ブレッシングへ移行していくことで、さらなる効果が期待できます。
サブシジョン治療を受けるときの注意点

編集部
サブシジョン治療後に腫れや痛みが残ることはあるのでしょうか?
畑山先生
施術後、一時的に内出血や腫れ、痛みが生じるものの、通常は10日前後で落ち着きます。ただし、広範囲に及ぶ施術や瘢痕が強いケースでは、ダウンタイムが長引く可能性も否定できません。また、まれに皮膚のでこぼこが残るリスクも伴います。
編集部
1回の治療で効果は実感できますか?
畑山先生
多くの場合、1回でも目に見える効果を得ることができます。ただし、クレーターの深さや瘢痕の強さによっては、複数回の治療が必要になるケースもあります。
編集部
治療前に確認すべきポイントはありますか?
畑山先生
自分のクレーターがサブシジョンに適しているか、ほかの治療との併用が必要かを事前にしっかり確認することですね。さらに、ダウンタイムや期待できる改善度合いについて、現実的な説明を受けることも重要です。サブシジョンは、クレーター治療の中でも原因に直接アプローチできる有効な方法ですが、適切な診断と技術が欠かせません。信頼できる医師と相談しながら、焦らずに段階的な改善を目指すことが大切です。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
畑山先生
私自身、高校や大学時代に「学年で一番」と言われるほどニキビに悩み、実際に治療を受けてきました。その経験があるからこそ、ニキビやニキビ跡に悩む人たちのつらさはよく分かります。また、自分が悩んできたからこそ、一人ひとりにこだわった治療を大切にしています。自身の体験から実感しているのは、「どんなニキビ跡でも、適切な治療を選べば改善が目指せる」ということです。肌が変わると、人との関わり方や自信の持ち方も変わり、人生そのものが前向きに動き出します。困ったことがあれば、ぜひ近くの美容クリニックに気軽に相談してほしいと思います。
編集部まとめ
ニキビやニキビ跡の悩みは、見た目だけでなく自信や行動にも影響するもの……。悩みを一人で抱え込まず、適切な治療を知ることが、肌だけでなく毎日を変える第一歩になるはずです。
医院情報

| 所在地 | 東京都渋谷区代々木2丁目10-8 ケイアイ新宿ビル 7階 |
| 診療科目 | 形成外科、美容外科、美容皮膚科 |
| 診療時間 | 月~祝日 10:00~19:00 |
| 休診日 | 不定休 |




