「ニキビの重症化」を防ぐには? 早めに治療へ行くべき理由を医師が解説

「そのうち治る」と放置したニキビは、痕になって残ることがあります。早めに治療を始めることで重症化を防ぎ、きれいな肌を取り戻せます。原因や治療法について、もこスキンクリニック吉祥寺本院の高畠先生がわかりやすく解説します。
※2025年11月取材。

監修医師:
高畠 唯(もこスキンクリニック吉祥寺本院)
ニキビ治療とはどのようにおこなうのか?

編集部
ニキビ治療はどのように進められるのでしょうか?
高畠先生
ニキビ治療は、毛穴の詰まりや皮脂の過剰分泌、アクネ菌の増殖など、原因に合わせて段階的におこないます。初期の白ニキビや黒ニキビでは、角質を正常化させる外用薬を中心に使用します。炎症性の赤ニキビがある場合は、抗菌薬の外用や内服を併用することもあります。
編集部
重症化した場合にはどうするのでしょう?
高畠先生
重症化した場合には、保険診療の抗菌薬などに加えて、自由診療のホルモン療法やイソトレチノイン内服薬などを検討することもあります。これらの治療の目的は皮脂の分泌を抑えるだけでなく、細胞を正常化し、毛穴や肌質を改善することです。つまり、できたニキビを治すだけでなく、新しく作らせない肌環境を整えることも目的としています。
編集部
スキンケアだけでは治らないのでしょうか?
高畠先生
スキンケアは大切ですが、すでに毛穴の中で炎症が起きているニキビは、化粧水や洗顔だけでは改善しにくいです。医師の処方薬は皮膚のターンオーバーを正常化させ、根本的な治療につなげます。特に思春期や大人ニキビは、ホルモンや生活習慣など複数の要因が関係するため、医師の診断を受けることで適切な治療法が見つかります。
編集部
市販薬と医療機関での治療の違いについても教えてください。
高畠先生
市販薬は軽症ニキビには効果的なこともありますが、有効成分の濃度が低く、炎症性ニキビや繰り返すタイプには不十分なことが多い傾向にあります。医療機関では肌状態を細かく診断し、症状に合った外用薬・内服薬を組み合わせて治療します。また、ケミカルピーリングや光治療など、再発防止や痕を残さないための治療をおこなえる点も大きなメリットと言えるでしょう。
早めにおこなうことの意義は? 治療が遅くなるとどうなる?

編集部
なぜ、ニキビは早めに治療したほうがよいのでしょうか?
高畠先生
ニキビは放置すると炎症が悪化し、毛穴や皮膚組織が破壊されてクレーター状の凹みが残ったり、色素沈着が起きたりすることがあります。早期に治療すれば、炎症の広がりを抑え、肌の修復力を保てます。また、見た目のコンプレックスからくるストレスも軽減できます。
編集部
治療が遅れると、どのようなリスクがありますか?
高畠先生
炎症が長引くことで皮膚の奥までダメージが及び、瘢痕(はんこん)や赤みが慢性化することがあります。また、自己流でつぶしたり、強いピーリング剤を使ったりすると、さらに悪化してしまうこともあります。皮膚バリアが壊れるとほかの皮膚トラブルも併発するため、様子を見るよりも早めに治療を始めることが重要です。
編集部
思春期ニキビと大人ニキビ、治療のタイミングに違いはありますか?
高畠先生
どちらも早期治療が基本ですが、思春期ニキビはホルモン変化が関係しやすく、一時的なものである場合もあります。一方、大人ニキビは慢性化しやすく、ストレスや睡眠不足、化粧品の刺激など要因が多岐にわたります。そのため、早めに医師が関与することで原因を正しく見極め、生活習慣を改善することで治療効果を高めることもできます。
編集部
早めに受診したほうがよいサインはありますか?
高畠先生
ニキビが繰り返しできる、赤く腫れる、膿がたまる、痕が残りやすい、という状態は医師の診察が必要です。炎症性ニキビが続くと皮膚内部の炎症が“記憶”され、慢性化しやすくなります。初期の段階で治療を始めることが、重症化と痕が残ることの防止につながります。
ニキビ治療で気をつけたいことは?

編集部
日常生活において、治療中に気をつけるべきことはありますか?
高畠先生
まず、睡眠と食事が大切です。睡眠不足は皮脂分泌を増やし、糖質過多の食事は炎症を助長します。ビタミンB群や亜鉛を意識して摂ることもおすすめです。また、洗顔は必要以上に洗いすぎず、やさしく洗うことが重要です。1日2回、洗顔料を使ってやさしく洗うのが基本で、過度な摩擦や洗いすぎは逆効果になります。
編集部
スキンケア製品の選び方についても教えてください。
高畠先生
ノンコメドジェニック(毛穴を詰まらせにくい)表示のあるものを選びましょう。アルコールや強い香料の入った製品は刺激になることがあります。保湿も重要で、乾燥によって皮脂が過剰分泌される場合もあります。医師の指導のもと、自分の肌質に合うケアを続けることが改善への近道です。
編集部
治療中にメイクはしてもいいですか?
高畠先生
軽いメイクなら問題ありませんが、クレンジングの際に肌をこすらないよう注意が必要です。ファンデーションはリキッドやクリームではなく、肌への負担が少ないパウダータイプを選び、できるだけ毛穴をふさがないようにしましょう。清潔なパフを使うなど、衛生面にも気を配ることが大切です。
編集部
治療をうまく進めるコツはありますか?
高畠先生
ニキビ治療は「短期戦」ではなく「継続戦」と考えましょう。肌のターンオーバーが整うには数カ月かかります。焦らず、医師と相談しながら続けることが最も大切です。自己判断で薬をやめると再発しやすくなるため、根気よく治療を続けていきましょう。
編集部
最後に、メディカルドック読者へのメッセージがあれば。
高畠先生
ニキビは身近な皮膚のトラブルですが、自己流で悩み続ける必要はありません。近年は保険診療でも効果の高い治療薬が使えるようになり、早期から適切に治療することで悪化や痕を防げます。気になるときは、ぜひクリニックで専門的なケアを受けてください。
編集部まとめ
ニキビは正しい治療で改善が期待できます。市販薬を使って効果に一喜一憂するよりも、専門医の診察を受けることが早い解決への近道です。困ったことがあれば、早めに医師に相談してみましょう。
医院情報

| 所在地 | 東京都武蔵野市吉祥寺本町2丁目12-6 グラニコビル2階 |
| 診療科目 | 皮膚科、美容皮膚科 |
| 診療時間 | 月水木金 10:00~17:30 土日 10:00~17:00 |
| 休診日 | 火・祝 |



