あなたのしわはどのタイプ? 原因に合わせたしわ治療の選び方を医師が解説

「しわ」と言っても、その種類や原因は様々であることをご存じの方は少ないと思います。年齢を重ねることで目立ちやすくなるしわもあれば、若い世代でも生じやすいしわもあります。そして、しわの種類によって、ヒアルロン酸やボトックスなど適した治療法が異なることをご存じでしょうか。今回は、しわの分類と原因、見分け方のポイントを中心に、みずき皮膚科クリニックの原先生に詳しく解説していただきました。

監修医師:
原 みずき(みずき皮膚科クリニック)
「しわ」にも種類がある? 分類と原因を正しく知る

編集部
しわといっても種類があると聞きました。医学的にどのように分類されているのか教えてください。
原先生
しわは大きく分けて、「表情じわ」「小じわ」「たるみじわ」の3種類に分類されます。表情じわは、笑ったり怒ったりといった表情の変化に伴って生じるしわで、眉間や目尻などに見られます。小じわは、皮膚表面のコラーゲンが減少することで現れる細かなしわで、加齢や乾燥などによって生じやすくなります。そしてたるみじわは、骨や脂肪などの土台が減少することによって生じるしわで、ほうれい線やマリオネットライン、ゴルゴラインなどがこれに該当します。
編集部
しわができる根本的なメカニズムは、皮膚や筋肉など、どのような要素が影響するのでしょうか?
原先生
しわの種類によって原因は異なります。表情じわは、筋肉の動きによって皮膚に繰り返し負荷がかかることで生じるため、筋肉の動きを抑えるボトックス治療が適しています。小じわは皮膚内部のコラーゲンや水分が失われることによって起こるため、スキンケアやレーザー、スキンブースターといった治療が有効です。たるみじわは、加齢による骨や脂肪の減少が主な原因であり、ヒアルロン酸などで内側から支える治療が用いられます。
編集部
年齢とともに増えるしわには、どのような特徴や傾向がありますか? 若い人のしわとの違いについて教えてください。
原先生
年齢とともに目立つしわは、たるみや皮膚の定着によって深く刻まれる傾向があります。若年層のしわは、一時的な表情の変化によって現れる可動性のしわが多く、皮膚の弾力が保たれているため元に戻りやすいのが特徴です。しかし、年齢を重ねると表情じわが刻みじわへと進行し、小じわやたるみじわも併発して、しわが重層的に現れるようになります。しわの深さや戻りにくさは、皮膚のコラーゲン量や骨格の変化とも大きく関係しています。
ヒアルロン酸が効くしわ・効かないしわとは?

編集部
脂肪の減少によるしわ治療にヒアルロン酸を使う場合、どのようなしわに効果があるのでしょうか?
原先生
ヒアルロン酸は、骨や脂肪の減少によりできる、たるみじわに対して有効です。たるみじわは皮膚の表層ではなく、骨や皮下脂肪といった深層の体積の減少によって凹みが生じ、影が出ることで目立つしわです。ヒアルロン酸を皮下や骨の上に注入することで、内側から支えを再構築し、しわの改善とともにリフトアップ効果が期待できます。
編集部
ヒアルロン酸が適さない、あるいはほかの治療が望ましいしわとは、どのようなしわですか?
原先生
ヒアルロン酸が適さないのは、筋肉の動きによって生じる表情じわや、皮膚表面の質の衰えによるちりめんじわです。額や眉間、目尻などの表情じわには、筋肉の動きを抑制するボトックスが適応となります。また、乾燥や加齢によって生じる細かなしわには、スキンブースターやピーリング、ビタミンAを含むスキンケア、レーザー治療などが効果的です。しわの種類に応じて、適切な治療法を選ぶことが重要です。
編集部
しわの状態によって、注入量や場所などの治療計画は変わりますか?
原先生
しわの深さや位置、肌質、加齢の進行度によって、ヒアルロン酸の注入量や注入部位は大きく変わります。自然な仕上がりを目指すには、単にしわを埋めるのではなく、顔全体のバランスを見ながら、必要な部位に適量を分散して注入することが重要です。また、表情や輪郭の動きを考慮した設計も不可欠であり、経験豊富な医師による丁寧なデザインと施術が成功の鍵となります。
治療効果を高めるために知っておきたいこと

編集部
ヒアルロン酸によるしわ治療は、どのくらいの期間効果が持続するのでしょうか?
原先生
使用する製剤の種類や注入部位によって異なりますが、一般的には約1年〜1年半ほど効果が持続します。ただし、個人の代謝や生活習慣、年齢などによっても持続期間には差があります。時間の経過とともに自然に体内へ吸収されていくため、理想的な状態を維持するには定期的なメンテナンスが重要です。無理に量を増やすのではなく、必要なときに少量ずつ補うことで、自然で美しい仕上がりを長く保つことができます。
編集部
ヒアルロン酸以外のしわ治療(ボトックス、スレッドリフトなど)との使い分けについて教えてください。
原先生
表情筋の動きでできる、表情じわには、ボトックスによる筋肉の動きの制御が効果的です。一方で、皮膚のたるみや脂肪の下垂によるしわには、スレッドリフトやHIFU(ハイフ:皮膚深部に熱を加える高密度焦点式超音波機器)、RF(ラジオ波:真皮層に熱エネルギーを加えコラーゲン再生を促す機器)などが用いられます。スレッドリフトは脂肪を持ち上げるようなリフトアップ効果に優れ、HIFUやRFは肌の引き締めやコラーゲン生成を促進することで、たるみの予防や改善につながります。しわの種類や部位に応じて、最適な治療を組み合わせることが理想的です。
編集部
しわを予防・改善するために、日常生活でできるケアや意識すべきことはありますか?
原先生
紫外線対策はしわ予防の基本です。毎日のスキンケアでは保湿に加えて、ビタミンA(レチノール)などの成分を取り入れると、肌の再生を促し小じわの予防にもつながります。また、バランスの良い食事、質の高い睡眠も肌状態に大きく影響します。加えて、過度な表情のクセや洗顔時の摩擦などもしわの原因になるため、肌への負担を減らす意識が大切です。日常の積み重ねが、将来の肌に大きな影響があることを忘れないようにしましょう。
編集部まとめ
しわには「表情じわ」「小じわ」「たるみじわ」といった種類があり、その原因や最適な治療法はそれぞれ異なります。ヒアルロン酸は、骨や脂肪の体積が減少することによって生じるたるみじわに対して有効であり、自然な若返りを目指す上で欠かせない選択肢の一つです。しわの状態を見極め、適切な治療を選ぶことで、より美しく自然な仕上がりが得られます。本稿が読者の皆様にとって、しわへの理解と予防・治療への一歩となりましたら幸いです。
医院情報

| 所在地 | 〒416-0909 静岡県富士市松岡675-1 |
| アクセス | JR「柚木」駅 徒歩約13分 |
| 診療科目 | 一般皮膚科 |




