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老化を早める食べ物3選! 老化しないために今食べるべきものとは…?

 公開日:2023/04/20
老化を早める食べ物3選! 老化しないために今食べるべきものとは…?

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体が病的に老化してしまう原因の一つに慢性炎症があります。今回は慢性炎症の真相と老化を早める食べ物について抗加齢医学専門医・eHealth clinic(イーヘルスクリニック)の天野先生に徹底解説していただきました。

天野 方一医師

監修医師
天野 方一(eHealth clinic)

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埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2022年4月東京都新宿区に「eHealth clinic」を開院。複数企業の嘱託産業医としても勤務中。 日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。

慢性炎症による病気8選と皮膚老化について

慢性炎症による病気8選と皮膚老化について

編集部編集部

体の老化の原因を教えてください。

天野 方一医師天野先生

体が病的に老化してしまう原因の一つに慢性炎症があります。慢性炎症とは、軽度の炎症が体内で長期間続く状態のことです。慢性炎症が影響している病気は、糖尿病や動脈硬化関連の病気があります。具体的には狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、慢性腎臓病などが挙げられます。近年注目されている歯周病やコロナの後遺症も慢性炎症が関係していると考えられています。

編集部編集部

慢性炎症がある人の特徴を教えてください。

天野 方一医師天野先生

うつっぽい人や不安、イライラが多い人は、慢性炎症が背景にあるのではないかと考えられています。慢性炎症が皮膚で起きると皮膚老化が進行します。皮膚に通っている血管に慢性炎症が起きると、血管が支配している細胞が死んでしまい、その結果たるみの原因になってしまいます。さらに肌のハリや弾力を保つ働きをするコラーゲンやエラスチンが障害を受けてシワやたるみを引き起こします。また、慢性炎症によってシミを作るメラノサイトが刺激されシミやくすみを引き起こすといわれています。

老化を早める食べ物

老化を早める食べ物

編集部編集部

老化を早める食べ物を教えてください。

天野 方一医師天野先生

体の中に炎症を起こしてしまう食べ物を3つ紹介します。
赤身肉と加工肉
過剰な乳製品
砂糖入りの飲料
です。

編集部編集部

赤身肉と加工肉について詳しく教えてください。

天野 方一医師天野先生

赤身肉とは具体的に牛肉と豚肉で、加工肉とはベーコンやソーセージです。お肉を食べたいときは牛肉などを避け、鳥肉を選ぶようにしましょう

編集部編集部

過剰な乳製品とは具体的には何ですか?

天野 方一医師天野先生

過剰な乳製品とは、牛乳やヨーグルトです。過剰に乳製品を摂ると消化がうまくできなくなって、慢性炎症が引き起こされると考えられています。乳製品を摂る場合は、牛乳やヨーグルトではなく、納豆やキムチのような発酵食品を食べるのがいいと思います。

編集部編集部

なぜ発酵食品がいいのですか?

天野 方一医師天野先生

発酵食品を摂ると腸内環境が良くなって、その結果炎症が治まると言われています。がんにもなりにくいといわれ、同じような大豆食品でも豆腐と納豆は効果が違うのです。人が予防できない病気でも、納豆を食べると予防できる場合があります。恐らく植物でタンパク質がベースとして良いのは間違いないのですが、更にその植物タンパク質が作られている発酵食品がさらに良いのかなと思っていますね。豆腐もいいのですが、納豆はその上のパワーがあると思っています。

編集部編集部

次に、砂糖入りの飲料とはどのような飲み物ですか?

天野 方一医師天野先生

砂糖入りの飲料というのは、具体的にコーラなどの炭酸飲料やエナジードリンクなども含まれます。過剰な砂糖が入っている飲料は、摂ると血糖スパイクが上がってしまい慢性炎症を引き起こすといわれていますので、砂糖入りの飲料は避けて水やお茶を飲むようにしましょう

編集部編集部

甘いものってあまり良くないのですね。

天野 方一医師天野先生

お腹いっぱいだけど甘いものを食べたいときってあるじゃないですか。食べたくなる衝動は恐らく、お腹が空いているからカロリーが足りていないわけではなく、依存症になっているのです。糖質の依存性は、甘いものは大麻や麻薬などよりも依存性が強いといわれています。糖質を食べると頭の中がハイになってカロリーが足りているにもかかわらず、体の興奮や満足感、幸せを満たすためにどんどん食べてしまうのが現実で、甘いものばかり食べている人は負のループに入ってしまっている可能性が高いのです。

編集部編集部

糖質制限するという考え方であれば、果物はいかがですか?

天野 方一医師天野先生

糖質制限をするという視点では、果物を少なくしたほうがいいのは間違いないですね。ただ、果物ジュースと果物は別物と考えてください。果物ジュースというのは血糖値の上がりスピードがとても速いのですが、果物は食物繊維が入っているので、血糖値の上がりがそんなに高くないのです。

編集部編集部

果汁100%ジュースもダメですか?

天野 方一医師天野先生

果汁100%ジュースは果物本来の食物繊維がなくなっているので、血糖値の上昇が早くなります果物ジュースは果物ではありません。極論をいうと野菜ジュースはコーラと同じ分類になります。砂糖がたくさん入っている飲み物は、急激に血糖値が上がってしまうので良くないのです。どれだけゆっくり上がるかが重要になってくるので、果物ジュース単体ではなく、食べ物と一緒に飲む方がいいと思われます。

老化しないために食べるべきもの

老化しないために食べるべきもの

編集部編集部

逆に老化しないために食べたほうがいい食べ物はありますか?

天野 方一医師天野先生

老化しないために食べたほうがいい食べ物を3つ紹介します。
ビタミンCが多く入っている野菜や果物
ポリフェノールが多く入っているカカオや抹茶
オメガⅢ脂肪酸が多く入っている魚
です。

編集部編集部

ビタミンCはどのように摂取するのがいいのでしょうか?

天野 方一医師天野先生

ビタミンCはパプリカやブロッコリーなどの野菜に多く含まれています。注意してほしいこととして、ビタミンCは水溶性ビタミンで水に溶けてしまうので、生のまま食べるのもいいんですけど焼いて食べるほうがお勧めです。

編集部編集部

ポリフェノールが多く入っているカカオや抹茶について教えてください。

天野 方一医師天野先生

ポリフェノールとは植物に存在する色素成分の一種です。ポリフェノールには抗酸化作用があり、炎症・慢性炎症を抑えてくれる作用がありますポリフェノールが多く含まれている食品はブルーベリーやチェリー、緑茶、チョコレート、リンゴ、赤ワインなどですね。ベリー系の果物にとって、成長過程で太陽(紫外線)は良くないのです。紫外線に対して植物を守ってくれるのがポリフェノールです。それを食べることによって我々は恩恵を受けることができます。

編集部編集部

オメガⅢ脂肪酸についても教えてください。

天野 方一医師天野先生

脂肪酸というのは大きく飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2つに分けられます。飽和脂肪酸は動物の肉に入っている脂肪酸です。バターやラードなど塊のような飽和脂肪酸は、コレステロールを上げるなど健康に良くないことがわかっています。反対にはオメガⅢとオメガⅥに分かれていて、特に魚に入っているオメガⅢ脂肪酸というのは、健康に良い影響を与えると考えられており、慢性炎症を下げることにも役立つとされています。オメガⅥに関してはオリーブオイルなど植物油の中に入っています。

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