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今話題の「エクソソーム」の未来は? 日本再生医療学会が治療ガイドラインを策定

 更新日:2024/05/14

日本再生医療学会は、「エクソソーム」などの細胞が分泌する細胞外小胞を治療目的で安全に使用するための指針を発表しました。このニュースについて山下医師に伺いました。

山下 真理子

監修医師
山下 真理子(医師)

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京都府立医科大学医学部医学科卒業。その後、美容皮膚科で延べ10年以上経験を積む。現在は、京都府京都市に位置する「くみこクリニック北山院」に勤務。コロナ以前は、大阪医専にて医療従事者の教育にも関わっていた。

日本再生医療学会が発表した指針とは?

日本再生医療学会が発表した指針について教えてください。

山下 真理子 医師山下先生

日本再生医療学会は、「細胞外小胞等の臨床応用に関するガイダンス」という指針を策定しました。細胞外小胞はEVs(Extracellular Vesicles)とも呼ばれており、エクソソームは細胞外小胞の一種になります。エクソソームは、医療機関で再生医療やアンチエイジングを目的に、自由診療で提供されており、近年注目されている成分です。

日本再生医療学会は、エクソソームを含む細胞外小胞が世界的に注目を集めていることや、今後対象となる分野・疾患の範囲が多岐にわたる可能性、発展性への期待があるという認識を持っていると同時に、指針の策定が不十分であることに対する懸念も抱いていました。今回、日本再生医療学会が策定した指針には、安心・安全なEV療法の発展、開発を念頭に「現状確認項目」「推奨項目」を挙げて解説することで、健全な方向性を示すことを目的とされています。主に3つの内容で構成されており、それぞれ「リスク・プロファイリング」「調製工程(製造工程)」「品質EV調製物のチェック項目並びに効果検証」となっています。

日本再生医療学会は「今回策定した指針については、あくまでも現時点での最新知見を集めたものである」と説明しています。また、今後の研究の進展や、治験などの実施例を踏まえて、必要に応じて改訂することも明らかにしています。

エクソソームとは?

今回の指針で取り上げられた、エクソソームについて教えてください。

山下 真理子 医師山下先生

エクソソームは、細胞外小胞の一種です。エクソソームの歴史は意外と古く、1980年代にヒツジの網状赤血球の成熟過程で不要となったタンパク質を分泌する100nm前後の分泌顆粒がエクソソームと命名されています。その後、1990年代には免疫細胞由来のエクソソームが免疫調節機能を持つことや、ほかの細胞に運ばれたことから、細胞外小胞が新たな細胞間コミュニケーションツールであるとして注目を集めました。現在までに、あらゆる細胞が細胞外小胞を分泌し、様々な体液中に存在することが報告されています。

エクソソームは様々なことに応用が試みられています。そのうちの1つが病気の診断です。実際に、国立がん研究センターが「血中のエクソソームによる大腸がんの早期診断法を開発した」という報告もしています。また、美容クリニックなどでは再生医療として自由診療で使用されています。

日本再生医療学会が指針を発表したことへの受け止めは?

エクソソームなどに対する指針を日本再生医療学会が策定したことについて、受け止めを教えてください。

山下 真理子 医師山下先生

エクソソームに対する指針が策定されたことにより、臨床面・美容面の双方で、今後エクソソームはますます注目を集めるでしょう。また、医療への応用が進むことが期待されます。

まとめ

日本再生医療学会は、エクソソームなどの細胞が分泌する細胞外小胞を治療目的で安全に使用するための指針を発表しました。世界的に注目されているエクソソームが、安全に治療に利用されるための取り組みは話題を集めそうです。

この記事の監修医師