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「大腸がん」のステージ別治療法とは? 早期発見がカギになる理由を医師が解説

 公開日:2026/02/01
「大腸がん」のステージ別治療法とは? 早期発見がカギになる理由を医師が解説

大腸がんは日本人の死亡原因の上位に位置する病気であり、特に近年は若い世代での発症増加が報告されています。そこで、大腸がんの基礎知識からステージごとの治療法、そして早期発見の大切さについて、医師の渡海先生(半蔵門 渡海消化器・内視鏡クリニック)に解説してもらいました。

※2025年10月取材。

渡海 義隆

監修医師
渡海 義隆(半蔵門渡海消化器・内視鏡クリニック)

プロフィールをもっと見る
2008年筑波大学医学専門学群(現・筑波大学医学群医学類)卒業。2008年4月がん・感染症センター都立駒込病院にて研修、2017年4月がん研究会有明病院消化器内科、2021年4月より上部消化管内科医長、2023年9月より頭頸部がん低侵襲治療センター兼務。2024年に半蔵門 渡海消化器内視鏡クリニックを開院。日本内科学会認定内科医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会学術評議員。

大腸がんとはどんな病気?

大腸がんとはどんな病気?

編集部

大腸がんとはどのような病気ですか?

渡海 義隆先生渡海先生

大腸の粘膜にできる悪性腫瘍で、進行すると周囲の臓器に広がったり、血液やリンパ液を通じて転移したりすることもあります。日本人の死亡原因の上位に位置する病気ですが、早期に適切な治療ができれば完治が期待できるがんです。

編集部

大腸がんはどのようにして発症するのですか?

渡海 義隆先生渡海先生

いくつかのパターンがありますが、多くの場合、良性のポリープから時間をかけてがんに変化していきます。食生活の欧米化や運動不足、肥満、喫煙などの生活習慣や遺伝的要因などが複雑に関与して発症リスクを高めることが知られています。

編集部

大腸がんではどのような症状が出るのでしょうか?

渡海 義隆先生渡海先生

ある程度進行すると、血便や下痢・便秘といった便通異常、腹痛や体重減少などがあります。初期には症状がないことが多く、症状が出たときにはすでにかなり進行しているというケースも少なくありません。

編集部

大腸がんのリスクが高い人はどのような人ですか?

渡海 義隆先生渡海先生

家族に大腸がんの既往がある人、喫煙習慣がある人、飲酒量が多い人、長期にわたって便秘が続く人、肥満や糖尿病など生活習慣病を抱えている人はリスクが高まります。特に家族歴は重要なリスク因子とされています。

編集部

大腸がんは若い人にも起こるのですか?

渡海 義隆先生渡海先生

起こります。以前は高齢者に多いとされていましたが、最近では50歳未満の若年層でも発症率が上がっています。そこには先述の食生活や生活習慣の変化が影響していると考えられています。

大腸がんの検査と診断、治療について教えて!

大腸がんの検査と診断、治療について教えて!

編集部

大腸がんはどのように見つかるのですか?

渡海 義隆先生渡海先生

繰り返しになりますが、初期の大腸がんは自覚症状がほとんどありません。そのため多くの人は、がん検診や職場・自治体の検診でおこなわれる便潜血検査をきっかけに受ける「大腸内視鏡検査(大腸カメラ)」によって発見されます。大腸カメラは、粘膜を直接観察できるため、小さなポリープや早期のがんも見逃さずに診断できるのが大きな特徴です。

編集部

便潜血検査で陰性なら心配しなくてもよいのでしょうか?

渡海 義隆先生渡海先生

便潜血検査はスクリーニングとして有用ですが、陰性だからといって安心できるわけではありません。たとえば、大腸の奥(小腸に近い部分)にできた病変は、便がまだ軟らかいため出血しにくく、進行がんでも検査で陰性になることがあります。また、初期のがんは出血しにくいため検査で陰性になることが多いのです。そのため、症状がなくても40歳を過ぎたら一度は大腸カメラを受けて、早期発見に努めてもらいたいです。

編集部

大腸がんの治療はどのように進められるのですか?

渡海 義隆先生渡海先生

治療は進行度(ステージ)によって大きく変わります。ごく早期(ステージ0やステージIの一部)なら、内視鏡で病変を切除するだけで治癒が期待できます。ステージIIやステージIIIに進むと外科手術が必要になり、再発予防のために抗がん剤治療を併用することがあります。ステージIVの段階では転移が広がっているため、抗がん剤や分子標的薬などを用いた全身治療が中心になります。

最も大事なのは早期発見

最も大事なのは早期発見

編集部

ステージIVでも治療はできるのですか?

渡海 義隆先生渡海先生

そうですね。転移が「肝臓のみ」などのように限られていて、切除可能な場合には手術で根治を目指せることもあります。ただし、完治が難しい場合には、抗がん剤や分子標的薬で病気の進行を抑える治療をおこない、生活の質を保つことを目指します。近年は治療の選択肢が増えており、症状緩和や延命が期待できるようになっています。このように、大腸がんは早期に発見できれば治療の負担が小さく、逆に、進行してからでは治療が複雑になり、生活への影響も大きくなることがわかるのではないかと思います。

編集部

大腸がんを早期に見つけるためにはどうすればよいですか?

渡海 義隆先生渡海先生

やはり、最も重要なのは大腸カメラです。ポリープの段階で見つけて切除できれば、がんへの進展を防げます。症状がなくても定期的に検査を受けることが大切です。

編集部

検査を受ける目安はありますか?

渡海 義隆先生渡海先生

40歳を過ぎたら一度は大腸カメラを受けましょう。特に血便がある人、便通異常が続く人、家族に大腸がんがある人は、40歳未満でも早めの検査をおすすめします。

編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

渡海 義隆先生渡海先生

大腸がんはいかに早期がん、あるいはその前のポリープの段階で見つけるかがとても重要です。大腸がんは、症状がなくても発症している可能性があるため、大腸がんのリスクがある人は特に、40歳を超えたら一度大腸カメラをおすすめします。「痛みが心配」という人も多いですが、最近はカメラの改良や鎮静剤の使用などにより、かなり少ない苦痛で検査が可能になってきていますので、痛みなどに不安がある人も、まずは相談してもらえればと思います。

編集部まとめ

大腸がんは「早期に発見できれば治せる病気」です。進行してから症状が出ることが多いため、便潜血検査だけに頼らず、大腸カメラを組み合わせた定期的な検査が重要です。40歳を超えた人や家族歴のある人は、ぜひ早めに医師へ相談してみてください。

医院情報

半蔵門 渡海消化器・内視鏡クリニック

半蔵門 渡海消化器・内視鏡クリニック
所在地 〒102-0082 東京都千代田区一番町13−1 メトロシティ半蔵門 1F
アクセス 半蔵門駅 5番出口から徒歩1分
診療科目 内科,消化器科,肛門科

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