あなたの「動脈硬化」リスクはどれくらい? 医師監修チェックリストで要確認

動脈硬化は自覚症状がないまま少しずつ進行し、気づいたときには心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気を引き起こす可能性があります。どんな方が動脈硬化のリスクが高く、またどうすれば予防できるのでしょうか? そこで動脈硬化のリスクと予防について、「そのだ内科 糖尿病・甲状腺クリニック渋谷駅道玄坂院」の薗田憲司先生に解説してもらいました。

監修医師:
薗田 憲司(そのだ内科 糖尿病・甲状腺クリニック渋谷駅道玄坂院)
動脈硬化とは? 医師が解説

編集部
動脈硬化とは何ですか?
薗田先生
動脈硬化とは、血管の壁にコレステロールなどが蓄積し、文字通り血管が硬くなったり、狭くなったりする状態を指します。一度動脈硬化になってしまうと、自然に元に戻ることはほとんどありません。
編集部
動脈硬化になるとどんな症状があるのですか?
薗田先生
血管の状態を表す言葉であるため、基本的に自覚症状はありません。気が付かないまま放置しておくと少しずつ進行し、悪化していきます。血管の内側に溜まった脂質の上にさらに脂質が蓄積し、プラーク(脂肪の塊)が形成されることで、血流が次第に悪くなってしまいます。
編集部
進行するとどんな影響が出るのですか?
薗田先生
動脈が狭くなり血流が悪くなると、その部位によって様々な状態を引き起こします。心臓では狭心症、脳では認知症のリスクも高まります。また、足の血流が悪くなると歩行障害を引き起こすこともあり、全身の健康に深刻な影響を与えます。
編集部
それは怖いですね。
薗田先生
それだけではありません。血流が悪くなると血液が固まりやすくなり、血栓(血の塊)ができるリスクが高まります。そして、狭くなった血管に血栓が詰まると、深刻な病気を引き起こします。例えば、脳の血管が詰まると脳梗塞、心臓の血管が詰まると心筋梗塞が発生し、場合によっては命に関わることもあります。
「動脈硬化」になりやすい人の特徴

編集部
動脈硬化になりやすい人の特徴はありますか?
薗田先生
高血圧や糖尿病、喫煙、肥満、運動不足の人はリスクが高くなります。また、ストレスが多い生活や過度な飲酒も影響を与えます。さらに、健康診断などで中性脂肪やコレステロールの値が高い人は、すでに動脈硬化を起こしている可能性も考えられます。これらに当てはまる人は、生活習慣の見直しが必要です。
編集部
具体的にどのような見直しが必要でしょうか?
薗田先生
食事に関して言うと、塩分や糖分、脂肪の摂りすぎを避け、暴飲暴食をしないなど、基本的なところを意識するだけでもかなり変わると思います。特に納豆や海藻、お酢などは、中性脂肪を下げて動脈硬化を防ぐ働きがあり、個人的にもお勧めしています。
編集部
ほかには何かありますか?
薗田先生
喫煙や飲酒を控え、無理のない程度に運動習慣をつけるなど、いわゆる昔ながらの健康的な生活に近づけることが大事です。また、ストレスマネージメントも重要です。
編集部
運動はどのくらいすればいいですか?
薗田先生
1日20〜30分程度のウォーキングや軽いジョギングなど、適度な有酸素運動が推奨されます。無理のない範囲で、継続的に運動することが大切です。スクワットなどの筋力トレーニングを組み合わせるとさらに効果的です。
動脈硬化のリスクはどうやってわかる? 治療法は?

編集部
動脈硬化のリスクを調べる方法はありますか?
薗田先生
血液検査でコレステロールや血糖値をチェックしたり、頸動脈エコー検査や血圧脈波検査(ABI・CAVI)で血管の状態を調べたりすることができます。定期的な健康診断でリスクを把握することが大切です。
編集部
医療機関にかからずに、動脈硬化のリスクを知る方法はありますか?
薗田先生
5つ | 超ハイリスク |
4つ | ハイリスク |
3つ | ややハイリスク |
2つ | 中リスク |
1つ | 低リスク |
編集部
すでに動脈硬化が進行している場合、治療方法はありますか?
薗田先生
生活習慣の改善に加え、必要に応じて薬物療法(血圧・コレステロールを下げる薬)が行われます。重度の場合、カテーテル治療やバイパス手術などの外科的処置が必要になることもあります。
編集部
最後にメディカルドック読者へのメッセージがあればお願いします。
薗田先生
食事、運動などで生活を整えることは非常に重要ですが、あまりストイックに制限しすぎると人生がつまらないものになってしまうことも考えられます。楽しさと健康のバランスを取りながら、食事や運動習慣をどこまで改善できるかが大事だと思っています。簡易チェックでリスクが高かった方は、動脈硬化を調べる頸動脈エコー検査や血圧脈波検査(ABI・CAVI)ができる病院を一度受診し、評価をしてもらうことをお勧めします。
編集部まとめ
動脈硬化は症状がなく進行するため、自覚がないまま深刻な病気を引き起こすリスクがあるのだそうです。定期的な健康診断や生活習慣の見直しが、予防の第一歩です。気になる方は、医療機関で検査・診断を受け、早めに対策することをおすすめします。
医院情報
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アクセス | JR・東京メトロ「渋谷駅」 徒歩3分 |
診療科目 | 内科、糖尿病内科 |