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顔に激しい痛みが起こる「三叉神経痛」どのような治療で痛みを和らげるのか医師が解説

 公開日:2025/01/21
顔が痛い原因「三叉神経痛」に神経ブロック注射が作用するメカニズム

顔の片側に突然現れる鋭い痛み、これが「三叉神経痛」の主な症状です。この病気は顔面の感覚を司る三叉神経に問題が生じることで発症します。三叉神経痛の治療にはさまざまな方法がありますが、なかでも「神経ブロック注射」は痛みの軽減に大きな効果をもたらす治療法として注目されています。本記事では、三叉神経痛の基本的な知識から神経ブロック注射の作用メカニズムまで、園ペインクリニック院長の松本先生に解説していただきました。

松本 園子

監修医師
松本 園子(園ペインクリニック)

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2005年、大学卒業後、医師免許を取得。順天堂大学の光畑裕正元教授に師事し、痛み治療の専門的な知識と技術を学ぶ。昭和大学横浜市北部病院やがん研有明病院でも研鑽を積む。2022年、生まれ育った亀戸に「園ペインクリニック」を開院し、院長就任。医学博士、日本麻酔科学会専門医・指導医、日本ペインクリニック学会ペインクリニック専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本緩和医療学会緩和医療認定医。Instagram

顔が痛い原因「三叉神経痛」とは?

顔が痛い原因「三叉神経痛」とは?

編集部編集部

三叉神経とはどの部分に存在し、どのような働きを持つ神経なのでしょうか?

松本園子先生松本先生

三叉神経は、顔の感覚を担当する神経です。この神経は脳の奥にある「三叉神経節」という部分から3本の枝に分かれています。第1枝は目の上に広がり、おでこや頭皮の感覚を担当します。第2枝は頬や上あご、第3枝は下あごや口の周りの感覚を司っています。これらの神経が損傷や圧迫を受けると、顔の一部に痛みやしびれが現れることがあります。

編集部編集部

三叉神経痛は具体的にどのような病気なのでしょうか?

松本園子先生松本先生

三叉神経痛は、顔の一部に突然激しい痛みが走る病気です。この痛みは「電気が走るような感覚」と形容され、顔の片側に限定して現れるのが特徴です。痛みは数秒から数分で収まることが多いですが、刺激によって繰り返し発生します。例えば、冷たい風に当たる、顔を洗う、歯磨き中に触れるといった日常の動作が引き金になります。原因としては、血管が神経を圧迫している場合や腫瘍が関与している場合があるため、MRI検査を行い原因を特定する場合もあります。

編集部編集部

三叉神経痛の初期症状について教えてください。

松本園子先生松本先生

初期症状としては、特定の刺激で顔に突然鋭い痛みが走ることが挙げられます。痛みの特徴は、冷たい風や歯磨き、食事中の動作が引き金になることです。症状が現れるのは顔の片側だけで、痛みは瞬間的に現れて消えるのが一般的です。また、寒い季節には症状が悪化することがあるため、この時期に症状が現れたら早めの受診をお勧めします。

「三叉神経痛」の検査と治療

「三叉神経痛」の検査と治療

編集部編集部

三叉神経痛の診断にはどのような検査が行われますか?

松本園子先生松本先生

診断では、まず患者さんの症状を詳しく伺います。痛みがどのようなタイミングで起こり、どれくらいの頻度で発生するかを確認します。その後、MRIやCTを使用して、腫瘍や血管の圧迫の有無を確認します。また、神経ブロック注射を試し、痛みが軽減するかを観察することで、三叉神経痛であるかを判断する補助的な手段として用いることもあります。

編集部編集部

三叉神経痛の治療方法について教えてください。

松本園子先生松本先生

治療の第一選択は、抗てんかん薬であるカルバマゼピンを使用する内服治療です。この薬は神経の興奮を抑え、痛みを緩和する効果があります。ただし、内服薬が効かない場合や副作用が強い場合には、神経ブロック注射が効果的です。また、症状が重度で薬や注射で改善が見られない場合には、放射線治療や外科手術が適用されることもあります。

編集部編集部

神経ブロック注射の治療方法について詳しく教えてください。

松本園子先生松本先生

神経ブロック注射は、痛みの原因となる神経周囲に薬を注射して神経を一時的に鎮静化する治療法です。この注射は、炎症を抑えたり、神経の過敏状態を改善したりすることで、短期間で痛みを和らげます。また、この治療は痛みの部位や原因を特定するための診断ツールとしても使用されます。施術時間が短く、即効性が期待できる点が大きな特徴です。

治療方法を選ぶ際の基準と効果を長持ちさせるコツ

治療方法を選ぶ際の基準と効果を長持ちさせるコツ

編集部編集部

神経ブロック注射のメリットとデメリットを教えてください。

松本園子先生松本先生

神経ブロック注射のメリットは、即効性がある点と、診断の補助として使用できる点です。痛みの部位をピンポイントで治療できるため、迅速な痛みの軽減が期待できます。一方で、効果の持続期間には個人差があり、症状が再発する場合には複数回の施術が必要になることがあります。この治療法は、専門性の高い医療機関で行うことが重要です。

編集部編集部

神経ブロック以外の治療法についても基準を教えてください。

松本園子先生松本先生

内服薬は、症状が軽度で生活に支障が少ない場合に適しています。一方、放射線治療(ガンマナイフ)や手術は、内服薬や注射で改善が見られない場合に検討されます。治療法の選択は、患者の状態や生活環境、年齢や全身の健康状態を総合的に考慮して行います。

編集部編集部

神経ブロック注射の効果を長持ちさせるにはどうすれば良いでしょうか?

松本園子先生松本先生

効果を長持ちさせるには、ストレスを減らし、規則正しい生活を心がけることが大切です。特に、寒さを避けることや、内服薬を適切に併用することが効果的です。また、医師と相談しながら治療計画を立てることで、症状の再発を防ぎ、治療効果を持続させることができます。

編集部まとめ

三叉神経痛は日常生活に支障を与えるつらい病気ですが、適切な治療を受けることで症状の改善が期待できます。特に神経ブロック注射は、即効性があり、痛みを迅速に軽減できる治療法として多くの患者に支持されています。本記事が、三叉神経痛に悩む方々が適切な治療を選び、痛みから解放される一助となれば幸いです。

医院情報

園ペインクリニック

園ペインクリニック
所在地 〒136-0071 東京都江東区亀戸7-64-3
アクセス JR総武本線「亀戸」駅より徒歩14分
東武亀戸線「亀戸」駅より徒歩14分
診療科目 ペインクリニック科・漢方内科・麻酔科

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