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血便は「大腸がん」のサイン!? 考えられる病気・大腸カメラの重要性も医師が解説!

 公開日:2024/11/12

普段の生活の中で血便が出た場合、どんな異常が考えられるのかご存じですか? 放置していて自然に治ることがあるのかも気になるところです。今回は、血便の出る病気や大腸カメラ(大腸内視鏡検査)の重要性などについて、「和光市駅前かわはら内視鏡・消化器内科クリニック」の川原先生に解説していただきました。

川原 洋輔

監修医師
川原 洋輔(和光市駅前かわはら内視鏡・消化器内科クリニック)

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東邦大学医学部卒業。その後、東京慈恵会医科大学内視鏡学講座に入局、東京慈恵会医科大学葛飾医療センター内視鏡部診療医長などを務める。2023年、埼玉県和光市に「和光市駅前かわはら内視鏡・消化器内科クリニック」を開院。日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・学術評議員・関東地方会評議員、日本消化器病学会専門医、日本内科学会認定医。

血便は大腸がんのサイン?

血便は大腸がんのサイン?

編集部編集部

血便が出てしまいました……。大腸がんなのでしょうか?

川原 洋輔先生川原先生

血便が出る原因は様々ですが、大腸がんが原因の場合もあります。ただし、痔や消化器の炎症など、ほかの疾患でも血便が出ることがあるので、すぐに「大腸がんだ!」とパニックになる必要はありません。

編集部編集部

どうしたらいいのでしょうか?

川原 洋輔先生川原先生

医師の診察を受けましょう。特に、「初めて血便が出た」「血の量が多い」「黒っぽい血が混じった便が出た」などの場合は、速やかに医療機関を受診してください。

編集部編集部

血の色も関係あるのですか?

川原 洋輔先生川原先生

はい。痔の場合は明るい赤色の血がみられることが多い一方で、大腸がんや大腸がんの手前の状態にあたる大腸ポリープなどの場合は、血が出てから排便までに時間が経過しています。そのため、黒っぽい便や暗い赤色の血便になることが一般的です。胃などの上部消化管で出血している場合は、タール便と呼ばれるドロドロした黒色の便になります。

編集部編集部

がんと便の血液は、どのように関係するのでしょうか?

川原 洋輔先生川原先生

大腸がんや大腸ポリープがあると、便が腸を移動する際に便と腸壁の組織が擦れて血液が付着します。大腸がん検診に「便潜血検査」がおこなわれるのもそうした理由からです。

血便が出たときの対処法

血便が出たときの対処法

編集部編集部

血便が出たとき、自然に治ることはあるのでしょうか?

川原 洋輔先生川原先生

たしかに、軽度の痔や感染性腸炎、虚血性腸炎であれば治ることはあります。しかし一方で、大きな病気が隠れているサインかもしれないので、一度でも血便が出た場合は消化器内科を受診しましょう。

編集部編集部

血便で受診した場合、医療機関ではどのような検査をするのですか?

川原 洋輔先生川原先生

血便が出た場合は、大腸カメラが最も効果的です。小型のカメラを使って大腸の内部を視覚的に確認できるので、「大腸がん」や「大腸ポリープ」などの異常を発見できます。また、それ以外の病気が見つかることもあります。

編集部編集部

大腸カメラで、どのような病気がわかるのでしょうか?

川原 洋輔先生川原先生

大腸がんやポリープ以外では「潰瘍性大腸炎」「クローン病」「虚血性腸炎」「大腸憩室症」などを発見することができます。さらに、早期の大腸がんや大腸ポリープなどが見つかった場合、その場で病変を切除でき、組織検査もおこなえるのが大腸カメラの特徴です。

編集部編集部

その場で切除できるのですね。

川原 洋輔先生川原先生

はい。切除した病変を生検に回して、良性か悪性かを判断できます。早期の大腸がんや大腸ポリープは、切除するだけで根治となる場合も多く、そうなると開腹手術を受ける必要はありません。

大腸カメラの重要性

大腸カメラの重要性

編集部編集部

大腸カメラで、そのまま病変を切除できるのはすごいですね。

川原 洋輔先生川原先生

ただ、全ての病変がその場で切除できるというわけではなく、出血が多くなるリスクのある場合や切除する病変のサイズが大きい場合は入院することもあります。そうした場合を除くと、検査中にそのまま切除できると考えてかまいません。基本的には入院の必要もなく、検査中に切除し、その日のうちに歩いて帰宅することができます。

編集部編集部

それは知りませんでした。

川原 洋輔先生川原先生

繰り返しになりますが、大腸がんが進行してしまった場合は、入院して全身麻酔の開腹手術を受けなければ切除できなくなってしまいます。そうなると、身体的な負担だけでなく、経済的負担や時間的負担も大幅に増えてしまいます。

編集部編集部

大腸カメラを受けることが重要なのですね。

川原 洋輔先生川原先生

そう思います。大腸がんは、早期に発見すれば90%近くが完治するがんであるにもかかわらず、初期には症状がほとんどないため、検査で見つけるしかありません。血便に気づいた日とはもちろん、そうでない人も定期的に大腸カメラを受けてほしいと思います。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

川原 洋輔先生川原先生

大腸カメラは「恥ずかしい」「痛そう」「時間がない」などで、つい後回しにしてしまう人も多いと思います。しかし、日本の内視鏡の技術は世界一と言われており、安心・安全に受けることができると思います。大腸がんは早期発見が非常に大事なので、気になる症状があればぜひ大腸カメラを検討してくださいね。

編集部まとめ

血便が出た際の対処法や大腸カメラの重要性などについて解説していただきました。血便が出た際には、軽視せずに早めに医療機関で検査を受けることが大切で、特に大腸カメラは大腸がんなどの早期発見のために非常に重要とのことでした。「恥ずかしい」「痛そう」などで躊躇している人も、まずは一度検査を受けてみてはいかがでしょうか。

医院情報

和光市駅前かわはら内視鏡・消化器内科クリニック

和光市駅前かわはら内視鏡・消化器内科クリニック
所在地 〒351-0114 埼玉県和光市本町6-5和光エイノビル4階
アクセス 「和光市駅」 徒歩1分
診療科目 内科、消化器内科、肛門内科

この記事の監修医師