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「夜間頻尿」の治し方はご存じですか? 原因や放置するリスクも医師が解説!

 公開日:2024/11/08

夜間、排尿のために頻繁に起きるために、寝不足だったり日中の眠気に悩まされたりしている人もいるのではないでしょうか。一体、どのように夜間頻尿を対処したらいいのでしょうか。医療機関での治療法も気になるところです。「成増まちかど泌尿器科」の永田先生に解説していただきました。

永田 卓士

監修医師
永田 卓士(成増まちかど泌尿器科)

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熊本大学医学部卒業。その後、熊本赤十字病院、日本赤十字社医療センター、東芝病院(現・東京品川病院)泌尿器科、埼玉社会保険病院(現・埼玉メディカルセンター)泌尿器科、東京都健康長寿医療センター泌尿器科、国立長寿医療研究センター泌尿器科などで経験を積む。2024年、東京都板橋区に「成増まちかど泌尿器科」を開院。

なぜ、夜間頻尿が起きるのか?

なぜ、夜間頻尿が起きるのか?

編集部編集部

まず、夜間頻尿について教えてください。

永田 卓士先生永田先生

夜間頻尿とは、夜眠っているとき、2回以上排尿のために起きなければならない状態のことです。加齢が進むほど夜間頻尿のリスクが高くなり、高齢化が進む現代においては、非常に多くの人が夜間頻尿で悩んでいます。

編集部編集部

なぜ、夜間頻尿が起きるのですか?

永田 卓士先生永田先生

夜間頻尿の原因にはいくつかあり、その1つに「膀胱容量が減少する」ということがあります。膀胱容量が減少すると、わずかな量しか膀胱に溜めることができなくなり、頻繁に尿意を感じるようになります。

編集部編集部

なぜ、膀胱容量が減少するのですか?

永田 卓士先生永田先生

減少の原因としては、「過活動膀胱」や「前立腺肥大症」が考えられます。過活動膀胱とは加齢などを原因とし、膀胱がわずかな刺激でも過敏に反応してしまう症状を指します。他方、前立腺肥大症とは男性特有の疾患で、前立腺という臓器が肥大することで尿道が圧迫され、膀胱にも負担がかかり、膀胱機能が衰えることを言います。

編集部編集部

そのほか、夜間頻尿の原因にはどのようなものがありますか?

永田 卓士先生永田先生

眠りが浅くてすぐに目が覚めてしまう「睡眠障害」が原因となることもあります。そのほか、「内服薬や疾患の影響」「寝る前に水分を過剰摂取している」なども夜間頻尿の原因として考えられます。

夜間頻尿の対処法

夜間頻尿の対処法

編集部編集部

夜間頻尿の原因をある程度、自分で見分けることができるのですか?

永田 卓士先生永田先生

夜間にトイレへ行ったとき、毎回十分な尿量がある場合には尿量が増えていることが原因で、毎回の尿量がそれほど多くない場合には膀胱容量の減少が原因と考えられます。

編集部編集部

夜間頻尿を放置するとどうなりますか?

永田 卓士先生永田先生

夜間に尿量が増える夜間多尿には、糖尿病や高血圧、心疾患、腎機能障害などの疾患が関係しているかもしれません。これらの疾患はできるだけ早く、適切な治療をおこなわなければ命のリスクになることもあります。また、夜間頻尿のために昼間眠気がひどかったり、日中のパフォーマンスに影響が及んだりすることもあります。困っていることがあれば、早めに泌尿器科を受診しましょう。

編集部編集部

泌尿器科ではどのような治療をおこなうのですか?

永田 卓士先生永田先生

原因に即した治療をおこないます。例えば、夜眠る前にたくさん水分を摂取している人は、水分の摂取量を控えるように促します。また、日頃から塩分の摂取量が多いことも夜間頻尿の原因になるので、その場合は食事の改善が必要になります。

編集部編集部

そのほかには?

永田 卓士先生永田先生

睡眠障害によって夜間頻尿が起きている場合には、睡眠の質を改善するために生活習慣を見直すことが大切です。生活リズムを整える、運動習慣を身につけるなどを心がけましょう。

夜間頻尿は泌尿器科で治療できる

夜間頻尿は泌尿器科で治療できる

編集部編集部

薬剤を使うこともあるのですか?

永田 卓士先生永田先生

はい。例えば、夜間の尿量が多い人には、夜間の尿量を抑える「デスモプレシン」という薬を使うことがあります。

編集部編集部

そのほかには、どのような薬を使いますか?

永田 卓士先生永田先生

過活動膀胱には「抗コリン薬」や「β3作動薬」、前立腺肥大症には「α1遮断薬」「PDE5阻害薬」「5α還元酵素阻害薬」などの薬から、症状に合わせて使用する薬剤を選択します。

編集部編集部

夜間頻尿は治療することができるのですね。

永田 卓士先生永田先生

そうです。夜間頻尿は高齢になるほど多く発症する症状ですが、放置すると夜、トイレに起きたときに転倒して骨折をしたり、寝たきりになったりして生活の質を大きく低下させます。また、夜間頻尿のない高齢者と比べて、夜間頻尿のある高齢者は死亡率が高まることもわかっています。生活習慣の見直しをおこないながら必要に応じて泌尿器科を受診し、きちんと治療するようにしましょう。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

永田 卓士先生永田先生

夜間頻尿は生活習慣が関わっていることもあり、そのような場合には生活を見直すことで改善が期待できます。しかし、ときには何らかの疾患の初期症状として出現していることもあります。このような場合には、早期発見が重要。恥ずかしがらず、ぜひ泌尿器科へご相談ください。

編集部まとめ

夜間頻尿は「眠りが浅くなる」「何度もトイレに目が覚めて、日中に眠くなる」といった、睡眠の問題だけにとどまりません。場合によっては、何らかの疾患のサインかもしれません。いずれにしても、夜間頻尿で悩んでいる場合には、早めに泌尿器科へ相談を。原因を確認し、適切な治療をおこなうようにしましょう。

医院情報

成増まちかど泌尿器科

成増まちかど泌尿器科
所在地 〒175-0094 東京都板橋区成増2-12-7EH第3ビル3階
アクセス 東京メトロ・東武東上線「成増駅」 徒歩2分
診療科目 泌尿器科

この記事の監修医師