その「薄毛」まだ間に合う!? AGAはどのレベルまで治療できるかご存じですか?

秋山先生

頭髪が薄くなって悩んでいる人は、男女問わず多くいらっしゃいます。毛の成長期が短くなり、休止期が長くなった結果、頭髪が軟毛化して細く・まばらになるのが薄毛の原因です。

秋山先生

そうですね。現在、日本人男性の約30％は抜け毛や薄毛で悩んでおり、その原因のほとんどが「AGA（男性型脱毛症）」と言われています。また、最近は新型コロナウイルスの後遺症による薄毛や脱毛に悩む人もいらっしゃるようです。なお、AGAと女性型脱毛症は別のものと考えられています。

秋山先生

AGAは遺伝による影響を受けやすく、生活習慣や加齢、ストレスなどもその原因の一部と考えられています。多くは30～40代で発症し、少しずつ進行していきます。ただ、20代から発症するケースも少なくありません。

秋山先生

主な原因物質に「ジヒドロテストステロン（DHT）」があります。ジヒドロテストステロンが毛乳頭細胞という部位に存在する男性ホルモン受容体と結合することにより、毛周期（ヘアサイクル）を乱して毛髪の成長期が少しずつ短縮します。そのため、毛髪が太く長く成長する前に抜けてしまい、十分に成長しない細く短い毛髪が多くなることで、薄毛が目立ちやすくなるのです。

秋山先生

AGA治療では、飲み薬や塗り薬などによる治療が最も多く用いられます。ただ、AGAの進行具合によっては、頭皮に毛髪を増やす薬剤を注入したり、ダイオードLEDを用いたりすることもあります。さらに最近は、再生医療による治療効果も評価されつつあるので今後に期待です。

秋山先生

はい。しかし、一口にAGAと言っても、それぞれの原因や薄毛の程度は異なるので、原因に合わない治療をしていると効果が期待できない場合もあります。そのため、複数の治療法を選択できる医療機関に相談し、専門家の見解を聞きながら治療法を選択していくことが大切です。

秋山先生

たしかに、薬による副作用が出ることも考えられます。主な副作用としては、塗り薬によるかゆみ、飲み薬によるむくみ、薬の種類によっては血圧の変化や性欲減退なども起こり得ます。しかし、風邪薬などの処方箋と同様に、医師が処方するので過度に心配する必要はありません。診察時や処方時に医師から説明もあるので、納得したうえで治療を開始することが重要です。

秋山先生

まず、お伝えしたいのは「進行していてもAGAは治すことができる」ということです。もちろん、早めに対応した方が効果も出やすいので、薄毛に気づいた段階で相談することをおすすめしています。また、医療機関にもよりますが、例えば当院では「薄毛になりそうだ」と不安を抱えている患者さんに対して、薄毛予防の相談を実施しています。

秋山先生

実際のところ、AGAで毛量がゼロになってしまうことは基本的にありません。毛量がゼロになると「全頭型脱毛症」という別の疾患である可能性があります。いずれにせよ「手遅れかも」と自己判断せず、自覚した時点で医師に相談することが大事です。

秋山先生

AGAの薬物治療は、個人に合った薬を正しく使用すれば、非常に効果は高いと言われています。「インターネットの個人輸入などで薬を購入している」といった話を最近よく耳にしますが、同じ成分や量であっても効果が低いというデータもあり、安全性が確立されていない場合もあります。そのため、通販ではなく医療機関で処方してもらうことをおすすめします。万が一、健康被害が出た場合も医療機関での処方薬であれば対応してもらえますが、個人輸入の場合はそうはいきません。まずは医療機関に相談することが、薄毛対策の第一歩です。