AGA治療で起こり得る副作用について教えて!
医療において、永遠のテーマとも言える「副作用」の問題。薄毛に悩む男性の多くが取り組んでいるAGA治療にも、副作用はあります。一体、どのような副作用があるのでしょうか。また、副作用を避けて治療するにはどうしたらいいのでしょうか。今回は、AGA治療の副作用に関する様々な疑問を「ナチュラルAGAクリニック」の新行内先生に伺ってみました。
監修医師:
新行内 出(ナチュラルAGAクリニック 院長)
千葉大学医学部卒業。大手AGAクリニック勤務を経た2021年、東京都目黒区に「ナチュラルAGAクリニック」開院。「薬に頼らないAGA治療」をコンセプトとし、副作用の心配が少ない治療に努めている。加えて、日本皮膚科学会発行のAGAガイドラインに完全準拠し、主に発毛効果と安全性が確認された治療を提供している。日本美容皮膚科学会、日本抗加齢医学会の各会員。
薬の副作用として考えられるもの
編集部
AGAの治療薬に副作用はあるのですか?
新行内先生
あります。まず覚えておいていただきたいのが、AGA治療薬に限らず、どんな薬にも常にメリットとデメリットがあり、薬全般に「副作用は起こり得る」ということです。つまり、薬を使用する際には、薬の効果と副作用を天秤にかけ「副作用があるかもしれないけれど、効果を優先したい」という判断が必要なのです。そして、副作用が起きたとしても適切な対処をすることが重要になってきます。
編集部
AGA治療薬の副作用には、どのようなものがあるのですか?
新行内先生
顕著な副作用として、「薬を塗布した患部のかぶれやかゆみ」「じんましんなどの発疹」「性欲の減退やED」「肝機能障害」などが考えられます。もちろん、薬を使用したすべての人にこうした副作用が起こるとは限りません。
編集部
様々な副作用が起こり得るのですね。
新行内先生
とくに多くの男性が気にするのが、「性欲の減退やED」ではないでしょうか。この症状が出やすい薬に、AGA治療に使われるフィナステリドという成分を含む薬があります。もともと前立腺肥大の治療薬として使用されていましたが、薄毛の改善効果があることがわかり、現在ではAGA治療薬として用いられています。
編集部
なぜ、性欲の減退やEDを招くのでしょうか?
新行内先生
フィナステリドには、脱毛を進行させてしまう「ジヒドロテストステロン(DHT)」の生成を抑制する効果があります。しかし、このDHTは男性ホルモンの一種なので、抑制することで結果的に体内の男性ホルモンを減少させてしまうことになります。そのため、性欲の減退やEDが起きると考えられています。
レーザー治療にも副作用はあるのか
編集部
一方でレーザー治療のように、薬を使用しないAGA治療もありますよね。その場合も副作用はあるのでしょうか?
新行内先生
副作用も起こり得ますが、薬と違ってレーザーは副作用が少なく、比較的安全な治療法です。そのため、当院では積極的に導入しています。
編集部
そもそも、なぜレーザー治療がAGAに効果的なのでしょうか?
新行内先生
単一の波長で拡散せずに直進する特殊な光が、皮膚の深部の毛根細胞まで届き、発毛を促進してくれるからです。また、AGA治療のレーザーは、安全性と有効性が確認されている特殊な波長を用いているので、しっかりとした効果を期待することができます。
編集部
どうして、レーザー治療は副作用が少ないのでしょうか?
新行内先生
AGAの治療で用いるレーザーは低出力で照射するため、組織を壊さないからです。脱毛などで使用するレーザーとは違って、低い出力で当てるため、体への負担が少ない治療法と言えます。副作用があるとしても、皮膚の乾燥やかゆみくらいで非常に軽度です。
編集部
「副作用があるから効果が高い」「副作用がないから効果が弱い」ということではないのですか?
新行内先生
副作用の有無は、効果の有無と相関関係はありません。実際、日本皮膚科学会のまとめたAGA治療ガイドラインでは、レーザー治療を、「おこなうよう勧める」と評価しています。つまり、科学的根拠のあるしっかりとした治療方法ということです。そのため、薬による副作用が気になる人には、有効な治療選択肢となるでしょう。
治療法を組み合わせる際の注意点
編集部
レーザー治療とほかの治療を組み合わせることはできるのでしょうか?
新行内先生
はい、できます。実際、複数の治療法を組み合わせておこなっている人は多く、「併用した方が効果的」ということが研究でも明らかになっています。個人差はあるものの、一度試してみれば、併用の効果を実感できると思います。アデノシン外用など、副作用のリスクが少ないにもかかわらず、しっかりと発毛・抜け毛予防効果が認められる治療法もあるため、レーザー治療との組み合せとして良い選択肢でしょう。
編集部
その場合、副作用のリスクは単独で治療するより高くなるのですか?
新行内先生
必ずしもそういうわけではありませんが、副作用が気になる場合は治療を始める前に、しっかり医師に確認することをおすすめします。また、経過によっては使用する薬を増減したり、治療法を変えたりと、適宜調整する必要がありますから、こまめに医師の指示を仰ぎましょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
新行内先生
どんな治療をおこなうにしても、副作用のリスクはできるだけ低減したいですよね。そういう人におすすめしたいのがレーザー治療やアデノシン外用です。レーザー治療やアデノシン外用は比較的新しい治療法で、あまり周知されていない治療方法なので、この機にこうした選択肢があるということを覚えておいてください。興味があれば、レーザー治療やアデノシン外用をおこなっているAGAクリニックを探してみてはいかがでしょうか。
編集部まとめ
レーザーやアデノシン外用によるAGA治療は副作用が少なく、比較的安全とのことでした。それ以外のAGA治療による副作用も、起きたとしても非常に軽微で、万が一のときには医師に相談すればきちんと対応してもらえます。また、AGAの治療は期間が長くなることが多いので、信頼できる医師を見つけることも大切です。
医院情報
所在地 | 〒153-0051 東京都目黒区上目黒1丁目26-1 中目黒アトラスタワーアネックス2階 |
アクセス | 東京メトロ日比谷線、東急東横線「中目黒駅」徒歩1分 |
診療科目 | 美容皮膚科、AGA |