「ブライダルチェック」を受けるべきタイミングはご存じですか? 検査内容や費用も医師が解説!
結婚を控えるカップルは、幸せの絶頂である一方、やらなければならないこと、考えなければならないことが数多くあります。「ブライダルチェック」もその1つなのではないでしょうか。今回は、ブライダルチェックの目的や検査内容などについて、「mimiレディースクリニック三越前」の干場先生に解説していただきました。
監修医師:
干場 みなみ(mimiレディースクリニック三越前)
ブライダルチェックとは?
編集部
ブライダルチェックとはなんですか?
干場先生
正確な定義はありませんが、「結婚前後の男女を対象にした、身体のチェックや検診」を指します。最近では、似たような位置付けのものとして「プレコンセプションケア」もありますね。プレは「~の前の」、コンセプションは「妊娠・受胎」という意味なので、プレコンセプションケア「妊娠前からのケア」ということになります。
編集部
なぜ、ブライダルチェックを受けた方がいいと言われているのでしょうか?
干場先生
結婚を機に、体の健康状態を確認することが主な目的です。感染症の検査や血液検査をはじめ、生殖機能に影響を与える可能性のある病気の有無をチェックすることは、将来的に子どもを望むカップルにとって重要です。
編集部
ブライダルチェックは、将来の妊娠のために必要なのですね。
干場先生
それだけではありません。ブライダルチェックを受ける当事者の将来的な病気のリスクがわかることもあります。病気のリスクがわかると早期の予防策を講じたり、治療介入できたりするので、将来的な病気のリスクを減らすことが期待できます。このように、ブライダルチェックには様々な意義があるのです。
ブライダルチェックの検査内容
編集部
具体的なブライダルチェックの内容について教えてください。
干場先生
医療機関や患者さんのニーズによって異なるのが前提としてありますが、一般的には採血やBMI測定、感染症の検査をおこないます。女性の場合、子宮や卵巣の超音波検査、内診・子宮頸がん検査、風疹抗体検査なども加わります。
編集部
男性特有の検査もあるのですか?
干場先生
はい。BMI測定、超音波検査、感染症を調べる採血は共通で、さらに精液検査で精子の数や運動率、形状などを評価することがあります。ホルモン採血も評価項目にあります。また、医療機関によっては、精巣の超音波検査をおこなうこともあります。
編集部
採血では何を調べるのですか?
干場先生
一般的な感染兆候や貧血などのほか、流産・不育症に関係するとされている甲状腺機能やホルモン値、卵巣予備能(あとどのくらい卵子があるか)を調べます。
ブライダルチェックの期間や受けるタイミング、費用は?
編集部
ブライダルチェックはどのタイミングで受けたらいいですか?
干場先生
ブライダルチェックは、結婚準備の初期段階で受けることをおすすめします。早めに検査しておくことで、検査結果に基づいて必要な健康管理や治療をおこなう時間を確保できます。特に妊娠を計画している場合は、結婚式の日程や妊娠計画に影響を与えないよう、余裕を持って検査を受けることが重要です。
編集部
ブライダルチェックには、どれくらいの時間がかかりますか?
干場先生
医療機関や検査日の混雑状況などにもよるかもしれませんが、全ての検査をおこなっても30分程度で終わることがほとんどです。ネットなどで簡単に検査結果を確認できるところもあると思いますが、医師がきちんと説明してくれる医療機関で受けることをおすすめします。なお、当院の場合は精液検査であれば検査結果が当日中に出ます。ほかの検査結果については、1~2週間お時間をいただいています。
編集部
費用も気になります。
干場先生
ブライダルチェックは保険適用外のため、自費診療となります。また、ブライダルチェックに含まれる検査内容も医療機関によって異なるので、事前に電話で問い合わせたり、HPで確認したりしてから、受診することをおすすめします。なお、がん検診や風疹抗体検査は、自治体からの助成を使用することができます。
編集部
自費診療になってしまうのですね。
干場先生
はい。保険適用外となってしまいますが、現在様々な自治体で、妊娠・出産前のヘルスチェックに対する助成金が導入されてきています。例えば、東京都では「TOKYOプレコンゼミ」という講座を受講した都内在住の18~39歳を対象に、女性は上限3万円、男性は上限2万円の助成金が出ることが決まりました。対象となる検査や検査を受ける医療機関が定められているので、詳細はご確認ください。助成制度を導入している自治体は東京都以外にもあるので、ご自身のお住いの地域を調べて、ぜひご活用ください。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
干場先生
ブライダルチェックは、将来的な妊娠や健康リスクなどについて知ることのできる貴重な機会です。特に不妊が社会的な問題となっている現代社会においては、男女ともに知っておいていただきたいと思います。不妊は、男女どちらに要因があっても起こり得ます。決して女性だけではなく、男女ともに関係していることを認識していただき、将来的に子どもを持ちたいと考えている人は、結婚時期にこだわらず早めに受けることをおすすめします。
編集部まとめ
ブライダルチェックについて解説していただきました。結婚を機に自分の体を知ることは、カップルそれぞれの健康状態や不妊リスクを把握するためにとても有用で、安心して結婚生活をスタートさせるための準備の1つと言っても過言ではありません。これから結婚を考えていたり、将来的に子どもを望んだりしているのであれば、ブライダルチェックに対応している医療機関に相談してみてはいかがでしょうか。
医院情報
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診療科目 | 婦人科 |