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【闘病】食が大好きなのに「スキルス胃がん」と告知され胃の全摘出… 私ががんの経緯をブログで発信する理由(2/2ページ)

 更新日:2025/02/27
食が大好きなのに「スキルス胃がん」と告知され胃の全摘出…私ががんの経緯をブログで発信する理由

前の暮らしとそこまで変わらず過ごせていることに感謝

前の暮らしとそこまで変わらず過ごせていることに感謝

編集部編集部

スキルス胃がん発覚の前後で、どのように生活が変わりましたか?

ユッキーユッキーさん

正直、そこまで大きく変わってはいません。入院中の食事から問題なく食べていたので、体力が劣ったという感覚はありません。退院直後は通常通り過ごせていたように感じます。ただ、食事中に食道にご飯が詰まってしまったり急にダンピング症候群になってしまったりとかはありますが、基本的には普通に過ごしています。

編集部編集部

もともと食事量が多いと言われていましたが、病気が分かる前と後で食生活にどのような変化がありましたか?

ユッキーユッキーさん

病気がわかる前は、ラーメン一人前では足らず大盛りにする、サイドでご飯ものをつける、トッピングを付けるなどが多かったです。病気の告知後から入院するまで食事制限もなかったので、好きなものを食べていました。食べる量はさすがに少し減りましたが、一人前は食べられていました。術後は胃がないので、急に食べると入っていかずゆっくり食べていますが、術後10カ月ほど経った今ではラーメン一人前を完食できる程度に回復しています。何も知らない人から見たら、おそらく胃がない人とは思わないでしょう。

編集部編集部

それは治療が合っていたからこそでしょうか?

ユッキーユッキーさん

胃がん患者は手術後に内服薬と点滴を併用することが多いのですが、私は点滴(ドセタキセル・オキサリプラチン)を試すも、体に合わなかったんですよね。なのでTS-1のみでの治療を行っていて、それが私に合っていたのか現在、比較的生活が安定しています。現在はダンピング症候群が出にくいものや食道に詰まりにくいものを主に食べています。

編集部編集部

術後の具体的な食事内容の変化を教えてください。

ユッキーユッキーさん

私の場合、食道に詰まってしまうので焼き魚が苦手になりましたが、刺身は食べられます。そして魚と同じたんぱく質系の食事でも焼肉は詰まらず食べられます。ただ、個人差はあると思いますが炭水化物がダンピングにつながりやすいようで、ごはんやパンの量は減らしつつ、たんぱく質のおかずを食べるようにしています。

編集部編集部

食道に詰まってしまうのですね。

ユッキーユッキーさん

ぱさぱさしたものを食べると、どういうわけか食道の途中で詰まってしまって、水でも流し込めなくてずっと止まってしまうので、30分くらい苦しいというときがたまにあります。

編集部編集部

衝撃です。今のユッキーさんの体調はいかがでしょうか?

ユッキーユッキーさん

今は内服薬だけに絞って、大きく体調を崩すことはありません。おかげで車の運転もできますし、趣味のライブ観戦のために飛行機での長距離移動もできて、以前と変わらず過ごしています。ただ、少し疲れやすいと感じることがあるのと、食後に眠気を感じて自分ではどうしようもできないときがあります。その時は、無理せず30分くらい寝るようにしています。

編集部編集部

お変わりないとはいえなかなかハードな闘病期間だと思いますが、心の支えは何でしたでしょうか?

ユッキーユッキーさん

家族、実家の両親の存在、そして何気なく会話してくれる友人です。あとはSNSのフォロワーさんからメッセージをいただくことが多くて、救われていましたね。そして趣味のライブを観に行って気分転換していました。

息子さんと空港にて

ユッキーさんと息子さん

編集部編集部

ユッキーさんはSNSやブログで記録を残されていますが、発信活動の裏にはどんな思いがありますか?

ユッキーユッキーさん

病気の状態や副作用、私の感情をインターネットに残すことで、頭の整理やストレス発散をしています。もちろん自分の経験を表に出したくないという方もいると思いますが、私の場合は日本全国で同じような病気を抱えている方に1人でもつながって読んでいただければ嬉しいです。何より、今回の経験で病気の早期発見・早期治療が本当に大切だと思ったので、そこを感じ取っていただける方がいればいいなと思っています。

編集部編集部

実際に読者の方やフォロワーさんからコメント・メッセージをいただくことはありますか?

ユッキーユッキーさん

SNSでは本当にたくさんいただいて、「自分も実は病気です」「家族が病気で同じような環境です」などさまざまなメッセージがありましたし、ご連絡のほとんどが私自身ポジティブになる応援ばかりでした。本当に勇気づけられて、ありがたかったです。

編集部編集部

一番辛かった時期のユッキーさんに、今ならなんと声をかけますか?

ユッキーユッキーさん

私の場合、ドセタキセルの副作用の期間が本当に辛くて、実はブログにも「死んでしまいたい」と書くほどのものでした。副作用は一週間くらいで落ち着いてくるのですが、それも知らなかったのでひたすら辛くて。その時期の自分に声をかけるなら、「明けない夜はない。期間は限られているので、その期間だけでも頑張ってほしい」と伝えたいです。

編集部編集部

最後に読者の方へ一言お願いします。

ユッキーユッキーさん

早期発見・早期治療が大事だと痛感しました。私は治療のおかげで今でもご飯を食べられていますが、もう少し早く胃カメラを受けておけば……と思うことがあります。また、主治医と話をしていると、コロナ禍で家から出られず我慢していた方がたくさんいらっしゃって、いよいよ不調がひどくて来院しても治療できないほど悪化しているということが少なくないそうです。医師の方はすごく悔しい思いをされています。そんな状況はどうにかしたいと思いますし、みなさんも違和感があったらすぐに近くのクリニックへ行ってほしいです。

編集部まとめ

どうしても忙しい中で健康診断・定期健診の受診に行けないという方は多いと思いますが、やはり病気の早期発見・早期治療はなにより大切です。ぜひ今回のユッキーさんのお話を読んだ方は、体の不調を放置せずに病院へいってください。また、職場や地方自治体での検診も積極的に受けるようにしましょう。

なお、Medical DOCでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。

この記事の監修医師

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