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膝関節への「PFC-FD療法」とは? 治療の流れと費用目安を教えて

 公開日:2023/10/17
膝関節への「PRP療法」「PFC-FD療法」とは? 治療の流れと費用目安を教えて

再生医療」という言葉は、ここ数年でかなり耳にするようになってきました。そこで、膝関節などへの治療として用いられる「PFC-FD療法」について、整形外科医の乗松祐佐先生(のりまつ整形外科・骨粗しょう症クリニック院長)にMedical DOC編集部が話を聞きました。

乗松 祐佐

監修医師
乗松 祐佐(のりまつ整形外科・骨粗しょう症クリニック)

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2000年に自治医科大学医学部を卒業後、自治医科大学大学院(博士課程)や米・マサチューセッツ総合病院(ハーバード大学)博士研究員、国際医療福祉大学教授などを経て、2023年6月、東京都世田谷区に「のりまつ整形外科・骨粗しょう症クリニック」を開院、院長となる。整形外科一般診療はもちろんのこと、特にリハビリテーションや骨粗しょう症診療などに強みを活かした医療を展開している。

PRP療法ってどんな治療? PRP療法を応用したPFC-FD療法についても教えて!

PRP療法ってどんな治療? PRP療法を応用したPFC-FD療法についても教えて!

編集部編集部

まず、膝関節へのPRP療法とは何ですか?

乗松 祐佐先生乗松先生

「PRP療法」とは、患者さん自身の血液から取り出した「多血小板血漿(Platelet-Rich Plasma)」を使って膝の痛みや損傷を治療する方法です。PRPには血小板が豊富に含まれており、細胞修復と再生を促す成分が含まれています。

編集部編集部

膝関節へのPRP療法はどのような効果があるのですか?

乗松 祐佐先生乗松先生

PRP療法は膝関節の炎症を軽減し、組織修復や再生を促進することで痛みなどの症状を軽減する効果が期待できます。また、軽度な軟骨損傷や腱の損傷にも効果があるとされています。

編集部編集部

では、PFC-FD療法とは何ですか?

乗松 祐佐先生乗松先生

PRPは、自己血液を遠心分離して得られる血小板が多量に含まれた液体(多血小板血漿)です。PFC-FDは、このPRPから成長因子を取り出して凍結乾燥(フリーズドライ)したものです。より濃縮した成長因子を使用する治療法ということになります。

編集部編集部

効果はどれくらい持続しますか?

乗松 祐佐先生乗松先生

一般的には3ヶ月~半年程度とされています。ただし、効果の持続期間は個人によって異なり、もっと長い方もいれば、短い方もいらっしゃいます。

PRP療法を応用したPFC-FD療法のメリットとデメリットを教えて PFC-FD療法が適さない人もいるの?

PRP療法を応用したPFC-FD療法のメリットとデメリットを教えて PFC-FD療法が適さない人もいるの?

編集部編集部

PRP療法を応用したPFC-FD療法のメリットを教えてください。

乗松 祐佐先生乗松先生

まずは、「安全性が高い」ということが挙げられます。患者さんご自身の血液から製造されるため、他人の組織を使った治療や薬物による治療と比べると、拒否反応や感染症のリスクなどの副作用が少ないのです。もうひとつは「施術が簡便」ということです。手術や入院といった負担がなく、注射を受けた日に歩いて帰ることができます。

編集部編集部

では、PFC-FD療法のデメリットはありますか?

乗松 祐佐先生乗松先生

ひとつめは、保険が適用されないため、治療費が自己負担となってしまうことです。もうひとつは、個人の血小板に含まれる成長因子を使うため、効果にも個人差があるということです。それぞれの成長因子の働きによって、効果が薄かったり、持続時間が短かったり、逆に思ったよりも高い効果が出たりと言ったことが起こり得ます。

編集部編集部

PRP療法やPFC-FD療法はどんな人でも受けられるのですか?

乗松 祐佐先生乗松先生

基本的にはどんな方でも大丈夫です。特に関節や軟骨、腱の痛みや損傷がある方には適していると言えるでしょう。

編集部編集部

あまり適さない人もいますか?

乗松 祐佐先生乗松先生

膝関節に重度の損傷や進行した骨疾患がある場合、効果は限定的な場合があります。ほかには、何か別の重度な疾患で全身状態が良くない人などは、PRP療法が適さない場合もありますし、すでに人工関節の方やB・C型肝炎などの方にはPFC-FD療法を行うことができません。あとは、注射をしますので何らかの理由で感染しやすい状態(易感染性)だったり、血液が固まりにくいお薬を飲んでいたりする方も注意が必要ですので、当てはまる方は必ず医師に申し出てください。

PFC-FD療法の流れや費用が知りたい 受けるときの注意点も医師が解説

PFC-FD療法の流れや費用が知りたい 受けるときの注意点も医師が解説

編集部編集部

PFC-FD療法の手順はどのように行われますか?

乗松 祐佐先生乗松先生

まず血液を約50ml採取し、厚生労働省認可の細胞加工センターに送られます。ここで血小板を濃縮したり、そこから成長因子を活性化させたりといった加工が行われます。その後、治療を受けるクリニックにて凍結乾燥された「PFC-FD」を生理食塩水で液体に戻したものを患者さんの患部へ注射します。採血から、実際の注射までの期間は約3週間です。もちろん、入院の必要はなく、採血の時と注射の時に来院していただければ大丈夫です。

編集部編集部

費用についても教えてください。

乗松 祐佐先生乗松先生

自費診療となりますのでそれぞれの医療機関によりますが、当院の場合1回約20万円になります。このほかに、初診料や再診料、お薬代などがかかります。

編集部編集部

治療を受ける際の注意点などはありますか?

乗松 祐佐先生乗松先生

繰り返しになりますが、効果がわかりにくい人もいらっしゃるということです。PFC-FD療法は基本的に変形性膝関節症の人の痛みには高い効果が期待できるとされていますが、変形具合によっては症状が良くならない場合もあります。また、わずかではありますが、感染や腫れなどのリスクもありますので注意が必要です。

編集部編集部

最後に、Medical DOC読者へのメッセージがあればお願いします。

乗松 祐佐先生乗松先生

膝の痛みで歩行や生活動作に支障が出ている人や医師から手術をすすめられているけれど手術をためらっている人などに、PFC-FD療法はとてもおすすめです。入院の必要がなく、自分の血液を使用するため安全性も高い治療です。繰り返し受けることが可能なPFC-FD療法は、人生100年時代と言われる現代において、末永く自分の足で歩くためにかなり有益な方法だと思います。まずは、PFC-FD療法を行っている医療機関に相談してみてはいかがでしょうか。

編集部まとめ

人工関節置換の手術をすると数週間の入院が必要になりますし、その後もリハビリをしなければならず、負担も少なくありません。外来で治療を受けることができ、すぐに歩いて帰れるPRP療法やPFC-FD療法は、家事や介護、仕事などで忙しい方の痛みを取るのに最適な治療法かもしれません。

医院情報

のりまつ整形外科・骨粗しょう症クリニック

のりまつ整形外科・骨粗しょう症クリニック
所在地 〒157-0064 東京都世田谷区給田1-3-11 グランスイート世田谷仙川1F
アクセス 京王線「仙川」駅より徒歩10分
京王線「千歳烏山」駅より徒歩15分
診療科目 整形外科、スポーツ整形外科、リハビリテーション科、リウマチ科

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