変形性膝関節症の治療とは?症状・原因なども詳しく解説
関節の痛みは普段の生活にも影響を及ぼす症状です。変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減り、痛みや運動制限などの症状を引き起こす状態を指します。
生活にも影響する症状であるため、さまざまな治療のアプローチがあります。軽度から重度まで、症状の程度によって治療のアプローチが異なるので、症状や原因に応じてしっかりと治療をすることが大切です。
ここでは、変形性膝関節症の症状・原因・治療について説明します。
監修医師:
小林 慎一郎(とだ小林医院)
目次 -INDEX-
変形性膝関節症の治療とは?
最近膝が動かしにくくなったり、膝に体重をかけると痛みが出たりといった違和感をもって不安を感じている方は少なくありません。このような症状は、変形性膝関節症の可能性があります。
変形性膝関節症は、関節軟骨の老化・過体重による負荷・筋力の低下などが原因で起こる膝の痛みです。この痛みは、膝の軟骨がクッションの役割ができずすり減り、炎症を起こすことが原因となっています。
変形性膝関節症で自覚症状のある方は、約1,000万人といわれ、特に50代以降の高齢者では男性患者さんに比べ女性患者さんが多いことがわかっています。では、変形性膝関節症はどのような治療法があるのでしょうか。治療法は、症状や痛みの度合いによっても異なりますが、保存療法・手術療法・PRP療法がその代表的なものです。
保存療法
変形性膝関節症の保存療法は、手術を行わずに膝関節の痛みや機能障害を軽減し、関節の健康を保つ治療法です。保存療法は、軽度から中程度の変形性膝関節症に対して推奨されることがあります。
保存療法にはいくつかの方法があります。運動療法は、適切な運動・筋力トレーニング・リハビリテーションなどを行うことで、膝関節周辺の筋力をあげ関節にかかる負担を減らし症状を緩和させるものです。運動により関節の可動域が広がるメリットもあり、関節の柔軟性が向上します。また、体重管理も他の保存療法と並行して行います。過体重や肥満は膝関節にかかる負担を増やしてしまうので、適切な体重管理が重要です。
物理学療法士によるマッサージ・温湿布・電気療法・超音波療法などの物理療法も効果的です。炎症の軽減や筋肉のリラックスが促進されます。保存療法は、変形性膝関節症の進行を遅らせる効果がありますが、症状の重度な場合や保存療法で効果が出ない場合は、手術療法を検討することになります。
手術療法
変形性膝関節症の手術療法は、膝関節の軟骨の摩耗や痛みを軽減し機能を回復させるために行われる手術のことです。変形性膝関節症が進行してしまい保存療法では効果が出ない場合や、膝関節の障害が重度で、日常生活に支障をきたしている場合に検討されます。よく行われる手術療法の1つが、半月板切除です。
変形性膝関節症によって損傷した半月板を部分的に切除します。関節鏡手術は、膝関節に小さな切開をして内視鏡を挿入し、軟骨の損傷を修復したり摩耗した組織を除去したりする手術です。変形性膝関節症によって脚の軸が変わってしまった場合には、骨を切って脚の軸を修正する手術もあります。
重度の変形性膝関節症によって関節の軟骨がほとんど摩耗してしまった場合に行われるのは、人工の膝関節を置換する手術です。これらの手術は、膝関節の状態や患者さんの症状に応じて適切な治療方法が選択されます。
PRP療法
PRP療法は、血小板の力を活用して行う治療法です。血小板に含まれる成長因子の濃縮液を関節に対して注入することで、本来備わっている治癒力を活用するバイオセラピーです。PRP療法では、ご自身の血小板に含まれる「成長因子」を活用します。
血小板が傷を治す際に放出する成長因子の働きを利用し、わたしたちに本来備わっている治癒力を高めるのです。PRP療法は、変形性膝関節症・足関節症等の変性疾患やアキレス腱炎等の慢性腱炎で活用されていますが、特に、変形性膝関節症においては人工関節手術の前段階の治療として確立されています。
変形性膝関節症の症状は?
変形性膝関節症は、膝の関節軟骨が劣化することで引き起こされる症状で、個人によってさまざまなものがあります。よく起こるものとしては、膝関節の痛みです。膝の内側・前側・後ろ側・両側に痛みを感じます。特に長時間膝に対して負荷をかけた時に痛みが増すことが多いです。関節軟骨が劣化していることから、関節のこわばりがあります。特に朝や膝を動かさずにじっとしていた後に膝を動かしにくくなります。
このような痛みを感じる時には、関節の腫れや炎症による熱があるかもしれません。変形性膝関節症が進行すると、関節の変形が起き、痛みやこわばりのために歩行が困難になることがあります。変形性膝関節症の症状の程度は進行の速度によって異なります。まずは、よく起こる一般的な症状を理解し、早期に気づけるようにしましょう。
膝に水がたまる
変形性膝関節症では、動作の開始時に痛みが生じることがあります。これは、膝関節の関節液の潤滑がうまくいっていないためです。膝関節内の軟骨が劣化しているため、関節の表面が摩擦しやすくなっています。このときに膝を動かそうとすると痛みが生じます。また、関節内で炎症を起こしている場合も起きる症状です。特に関節の使用や負荷が増えたときに炎症が悪化するので、動作の開始時に痛みを感じます。
動作の開始時に痛みがでる
変形性膝関節症では、動作の開始時に痛みが生じることがあります。これは、膝関節の関節液の潤滑がうまくいっていないためです。膝関節内の軟骨が劣化しているため、関節の表面が摩擦しやすくなっています。
このときに膝を動かそうとすると痛みが生じます。また、関節内で炎症を起こしている場合も起きる症状です。特に関節の使用や負荷が増えたときに炎症が悪化するので、動作の開始時に痛みを感じます。
階段の上り下りが大変になる
変形性膝関節症では、膝の関節面を保護し、スムーズな動きを促進する役割を果す軟骨が劣化します。そのため、膝の関節面が直接摩擦することが増え、階段の上り下りなどの動作時に痛みを引き起こします
関節内の炎症も原因の1つです。階段のような負荷のかかる動作をする際には、関節により大きな圧力がかかります。これにより、炎症が増し痛みが強まります。
変形性膝関節症の原因は?
変形性膝関節症は、膝の関節軟骨が徐々に劣化する慢性的な症状です。では、その原因はどこにあるのでしょうか。実際には、1つの原因によるものではなく、多くは複数の要因が組み合わさることで発症します。その1つは加齢です。年齢を重ねるにつれて、膝に限らず身体の組織・細胞・筋肉が徐々に劣化します。膝の関節軟骨やその周りの筋肉も例外ではありません。また、遺伝的要因もあるといわれています。
家族歴に変形性膝関節症を持つ場合は、疾患を発症する可能性が高いでしょう。関節の使いすぎが長期間続くことも原因の1つです。長期間にわたって重い負荷をかける運動・職業上の活動・スポーツによって関節に過度な負担をかけるといったことが関節軟骨の摩耗に繋がります。このようにさまざまな要因が考えられますが、それらが相互に影響し合うことで、変形性膝関節症が発症するのです。
関節軟骨の老化によるもの
関節軟骨は、関節の骨同士が摩擦なく滑るように保護し、クッションのような役割を果たしている場所です。しかし、加齢により体内の細胞が老化していくため、関節軟骨も少しずつ劣化します。そうなると軟骨のボリュームが減り弾力性が失われていくのです。また、普段の生活の中で私たちは思った以上に膝関節を使っています。長期間にわたり関節を繰り返し使った結果、関節軟骨に負担がかかり摩耗が進むのです。
肥満や筋力低下によるもの
肥満や筋力低下は変形性膝関節症のリスクを増加させる要因の1つです。体重が増加すると膝への負担が増えます。膝は体重を支える主要な関節の1つですので、過剰な体重によって膝の関節軟骨への圧力が高まります。その結果、変形性膝関節症の発症につながるのです。また、筋力低下も原因の1つです。筋肉は関節をサポートする重要な役割を果たしますが、筋力の低下により膝の安定性が損なわれ、膝にかかる負担が増える可能性があります。
変形性膝関節症にならないための予防法
変形性膝関節症の予防には健康的な体重維持が必須です。肥満は膝関節に過度の負担をかけるため、適正な体重を維持することが重要です。バランスの取れた食事と適度な運動を行うことで健康的な体重を維持しましょう。
適度な運動は、膝の周りの筋肉強化にも有効です。水泳・サイクリング・ウォーキングといった膝に強度の負担がかからない運動や筋力トレーニングを行うことで、膝関節周辺の筋肉を強化し、膝への負担を軽減できます。とはいえ、急激な運動や無理に負荷をかけることは、逆に膝関節に悪影響を及ぼす可能性があります。関節や周囲の筋肉の柔軟性を保つために、定期的なストレッチやヨガなどの柔軟性を高める運動を取り入れるとよいでしょう。
筋力を鍛えたり減量をする
変形性膝関節症予防のために筋力を鍛えることと体重を減らすことは非常に効果的です。膝の周りの筋肉を強化することで、膝関節にかかる負担を軽減できます。
特に注目したいのは、太ももの前後の筋肉やふくらはぎの筋肉です。これらを鍛えることで、膝関節の安定性を高められます。また、肥満は膝関節にかかる負担を増加させますので、減量は変形性膝関節症のリスク低減に必須です。健康的な体重維持を目指すことは、膝関節の健康にとって重要です。
正座を避け膝を冷やさない
変形性膝関節症の予防に、正座を避けることや膝を冷やさないことも一定の効果があります。長時間の正座は膝関節に過度の負担をかけます。特に、脚をくるぶしより上に折り曲げて正座すると、膝に大きな圧力をかけるのでよくありません。
正座をする際には、クッションを敷いたり、定期的に姿勢を変えたりすることで負担を軽減できます。また、寒冷な環境や冷たい物に直接触れることによって、膝関節の血流が悪くなるため、筋肉や関節の硬直が起こりやすくなります。適切な防寒対策を行い、膝を冷やさないようにしましょう。
変形性膝関節症の治療ならとだ小林医院へ相談を
変形性膝関節症の治療を受ける際に、適切な医療機関を選ぶことは重要です。
治療を行う医師やスタッフが、専門的な資格を持ち、経験豊富であることは、長期にわたる治療において安心感があります。
そのため、膝関節症に特化した専門家・整形外科医・リハビリテーション専門家がいる病院を選ぶことが望ましいです。
とだ小林医院は、整形外科・内科・呼吸器内科・リハビリテーション科をもち、日本整形外科学会専門の医師・日本呼吸器学会呼吸器専門の医師のいる病院です。
創立50年以上の歴史があり、安心して治療の相談ができます。膝に痛みを感じたり、違和感を覚えたりしたらまずはとだ小林医院で相談してみましょう。
地域の皆様がハッピーになる医療を心掛けている
創立50年以上の歴史を持つとだ小林医院は、長い年月をかけて地域医療に貢献してきました。
地域の方々が痛みに耐える日々を送るのではなく、楽しく快適に過ごすための医療を、地域に根づいて提供することがとだ小林医院が心掛けている医療です。
質の高いリハビリテーションを提供している
とだ小林医院には、リハビリテーション科があります。
ここでは11名の理学療法士が医師の指示のもと、外来・訪問でのリハビリテーションを提供しているのが特徴です。
地元に根づいたリハビリテーションは、身体の不調や痛みを感じたらすぐに相談に行ける手軽さと安心感があります。
1997年以来、質の良いリハビリテーションを提供し続ける頼れる病院です。
PRP療法が受けられる
とだ小林医院は、新しい医療であっても安心して受診できる環境とスタッフを揃えています。
変形性膝関節症に有効なPRP療法もその1つです。
他の治療法では満足できない方・階段の上り下りで膝に負担がかかる方・スポーツで関節を痛めた方・手術に抵抗感がある方などは、PRP療法を検討の視野に入れてみてはいかがでしょうか。
手術を行わない注射による治療法なので、高齢者であっても受けることが可能です。
PRP療法をご希望の方はとだ小林医院に相談ください。とだ小林医院副院長の小林先生が外来でPRP療法の説明も丁寧に行います。
※PRP療法は保険適応外です。
おおよその費用は、1回めが165,000円(税込)、2回めが198,0000円(税込)です。
とだ小林クリニックの基本情報
アクセス・住所・診療時間
喜沢1丁目バス停 徒歩2分
JR京浜東北線 西川口駅 徒歩13分
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
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9:00~12:00 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ー | ー |
15:00~18:00 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ※ | ー |
※土曜の午後はリハビリ予約のみ