目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 医科TOP
  3. コラム(医科)
  4. 豆乳のカロリーは高い? 牛乳と比較して栄養素は? 管理栄養士が解説

豆乳のカロリーは高い? 牛乳と比較して栄養素は? 管理栄養士が解説

 公開日:2023/09/26
豆乳のカロリーは高い? 牛乳と比較して栄養素は? 管理栄養士が解説

豆乳のカロリーや栄養素について疑問を持っていませんか? 豆乳はタンパク質やイソフラボンなどが豊富で栄養価が高く、正しい飲み方を知ればダイエットや健康づくりに活用できます。しかし、調整・無調整など種類が豊富な豆乳は、1日の摂取目安や太りにくい選び方が分かりづらいですよね。今回は、豆乳のカロリーや糖質を牛乳と比較しながら、管理栄養士の丹羽さんに解説していただきました。

丹羽 琴美

監修管理栄養士
丹羽 琴美(管理栄養士)

プロフィールをもっと見る
名古屋学芸大学管理栄養学部卒業。大学卒業後、愛知県内の老人ホームに管理栄養士として就職。献立作成・栄養管理・調理などを担当。その後、食の楽しさや、正しい知識を発信したいとの想いから、フリーランスの管理栄養士・ライターに。「有益な情報を読みやすく発信」をモットーに、記事の執筆や編集、レシピ作成などを手がけている。

豆乳のカロリー・糖質はどのくらい? 牛乳と栄養素を比較してみる

豆乳のカロリー・糖質はどのくらい? 牛乳と栄養素を比較してみる

編集部編集部

豆乳を毎日飲む人もいますが、カロリーはどのくらいでしょうか?

丹羽 琴美さん丹羽さん

豆乳200mlのカロリーは、無調整豆乳で90kcal、調整豆乳で129kcalほどが目安です。比較として、牛乳は200mlですと大体126kcalですね。200mlは、約コップ1杯、なおかつ小さい紙パック1個分です。比べてみると、無調整豆乳のカロリーが低く、調整豆乳と牛乳はほぼ同じといえます。また、ダイエット中はカロリーだけでなく糖質にも気を配るのが大切です。

編集部編集部

豆乳の糖質は、牛乳と比較してどちらが高いのでしょうか?

丹羽 琴美さん丹羽さん

200ml中の糖質を比較すると、無調整豆乳で5.9g、調整豆乳で9.2g、牛乳で9.8gです。糖質もカロリーと同様、無調整豆乳が1番少なく、調整豆乳と牛乳は同じくらいです。

編集部編集部

ほかに豆乳と牛乳を比較して違いはありますか?

丹羽 琴美さん丹羽さん

まずはタンパク質の種類が違います。牛乳の動物性タンパク質に対して、豆乳は大豆から作られているため、植物性タンパク質です。植物性タンパク質は、体内で合成できない貴重な必須アミノ酸からできています。そのため、体内で効率よく使われるのが特徴です。さらに豆乳は、美容に役立つイソフラボンを多く含みます。逆に牛乳は、不足しがちな栄養素であるカルシウムが多く、骨の形成に役立つのが魅力です。

※参照:公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/tanpaku-amino.html

豆乳の1日摂取目安量は? 飲み過ぎると太ることもある?

豆乳の1日摂取目安量は? 飲み過ぎると太ることもある?

編集部編集部

豆乳を飲みすぎて太ることはありますか?

丹羽 琴美さん丹羽さん

豆乳はカロリーが特別低いわけでもないため、飲みすぎると太る場合もあります。食事や間食とバランスを取りながら、1日の摂取目安量を守るのが大切です。

編集部編集部

豆乳の1日の摂取目安量はどのくらいですか?

丹羽 琴美さん丹羽さん

明確な目安は定義されていませんが、200ml程度がおすすめです。200mlは、小さなパック1本分で、コップ約1杯分。理由は、大豆イソフラボンの1日摂取目安量は70~75gまでと定められているためです。豆乳には100g中平均25g程度の大豆イソフラボンが含まれており、200mlであれば大豆イソフラボンの目安内におさまります。また、ダイエット中でカロリーが気になる人は無調整豆乳がおすすめです。

※参照:農林水産省「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」
https://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_daizu_qa/

編集部編集部

無調整豆乳と調整豆乳を比較したときの違いはなんですか?

丹羽 琴美さん丹羽さん

無調整豆乳と調整豆乳の大きな違いは、カロリーや糖質、味です。カロリーと糖質は無調整豆乳の方が低く、ダイエットをしている人におすすめです。味は、調整豆乳のほうが飲みやすく、子どもから大人まで楽しめます。調整豆乳は、無調整豆乳に植物油脂や調味料を加えて、飲みやすく加工されている商品です。そのためカロリーや糖質、味に違いが生まれます。ダイエット中で、無調整豆乳の味が苦手な人はカロリーオフの調整豆乳も おすすめです。

豆乳を飲む際の注意点まとめ 過剰摂取の危険を管理栄養士が解説

豆乳を飲む際の注意点まとめ 過剰摂取の危険を管理栄養士が解説

編集部編集部

豆乳を飲みすぎると、なにか体に悪い影響はありますか?

丹羽 琴美さん丹羽さん

豆乳を飲み過ぎると、大豆イソフラボンが体内で作用し、ホルモンのバランスが崩れる可能性があります。また、大豆イソフラボンの摂りすぎは、乳がんのリスクを高めることもあります。しかし、現時点では、豆乳や豆腐など昔から親しまれている食品の大豆イソフラボンが、体に悪い影響を与えるかは分かっていません。あくまでもひとつの可能性として、頭に入れておくのがおすすめです。

編集部編集部

大豆イソフラボンの働きによるホルモンの乱れを起こさないための注意点があれば教えてください。

丹羽 琴美さん丹羽さん

豆乳を含む大豆製品を摂取するときは、イソフラボンのサプリメントや特定保健用食品との食べ合わせに気をつけるのが大切です。サプリメントや特定保健用食品は、普通の食品と違ってイソフラボンが簡単に取れるため、過剰摂取の危険が高いのが特徴です。イソフラボンを多く含む製品の偏った摂取には気を付けましょう。しかし、豆乳は正しく飲めば、豊富な栄養素によるメリットがたくさんあります。

編集部編集部

豆乳を正しく飲むとどのようなメリットがあるのですか?

丹羽 琴美さん丹羽さん

豆乳は、肌の健康を保ったり、女性の更年期障害の症状を緩和させたりする働きがあります。豆乳に含まれる大豆イソフラボンが、女性ホルモンと似た働きをするためです。また、豆乳に多く含まれる大豆タンパク質は、コレステロール値を低下させる効果があります。手軽に飲めて栄養価の高い豆乳は、幅広い世代の健康維持におすすめです。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

丹羽 琴美さん丹羽さん

豆乳のカロリーや糖質は、無調整豆乳か調整豆乳かによって違い、 自分の目的や好みで飲み分けるのがおすすめです。また、ダイエット中に豆乳を飲むときのポイントは、200ml程度に抑えることを意識し、飲みすぎないことです。味が苦手でなければ、無調整豆乳が比較的低カロリーでダイエット向きですよ。

編集部まとめ

調整豆乳のカロリーは牛乳と同じくらいで、無調整豆乳のカロリーは比較的低めだと分かりました。また、糖質に関しても同じです。豆乳を飲み過ぎると、太る原因になったり、体の不調を引き起こしたりする可能性があります。しかし、昔から日本人に馴染み深い豆乳は、飲みすぎによる体への害が完全に証明されているわけではありません。極端に身構えず、大豆タンパク質やイソフラボンなどの栄養価を、健康に役立てていきましょう。

この記事の監修管理栄養士