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バナナの栄養成分を管理栄養士が解説! 毎日食べても太らないのか?

 更新日:2023/03/27
バナナの栄養成分を管理栄養士が解説! 毎日食べても太らないのか?

バナナは東南アジアの熱帯地域を原産地とするフルーツで、体に良い多くの栄養素を含んでいます。手軽に食べられるフルーツとしても人気ですが、甘味も強いため毎日食べても太らないか心配している人も多いようです。今回はバナナの栄養や健康効果について、管理栄養士の佐野さんに解説していただきました。

佐野 未来

監修管理栄養士
佐野 未来(管理栄養士)

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鎌倉女子大学家政学部家政学科管理栄養士専攻(現・管理栄養学科)卒業。大学卒業後、日清医療食品株式会社に入社。その後、2007年から東京都内の大学病院に入職。個人栄養相談、集団栄養指導、入院患者の栄養管理業務に従事。現在はフリーランスのウェブライターとして、栄養や健康に関する情報を正確かつ分かりやすく伝えることをモットーとしている。

バナナは適量なら毎日食べても大丈夫

バナナは適量なら毎日食べても大丈夫

編集部編集部

バナナの適量とは、どのくらいの量ですか?

佐野 未来さん佐野さん

農林水産省では、果物を可食部(皮などを除いた食べられる部分)で毎日200g以上摂ることを推奨しています。バナナの場合、果実1本の可食部が100g程度なので、1日に2本までなら食べても大丈夫です。ただし、バナナ以外のフルーツも食べたいなら1本にします。

参考:農林水産省「FACT BOOK 果物と健康 六訂版」

編集部編集部

食べ過ぎると、どんなリスクがありますか?

佐野 未来さん佐野さん

バナナのカロリーは、可食部100g当たり93kcalです。ほかのフルーツは100g当たり50kcal程度のものが多いため、比較的カロリーが多いことが分かります。食べ過ぎればカロリーオーバーになり、場合によっては糖尿病や中性脂肪の値が上がったり、肥満になったりする可能性もあります。

編集部編集部

持病があっても、毎日食べて大丈夫ですか?

佐野 未来さん佐野さん

糖尿病や肥満など、1日の摂取カロリーや栄養組成が決められている場合には、その範囲内なら食べても大丈夫です。ただし、腎臓病がある方や透析治療を行っている方、高カリウム血症を指摘されたことがある方は、かかりつけの医師や管理栄養士に相談してください。

編集部編集部

ダイエット中でも食べていいですか?

佐野 未来さん佐野さん

現在の体重や減量目標にもよりますが、1日1本程度なら問題ありません。バナナに含まれる果糖は効率の良いエネルギー源としても利用できるため、運動前の栄養補給としてもおすすめです。また、ダイエット中の食事制限で乱れた腸内環境の改善にも役立ちます。ただ、果実がやわらかく噛まずに飲み込んでしまうことも多いので、よく噛んで時間をかけて食べるようにしましょう。

バナナの栄養効果とは

バナナの栄養効果とは

編集部編集部

バナナにはどんな栄養がありますか?

佐野 未来さん佐野さん

多くの栄養素を含んでいますが、特にカリウムやビタミンB6が豊富です。カリウムには余計な塩分を体外に排出する働きがあり、ビタミンB6はエネルギー代謝に必要な補酵素の材料になる働きがあります。また、妊活期から妊娠初期に特に必要量が増す葉酸も含まれています。そのほかにも、抗酸化作用を持つポリフェノール類や、ビタミンC・Eといった栄養素も含まれているため、バナナは日々の健康などに効果が期待できる食材といえます。

編集部編集部

バナナを食べることで、どんな健康効果が期待できますか?

佐野 未来さん佐野さん

バナナに含まれるアミラーゼという酵素は、食物の炭水化物を消化吸収しやすい形に分解する働きを持っているため、胃腸の機能をサポートすることが可能です。また、バナナには免疫機能を司る白血球を活性化させる効果が期待できるとされています。さらに、メンタルケアに重要なホルモン・セロトニンの材料になるトリプトファンも含んでいるため、ストレスフルな方の間食としてもおすすめです。

編集部編集部

バナナには食物繊維も豊富と聞いたことがあります。

佐野 未来さん佐野さん

バナナの100gあたりの食物繊維量は1.1gです。これは中玉のレタス1/3個分の量に相当します。食物繊維には、便通を良くする効果などがある不溶性食物繊維と、血糖やコレステロールの吸収を緩やかにする水溶性食物繊維の2種類があります。バナナに特に多いのは不溶性食物繊維で、便秘気味の方に適しています。

参考:文部科学省「食品成分データベース」

バナナを上手に取り入れる方法

バナナを上手に取り入れる方法

編集部編集部

バナナは、どのタイミングで食べたらいいですか?

佐野 未来さん佐野さん

バナナは朝食に取り入れるのがベストです。さまざまな栄養を豊富に含んでいること、手で皮をむいてすぐに食べられることが理由に挙げられます。朝食を抜きがちな人にも簡単に取り入れられ、忙しい朝の強い味方ともいえる食材です。逆に夕方以降は活動量が低下する時間帯なので、バナナのように比較的糖質が多い食品は避けましょう。

編集部編集部

おすすめの食べ方はありますか?

佐野 未来さん佐野さん

ヨーグルトやグラノーラに混ぜたり、スムージーの材料として使ったりするのがおすすめです。バナナそのものが強い甘味を持つため、合わせる食材はできるだけ無糖のものを選ぶといいでしょう。フライパンやオーブンで焼いて食べることもできますが、加熱すると果実の中に含まれる酵素の活性が落ちるため、できるだけ生のままで食べることをおすすめします。

編集部編集部

美味しいバナナの選び方のコツは何ですか?

佐野 未来さん佐野さん

バナナを購入する際には、房全体が黄色く色づき、果実部分が丸みをおびてふっくらとしているものを選びましょう。へこみや傷があると一気に傷んでくるので、できるだけきれいなものを探します。黒い斑点(シュガースポット)が出ているものは、購入当日〜翌日で食べきれる時に選ぶといいでしょう。

編集部編集部

バナナを長持ちさせる保存方法はありますか?

佐野 未来さん佐野さん

おすすめは、1本ずつに分けた後で柄や皮全体にラップを巻き、冷蔵庫の野菜室に入れておく方法です。野菜室はおおむね5〜10℃以内で保持されており、保存に最適な温度帯になっています。さらにラップで果実全体を覆って外気と遮断することで、エチレンガスによる追熟を防ぐことができます。この方法なら、おおむね1〜2週間程度は保存可能です。

編集部まとめ

バナナには食物繊維やカリウム、ビタミンやポリフェノール類など、様々な栄養素が含まれています。時間がない朝やダイエット中の栄養補給にも活用でき、免疫力アップや便秘解消といった健康に嬉しい効果も期待できます。しかし、比較的カロリーが高いフルーツなので、1日1〜2本の適量を守ることを意識することが大切です。食べ過ぎに注意しながら、毎日の食卓に栄養豊富なバナナを取り入れてみましょう。

この記事の監修管理栄養士