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ポリフェノールの健康効果を管理栄養士が解説 注意点や摂取量目安は?

 更新日:2023/04/10
ポリフェノールの健康効果を管理栄養士が解説 注意点や摂取量目安は?

ポリフェノールには、様々な健康効果があるということは皆さんもご存知ではないでしょうか。野菜や果物、お茶など幅広い食品に含まれていて、体の内側から健康を支えています。ポリフェノールには様々な種類がありますが、それぞれの特徴があるのでしょうか。そこで今回は、ポリフェノールが多く含まれている食品や摂取量の目安について、管理栄養士の鈴木さんにお話を伺いました。

鈴木 ともみ

監修管理栄養士
鈴木 ともみ(管理栄養士)

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栄養士養成短期大学を卒業後、病院や特別養護施設などで栄養管理に従事。現在は、特定保健指導や栄養相談に携わっている。

ポリフェノールはどんな種類・効果があるのか

ポリフェノールはどんな種類・効果があるのか

編集部編集部

そもそもポリフェノールとは、どのような成分なのですか?

鈴木 ともみさん鈴木さん

ポリフェノールは、植物由来の抗酸化物質で、自然界に5000種類以上あると言われています。カテキンやイソフラボンなどもポリフェノールの一種ですね。ポリフェノールは、活性酸素などの有害物質を無害な物質に変える作用があり、動脈硬化など生活習慣病の予防に役立ちます。

編集部編集部

効果はどのような違いがあるのでしょうか?

鈴木 ともみさん鈴木さん

ポリフェノールは紫外線を吸収して防ぐ役割と、紫外線によって発生する活性酸素を抑える役割があります。ビタミンCやビタミンEと同じように強い抗酸化作用を持っていて、種類によって期待できる効果が異なります。

編集部編集部

日本人はどんな食品からポリフェノールを摂取しているのですか?

鈴木 ともみさん鈴木さん

日本人のポリフェノール摂取量の実態はよくわかっていないのですが、緑茶やコーヒーなどの飲み物からの摂取が多いと思われます。

ポリフェノールが多く含まれている食品を紹介 おすすめの摂取方法を併せて解説

ポリフェノールが多く含まれている食品を紹介 おすすめの摂取方法を併せて解説

編集部編集部

ポリフェノールはどんな食品に多く含まれているのですか? 種類別に教えてください。

鈴木 ともみさん鈴木さん

赤ワインやブルーベリー、コーヒー、緑茶、紅茶、チョコレートなどが挙げられますね。赤ワインやブルーベリーには「アントシアニン」、コーヒーには「クロロゲン酸」、緑茶には「エピガロカテキンガレート(EGCG)」、紅茶には「テアフラビン」、チョコレートには「カカオポリフェノール」という種類のポリフェノールが多く含まれています。

編集部編集部

それぞれのポリフェノールの特徴を教えてください。まずは赤ワインやブルーベリーに多く含まれている「アントシアニン」からお願いします。

鈴木 ともみさん鈴木さん

赤ワインやブルーベリーに含まれている「アントシアニン」は、動脈硬化や老化予防、視力回復や炎症を抑える作用が期待されています。体に良いと聞くとつい飲みすぎてしまいそうになりますが、赤ワインですとグラス2杯弱(200ml)が適正飲酒量となりますので飲みすぎないように気をつけましょう。

編集部編集部

コーヒーに含まれている「クロロゲン酸」にはどんな特徴があるのでしょう?

鈴木 ともみさん鈴木さん

コーヒーに含まれている「クロロゲン酸」は、脂肪肝や糖尿病の予防に効果があると期待されています。コーヒーにはカフェインが含まれているため、飲むと頭が冴え眠気を覚ます効果がありますが、過剰に摂取するとめまいや心拍数の増加、下痢などを起こすことがあります。健康な成人であれば、最大400mg/日(マグカップ3杯程度)までが目安量です。

編集部編集部

「エピガロカテキンガレート(EGCG)」についても教えてください。

鈴木 ともみさん鈴木さん

緑茶に含まれている「エピガロカテキンガレート(EGCG)」は、茶カテキンの一種で、脂肪燃焼や脂肪の吸収抑制などの効果が期待されています。そのほかにも食後の血糖値上昇を穏やかにする機能が報告されています。エピガロカテキンガレートは、82℃から加熱による構造変化が起こるとされていて、低温では抽出されにくいと言われています。しかし、緑茶には100gあたり20mgのカフェインが含まれています。種類によって異なりますが、健康な成人の場合煎茶であれば5杯程度までが目安と言われています。

編集部編集部

紅茶に含まれている「テアフラビン」はいかがでしょうか?

鈴木 ともみさん鈴木さん

紅茶に含まれている「テアフラビン」は抗酸化作用や口腔ケア、抗ウイルス効果があると注目されています。また、コーヒーより含有量は少ないのですが、紅茶にもカフェインが含まれているので摂りすぎには気をつけましょう。1日4杯程度が目安ですね。

ポリフェノールを摂取する時の注意点は? 1日の摂取量はどのくらいがいい?

ポリフェノールを摂取する時の注意点は? 1日の摂取量はどのくらいがいい?

編集部編集部

ポリフェノールの効率的な摂取方法を教えてください。

鈴木 ともみさん鈴木さん

ポリフェノールは、摂取後約2時間で抗酸化作用が高まり、4時間ほどで消えると言われているので、こまめに取り入れると良いでしょう。

編集部編集部

ポリフェノールを摂取する際の注意点はどんなことがありますか?

鈴木 ともみさん鈴木さん

ポリフェノールを摂取しようとしてたくさん飲んだり食べたりすると、ほかに含まれている栄養素を過剰に摂取してしまう可能性があります。また、妊婦さんがポリフェノールを大量に摂取すると、生まれてくる赤ちゃんの心臓に影響が出てくることが報告されています。普段の食事で摂る分には悪い影響を及ぼしませんが、サプリメントなどの摂取は控えましょう。メリットばかりではなくデメリットもあることを知っておくことが必要です。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

鈴木 ともみさん鈴木さん

食品に含まれている成分には様々な生理機能があります。体にとって良い働きをしてくれるものもありますが、その栄養素のみを摂取すれば健康になるというものではありません。日々の食事をしっかり摂って、その上で補うことをおすすめします。

編集部まとめ

ポリフェノールには、強い抗酸化作用があり、食品によってさまざまな有効性があることがわかりました。コーヒーや緑茶などの飲み物にも多く含まれているので、こまめに摂取するのが良さそうです。たくさん摂取すれば良いというものではないので、1日の目安を守り体調に合わせながら取り入れるようにしましょう。

この記事の監修管理栄養士