【闘病】「今日も目が見えててよかった」 ベーチェット病で失明ほのめかされ毎日そう感じていた(2/2ページ)

発病したことにも感謝をしながら現在も闘病を続けている

編集部
治療中の心の支えはなんでしたか?
しりこさん
入院中は病室で闘病小説を書いたり、自分の気持ちを歌にしたりして過ごしました。闘病小説も、鉛筆でノートに書いていました。歌は小型のテープレコーダーに小声で吹き込んでいました。もちろん病棟ですので小さな声で。自分の作品がいつか多くの人々の胸に届けばいいな、という想いで、それがまた心の支えとなっていました。
編集部
もし昔の自分に声をかけられたら、どんな助言をしますか?
しりこさん
「無理したらあかんよ。あせったらあかんよ。ゆっくり生きなさいね」と言ってあげたいです。本気でそう言ってあげたいです。
編集部
現在の体調や生活などの様子について教えてください。
しりこさん
眼症状は落ち着いています。時々、炎症を起こしますが、ステロイドを点眼すれば大丈夫です。しかし、口内炎と関節炎は相変わらず頻繁に出ています。一時期に比べると随分と軽減しました。でも、関節炎の痛みを抑えるために、今でも貼り薬と痛み止めの服用に頼っています。もちろん、通院も続けていますが、頻度は減りました。
編集部
あなたの病気を意識していない人に一言お願いします。
しりこさん
この記事を読んでくださり、ありがとうございます。まずは病名を知っていただくことで病気の認知度が高くなり、そして症状を知っていただくことで難病への理解が深まります。よりよい社会に繋がることを祈念しています。
編集部
医療従事者に望むことはありますか?
しりこさん
いつもありがとうございます。望みよりも感謝しかありません。
編集部
最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。
しりこさん
今50歳(取材時)で人生の半分を闘病生活として過ごしました。目が見えること、耳が聞こえること、自分の足で歩けること、その一つひとつは決して当然のことじゃなく、実は感謝すべきことなのだと、闘病生活の中で知りました。僕にとって闘病は心の成長でもありました。
編集部まとめ
しりこさんは、四半世紀を超える長い闘病生活を経験し、現在も通院を続けています。しかし「皆々様のおかげで、生かされています。これまでも。そして今日も明日も」と感謝の気持ちを持って日々生活しているそうです。テレビやラジオの作家活動をしながら、自身の経験を生かした患者家族会や闘病講演など、積極的に活動されているそうなので、ご活躍を期待しております。
なお、Medical DOCでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。