【闘病】今では全身に転移。希少がん「脱分化型脂肪肉腫」と暮らす大変さ(2/2ページ)

再発と全身転移で入退院の繰り返す日々

編集部
現在の様子はどうですか?
優子さん
初回の治療から2年弱経過観察の時期がありましたが、その間に、仕事を再開できました。仕事を見つけるのも、一苦労でしたね。病気の事、治療が必要なことを面接で伝えると、なかなか採用には至りませんでした。やっと決まったのが、派遣での事務の仕事でしたが、今では正社員になりました。
編集部
就職活動が大変だったのはどういうところに理由があったのでしょうか?
優子さん
おそらく治療で休みが多くなることを理由に落とされたのだと思っています。二人に一人ががんになる時代です。これからは、働きながら治療ができる社会になってほしいです。
編集部
再発があったと聞きましたが、詳しく教えてもらえますか?
優子さん
2019年から右脇の下の皮膚に再発しました。摘出術を受け、働きながら治療を行っていました。職場にも理解を得られ、仕事と通院、時には放射線治療のための入退院を繰り返しながら治療継続中です。仕事を抜けることがよくあるのですが、治療に協力的な会社に勤務できています。
編集部
その後再発は続いているのですか?
優子さん
今では脳や心臓など、全身に転移しています。摘出術も何度も受けており、全身に10個の創部があります。筋移植もしました。今は入院して心臓の腫瘍に放射線治療を受けています。
編集部
これまでの治療中の心の支えはなんですか?
優子さん
両親や当時飼っていた犬に癒されました。私より医療知識のあるナースや医師からのアドバイスにも感謝しています。今は夫や友人も私の話を聞いてくれてありがたいです。
編集部
あなたの病気を意識していない人に言いたいことはありますか。
優子さん
希少がんといわれる聞きなれない病気があることを知ってほしいです。肉腫といっても多種多様で、治療も経過もそれぞれ違っています。診断までに病院を転々とせねばならず、病名の確定までに時間も要し、専門医にたどりつくまでにも時間がかかる。そういう現実があります。治療を開始しても、ほかの病気と比べて使用できる薬剤が限られている中で、病気と闘っている人がいることを知ってほしいです。
編集部
医療従事者に望むことはありますか?
優子さん
治療していただいている方々の尽力にはとても感謝しています。脱分化型脂肪肉腫の病名を知らない医療従事者もいるようでしたので、もっと沢山の医療従事者にこの病気を知ってほしいですね。また、協力病院や地域クリニックなどのかかりつけ医との連携を強化してもらい、患者が仕事を休まずにできる治療を受けられる環境が作られることを期待しています。
編集部
最後に読者に向けてのメッセージをお願いします。
優子さん
私のような治療をしている人が、意外と少なくないことを知ってほしいです。再発を繰り返す病気なので、私は一生治療を続けていかなければなりません。働き方改革と言われていますが、病気持ちの人には、まだまだ働きにくい環境であると言わざるを得ません。就職の壁はとても高いです。また、医療従事者の横の繋がりを強くして、情報交換が密になれば良いと感じました。
編集部まとめ
取材時、優子さんは放射線治療で入院されていました。理解のある職場環境の様で、仕事の事は心配せずに治療を受けていました。病気を持ちながら仕事ができない事への不安、仕事を探さないといけない苦労がありました。就職しても仕事を抜けなければならないストレスもあります。継続して治療をしていかないといけないすべての闘病者さんの職場環境が良くなる事を願います。