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【闘病】医師にも「気のせい」扱いされ続けた「エーラス・ダンロス症候群」(EDS)(2/2ページ)

 更新日:2025/02/03
【闘病】医師にも「気のせい」扱いされ続けた「エーラス・ダンロス症候群」(EDS)

看護師として定年退職するのが目標

看護師として定年退職するのが目標

編集部編集部

今までを振り返ってみて、後悔していることなどありますか?

梅田さん梅田さん

「EDSに理解のある先生に、もっと早く出会えていれば……」とは思います。しかし、原因が遺伝とも言われているので、10~20代でEDSと診断されていたら結婚や出産について悩んだでしょうし、子どもを持つことを諦めていたかもしれませんので、後悔しようがなかった気もします。

編集部編集部

現在の体調や生活はどうですか?

梅田さん梅田さん

重症心身障害のある息子の介護もあり、無理して動くこともあります。さすがにしんどくなってきていますが、定年退職まで勤務は継続することを目標に、日々頑張っています。休日は、頭痛などがひどければ、一日中部屋で寝込んでいることもありますが、そこまで体調が悪くなければ、買い物を兼ねてウォーキングに出かけています。2021年の秋頃から、痛くてペットボトルが開けられない、仕事の後は疲れ切ってしまい、宅食の夕飯を摂るのがやっとという状態が続いています。一度座ってしまったら2階の寝室まで上がるのが難しいので、階段昇降機の設置を考えているところです。

編集部編集部

医療機関や医療従事者に望むことはありますか?

梅田さん梅田さん

いろいろ症状があり不定愁訴のように思えるかもしれませんが、まずは訴えを素直に聞いてほしいです。症状を訴えても、気のせいにされて対応していただけないのは辛かったですね。私自身、診断がつくまで30数年かかり、その間に精神神経科を紹介されたことがありました。診察時にも、症状の全てを話すと引かれると思い、実際に困っていることの一部しか話していません。医療従事者には少しでもいいので、EDSのことを知っていただきたいです。

編集部編集部

最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。

梅田さん梅田さん

EDSを疑われている皆さんは、決してあきらめなければ、いい方向に向かうと思います。この病気は「この人は噓を言っているんじゃないか」と思われるのもしょうがないぐらいにさまざまな症状がありますが、本当にしんどいのです。実際にEDSをご存知ない方からは、疑われ、否定されることが多いですが、まずは素直な気持ちで耳を傾けていただけると幸いです。

編集部まとめ

辛くて症状を訴えているのに、「嘘を言っているんじゃないか」と思われるのは本当に辛いと思います。病気で大変な思いをしている方が、それ以上の心理的負担を抱えることのないように、社会も、医療現場も、まだまだ出来ることがありますね。

この記事の監修医師

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