1. Medical DOCTOP
  2. 医科TOP
  3. コラム(医科)
  4. 【乳がん闘病】育児追われ「疑い」をスルーした結果「ステージ3A」に

【乳がん闘病】育児追われ「疑い」をスルーした結果「ステージ3A」に(2/2ページ)

 更新日:2025/02/21
【乳がん闘病】育児で「疑い」をスルーしてしまい、結果「ステージ3A」に

すべてベスト!

すべてベスト!

編集部編集部

病気の前後で変化したことを教えてください。

髙橋 絵麻さん髙橋さん

「やりたいことはやろう」と、後回しにすることがなくなりました。乳がん直後の3年間は、振り返ってもすごいスピードで物事をすすめていたように思いますが、色々な活動が形になり、今は少し落ち着いた感じがあります。告知から丸7年を迎えた今は、あたりまえの生活をしっかりと味わえることが一番の幸せです。まだまだ転移の不安もありますが、毎日の幸せを積み重ねて、いつか来るだろう死を迎える瞬間に、「幸せだった」と言える人生にしていきたいなと思います。

編集部編集部

今までを振り返ってみて、後悔していることなどありますか?

髙橋 絵麻さん髙橋さん

すべて物事はベストなタイミングで起こると考えています。確かに、早期発見ができていたらステージも軽くて済んだかもしれませんが、妊娠期の半ばでがんがわかっていたら、妊娠を継続していなかったかもしれませんし、もし臨月で告知を受けていたら、次女が誕生した喜びも不安で半減していたかもしれません。そして、産後3か月での告知だからこそ、次女におっぱいをあげられたのかなとも思います。ステージは高かったですが、やはりベストのタイミングで告知を受けられたと思っています。

編集部編集部

現在の体調や生活はどうですか?

髙橋 絵麻さん髙橋さん

おかげさまで毎日ヨガレッスンをしながら、元気に過ごしています。ホルモン療法の副作用もなくはないですが、身体を動かしたり、自分なりにケアをしたりしているので、普通の方よりも元気だと思います。

編集部編集部

医療機関や医療従事者に望むことはありますか?

髙橋 絵麻さん髙橋さん

私が受診していた医療機関の方は、皆さん優しい方ばかりで、ラッキーだったと思います。通院や入院はかなりつらい時もありましたが、お気に入りの香りをまとうようにしたり、周りに心地のいいものを置くようにしたり、色々と工夫もしていました。不安を抱える毎日は、些細なことが気になったり、イライラしやすくなったりするので、待ち時間が長かったり、説明が足りなかったりするだけで、医療従事者の方への不満も感じてしまうかもしれませんが、そんな時こそ自分をまず落ち着かせてあげることが大切だと思います。

編集部編集部

自分で自分を安心させてあげる、ということですね。

髙橋 絵麻さん髙橋さん

そして、病気やからだについて、自分のことだからこそ学ぶことも大切です。不安に感じたことは紙に書くなど整理したり、治療の疑問なども主治医の先生に聞いてみたりするなど、信頼できるようにコミュニケーションをとることが、治療のモチベーションをあげることにも繋がっていきます。長い治療期間をどう穏やかに過ごしていくか、色々と試しながら、これからもすすんでいけたらと思います。

編集部編集部

最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。

髙橋 絵麻さん髙橋さん

現在、治療中の方は、不安な毎日を過ごされてるかもしれませんが、仲間はたくさんいます。今はオンラインで繋がることができる場がたくさん増えました。InstagramやFacebookなどSNSでも、治療中の発信をされる方もたくさんいます。不安になったら、ぜひ自分のロールモデルとなるような方を見つけてみてください。きっと希望の光が得られると思います。そして、罹患していない方も、まずは自分のおっぱいに、からだに、興味を持ってみてください。からだは常にサインを出しています。触れることでそのサインに気付きやすくなります。自分のためにも、大切な方のためにも、まずはお風呂で手洗いするなど、触る習慣をつけてみてくださいね。

編集部まとめ

最初は精神的に落ちていた髙橋さんが、大変な経験の後に「すべてはベスト」と笑うことができるようになれたことは何よりです。記事監修医師から乳房再建について以下のアドバイスをもらいました。「乳房再建は、さまざまな要素を加味した上で総合的に問題がないかどうかを検討しています。現在、術前化学療法を行なったことだけを理由に、乳房再建が行えない、というわけではありません。また、乳房再建は乳がんの手術と同時に行うこともありますが、治療がひと段落してから乳房再建を行うこともできます。乳房再建も方法や時期についてもいくつかの選択肢がありますので、これらも踏まえて、担当医と相談してもらうといいと思います」。ぜひ参考にしてみてください。

この記事の監修医師

S