【闘病】「ただの口内炎」は、まさかの『舌がん』だった…(2/2ページ)

身体に異変を感じたら、すぐに病院へ

編集部
舌がんを意識していない人に一言お願いします。
高橋さん
舌がんに限った話ではありませんが、体調で不安なことがあったらすぐ病院へ行きましょう。舌がんは特に口内炎ができやすい人や喫煙者は気にかけておくと良いと思います。あと、舌関係だったら口腔外科や耳鼻咽喉科を受診しましょう。
編集部
医療従事者に望むことはありますか?
高橋さん
私は1回目のがん発覚時に、2度の手術を経験しました。仕方ないことだとは思いますが「なぜ1度で取り切れなかったのか」と思っていました。あとになって、むやみに広範囲の細胞を取ることのリスクを知ったため「手術前にもう少し丁寧に説明していただきたかったなあ」と思う部分があります。ただ、迅速に手術日程を組んでくださったり、術後・入院中はほぼ毎日診察してくださったりしたので、とてもありがたかったです。
編集部
がんになって学んだことや、知っておいたほうが良いことなどあれば教えてください。
高橋さん
舌がん自体に大きな不安感はほとんどなかったのですが、周りの対応で、ひとつだけ心苦しかったことがあります。それは家族や周りの人が心配しすぎること。笑っていても「強がってる」とか「私たちに心配かけさせないようにしている」と思われてしまうのが、逆に辛かったです。家族や友だちが病気を患ってしまったとき、励ましや同情より話を聞いてあげてほしいし、気持ちに共感してあげてほしい、と思います。
編集部
最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。
高橋さん
がんと診断されたら不安になる方もいるかと思います。ただ、不安に思っていても病気は良くならないので、ひとしきり落ち込んだら、あとはお医者さんに任せましょう。私はがんを患うことで失ったものもありますが、それ以上にたくさんの人に出会うことができたり、人の優しさに触れたり、いろいろなことにチャレンジできたりしました。舌がんになったことで得られるものもたくさんありました。当然病気にはならないほうがよいですが、なったからといって不幸というわけではありません。もし病気になってしまっても、失ったものばかり数えず「その分たくさん素敵なことに出会える」ということを心に留めておいてもらえれば、と思います。
編集部まとめ
舌がんと診断された高橋さんですが、ステージⅠ~Ⅱのときに早期発見できたことで、最悪の事態をまぬがれました。身体に異変を感じても「そのうち治るだろう」と放置してしまい、重症化してから病気だと発覚する、というケースが後を絶ちません。「体調で不安なことがあったらすぐ病院へ行きましょう」という高橋さんの言葉が、より多くの方に届くよう、願うばかりです。







