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子どもの野菜嫌いを直すことはできる? 具体的な方法を教えて!

 更新日:2023/03/27

「子どもが野菜を食べてくれない」と悩んでいる親御さんは多いのではないでしょうか。野菜を食べてくれないと、特に栄養の偏りが心配になってしまいますよね。今回は、お子さんが野菜を苦手に感じる理由、対策などについて管理栄養士の小山有美さんに解説していただきました。

小山 有美さん

監修
小山 有美(管理栄養士)

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栄養士の短大を卒業後、福祉施設・病院での調理、献立作成などを経験後、管理栄養士資格を取得。高齢者向けの栄養講話や料理教室を企画・運営、食事や栄養についてのコラム執筆も行なっている。

子どもが野菜嫌いになる原因は独特の「味」や「におい」、そして「色」

子どもが野菜嫌いになる原因は独特の「味」や「におい」、そして「色」

編集部編集部

野菜嫌いの子どもが多いと聞きますが、どんな野菜を嫌いなお子さんが多いのでしょうか?

小山さん小山さん

子どもが嫌いな野菜ランキング2021によると、1位ゴーヤ、2位セロリ、3位ピーマンとなっています。反対に、好きな野菜ランキングは1位トマト、2位じゃがいも、3位さつまいもとなっていますね。

編集部編集部

では、子どもが野菜嫌いになる原因は何でしょうか?

小山さん小山さん

子どもが野菜嫌いになる原因は様々ですが、その多くは野菜の「味」や「におい」、「色」の場合がほとんどです。先ほどのランキングでいうとゴーヤ、ピーマンはその「苦味」が嫌いな理由となることが多いですね。子どもは身を守るため、苦みや酸味、辛いものは本能的に受け付けない傾向にあります。好きな野菜ランキングを見ると、甘みを好む傾向にあることがわかります。

編集部編集部

野菜を食べてくれないと栄養面が心配になりますが、補う方法はありますか?

小山さん小山さん

野菜が不足すると、ビタミン類や食物繊維などの栄養が不足すると考えられます。親御さんは心配になってしまうと思いますが、野菜以外の食材で栄養素を補うことを考えましょう。野菜に親しむため野菜ジュースなど、お子さんが好んで口にしてくれるものから始めてみても良いでしょう。食物繊維は甘みがあって食べやすいサツマイモ、海藻類、きのこ類で補うことができます。また、ビタミン類は果物から摂取することもできます。

編集部編集部

具体的におすすめな方法を教えてください。

小山さん小山さん

おやつにふかし芋や果物を取り入れるのがおすすめです。そして、お子さんの栄養が十分に足りているかどうかは1日単位ではなく、3日~1週間単位で見るようにしましょう。親御さんの食べてほしい気持ちがお子さんに伝わり、プレッシャーに感じてしまうという悪循環に陥ることもあります。あまり神経質にならず、長い目で、焦らず見守っていきましょう。

野菜の苦手意識をなくすために、調理法を工夫しよう

野菜の苦手意識をなくすために、調理法を工夫しよう

編集部編集部

お子さんの野菜に対する苦手意識をなくすためには、どんな工夫をすれば良いでしょうか?

小山さん小山さん

まず実践してみてほしいのは、野菜の下処理をしっかりすることです。例えばほうれん草のえぐみを苦手としているなら、ゆでた後にしっかりと水にさらし、水気を絞るとえぐみが和らぎます。ピーマンは、ヘタを上にして縦方向に切ると苦味が軽減されます。下茹でをしておくと、さらに食べやすくなるでしょう。

編集部編集部

ほかにもありましたら教えてください。

小山さん小山さん

やわらかく煮て、味噌汁やスープにするのもおすすめです。特に葉物野菜は食べやすくなります。野菜に含まれるビタミンCや葉酸などは水溶性ビタミンと呼ばれ、茹でたり水にさらしたりすると溶け出してしまいますが、スープにすると溶け出したビタミンも余すことなく摂ることができます。また、お子さんの好きな味付けで調理すると食べやすくなります。ケチャップやマヨネーズなど、お子さんの好みに合わせて選んでみましょう。

編集部編集部

小さく刻んで、他の食材に混ぜ込んでしまう方法はどうでしょうか?

小山さん小山さん

よく見かける方法ですね。どんな野菜も全く口にしない、お手上げという場合には実践してもよいかもしれませんが、お子さんは野菜を意識せずに食べている状態なので、根本的な野菜嫌い克服にはつながりません。混ぜ込む方法で食べてくれたら、刻む大きさを少しずつ大きくして、野菜を味わえるようにステップアップしていくといいでしょう。

編集部編集部

調理を工夫する以外にも、方法はありますか?

小山さん小山さん

お子さんが少しでも口にできたら、「食べられたね!」とほめてあげましょう。成功体験が大きな自信になり、「また頑張ろう!」という気持ちにつながります。食べられたらシールを貼るなど、ちょっとしたご褒美を作るのもおすすめです。野菜が食べられるようになる過程をお子さんと一緒に楽しみましょう。

野菜嫌い克服につながる「食育」

野菜嫌い克服につながる「食育」

編集部編集部

「食育」という言葉を最近耳にしますが、野菜嫌いのお子さんにも取り入れられるでしょうか?

小山さん小山さん

食育」は文字通り「食」を「育む」こと。「食育」においては「食べ物に感謝する心」「好き嫌いしないでバランス良く食べること」などに重点を置いています。野菜が食卓に運ばれるまでのルーツを知って、野菜に興味を持つお子さんも多いかもしれません。

編集部編集部

具体的に、どんな取り組みがありますか?

小山さん小山さん

畑で野菜ができる様子を見て、実際に収穫ができるといいですね。「自分で収穫した野菜」は格別ですので、食べてくれることも多いようです。普段スーパーで目にしている野菜が「どんな姿で収穫されるのか」を知らないお子さんも多いので、子どもの好奇心をくすぐると思います。

編集部編集部

ほかに、手軽に始められる食育はありますか?

小山さん小山さん

野菜に関する絵本や図鑑を読んでみるのも良いでしょう。また、料理の時にお手伝いをしてもらうのも1つの方法です。包丁や火を使うことが難しい小さなお子さんでも、玉ねぎの皮むき、混ぜる工程など、できることはたくさんあります。慣れてきて進んでお手伝いをしてくれるようになれば、ママも助かりますよね。

編集部まとめ

お子さんが野菜を食べてくれないと心配になってしまいますが、克服するためには様々な方法があることがわかりました。食べてくれない! と神経質にならずに、お子さんに合った方法で、親子で楽しみながら野菜嫌いを克服していけるといいですね。

この記事の監修管理栄養士