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「4歳未満にポップコーンを与えないで」窒息リスクの注意喚起 日本小児科学会

 更新日:2023/10/30
日本小児科学会 ポップコーンの誤嚥について注意喚起

日本小児科学会は、ポップコーンの未破裂コーンの誤嚥による窒息についての事例を学会雑誌で紹介した際に「ポップコーンは窒息リスクの高い食品であるため、4歳未満児に与えないようにする」との注意を促しました。この内容について武井医師に伺いました。

武井 智昭

監修医師
武井 智昭(高座渋谷つばさクリニック)

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【経歴】
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。

日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属

日本小児科学会が紹介した内容とは?

日本小児科学会が学会雑誌で紹介したポップコーンの誤嚥についての内容を教えてください。

武井 智昭 医師武井先生

日本小児科学会は「小児の事故の中でも窒息は重要度が高く、日常的に発生するリスクがある」としています。学会雑誌の報告書では、2022年12月に当時1歳9カ月の女の子が、容器の底に残っていたポップコーンを食べようと容器を傾けて一気に食べたところ、その直後にむせ込みました。女の子の母親が背部を叩いたところ、女の子は未破裂のポップコーンをいくつか吐き出しましたが、顔色が悪くなり、全身脱力して反応がなくなりました。心肺蘇生法から1分後に反応が現れ、そのまま救急搬送され、ポップコーンは摘出されました。搬送から13日後に女の子は無事に退院したという事例を紹介しました。

日本小児科学会は学会雑誌の中で「アメリカの研究では、ポップコーン、ホットドッグ、キャンディ、ブドウ、ピーナッツ、パンなど10種類の食材を食品窒息の原因として挙げており、ポップコーンは窒息リスクの高い食品として認識している」ことに言及しています。その上で、窒息を予防するために5つのポイントを指摘しています。

ポップコーンは窒息リスクの高い食品であることを知っておく
食べる行為には窒息の危険が常にあるため、窒息につながる要因をできるだけ減らす必要がある
ポップコーンを食べる際には、未破裂コーンが混在することがあることを知っておく
4歳未満の子どもにはポップコーンを与えない
ポップコーンを食べるときには、未破裂コーンを取り除いて1個ずつ食べるようにする

日本小児科学会が紹介した内容に対する受け止めは?

日本小児科学会が紹介した内容に対する受け止めを教えてください。

武井 智昭 医師武井先生

ポップコーン以外にも、例えばナッツ類など固い成分が入っている食べ物なども、誤嚥に関しては要注意です。子どもにおやつを与える際は、子どもが誤嚥しないような硬さやサイズの食品を選ぶようにしましょう。

ポップコーン以外に誤嚥による窒息に注意が必要なものは?

日本小児科学会の学会雑誌は「アメリカの研究で、ポップコーン、ホットドッグ、キャンディ、ブドウ、ピーナッツ、パンなど10種類の食品が誤嚥しやすい」と紹介しています。そのほかには、どのようなものが誤嚥リスクが高いのか教えてください。

武井 智昭 医師武井先生

6~20mmの大きさのサイズの食べ物は、窒息のリスクがあります。飴玉やこんにゃく入りゼリー、ピーナッツなどのナッツ類、固いパンなどが誤嚥リスクとして挙げられるので、食事の際は十分に注意してください。

まとめ

日本小児科学会は、ポップコーンの未破裂コーンの誤嚥による窒息についての事例を学会雑誌で紹介した際、「ポップコーンは窒息リスクの高い食品であるため、4歳未満児に与えないようにする」との注意を促しました。小さな子どもの身を守るために、誤嚥しやすい食品についての理解を深めることが重要です。

この記事の監修医師