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【闘病】クローン病治療を続けながら、看護師になりました(1/2ページ)

 更新日:2025/07/14
元気に働く看護師

高校生の時にクローン病と診断され、治療を続けながら看護師になったという竹藪さん(仮称)。現在は、医療従事者でありながら、自身も一人の患者である竹藪さんが、日々どんなことを感じながら病気と向き合っているのか、詳しく聞かせてもらいました。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2021年11月取材。

竹藪さん

体験者プロフィール
竹藪さん(仮称)

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1998年生まれ北海道出身、2021年東京移住。高校3年生の10月にクローン病と診断される。高校卒業後は医療総合系大学に進学し、現在は看護師として活躍中。定期的に通院し内服薬とレミケード、エレンタールにて寛解維持。Instagramで、「とあるクローン病患者の日常(niconico_egao0505)」のアカウントにてクローン病患者としての生活を発信している。これからはIBD(炎症性腸疾患)患者さんたちとの共有の場を作りたいと考えており、活動内容や発信方法を模索中。

今村 英利

記事監修医師
今村 英利(いずみホームケアクリニック)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

食事をしっかり摂っていても痩せていった

食事をしっかり摂っていても痩せていった

編集部編集部

最初はいつ、どのような症状があったのですか?

竹藪さん竹藪さん

高校1年生だった2014年12月に、肛門部に痛みがあり、病院を受診しました。翌年に痔ろうの手術をしましたが、その後も痛みは続いていました。この時は腹痛などの症状はなかったのですが、食事をしっかり食べていても痩せていき、異常な倦怠感もありました。

編集部編集部

そこからどのように診断が確定したのですか?

竹藪さん竹藪さん

高校3年生になった2016年6月に下血があり、主治医に大腸内視鏡検査を勧められました。検査の結果、クローン病に特徴的な縦に長い潰瘍(縦走潰瘍)、石を敷き詰めたような潰瘍(敷石状病変)が確認されたということで、IBD(炎症性腸疾患)センターのある病院を紹介され、3か月後に精査目的で入院したのですが、その時にはもう腹痛、下痢、下血、38℃台の発熱など様々な症状が出ていました。上部・下部(大腸)内視鏡検査、造影CT検査の結果、クローン病と診断されました。

編集部編集部

どんな病気で、どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか?

竹藪さん竹藪さん

小腸や大腸などの消化器に炎症が起き、潰瘍ができたり出血したりする病気で、原因不明の難病だそうです。治療としては、まず消化管を休めるために絶食して、点滴だけでしばらく過ごした後、食事を再開しながらペンタサ、経口・経腸栄養剤エレンタールを開始し症状を観察していくと言われました。私と家族は、インターネットで調べていた漢方での治療を希望していたのですが、主治医から当時のクローン病治療の説明を受け、看護師との面談もして検討した結果、そのまま主治医のもとで治療を始めることに決めました。

編集部編集部

その後、体調はどうなりましたか?

竹藪さん竹藪さん

無事退院はできたのですが、1か月もしないうちに腹痛や下痢が出現し、ヒュミラ(ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤)という別の薬を開始することになりました。これは自宅で自己注射で投与するものです。ところがなかなか炎症がおさまらず、徐々に増量せざるを得なくなりました。2019年5月には、主治医から薬の変更を提案され、レミケードという薬に変えました。レミケードには、マウス由来の抗体を使用しているため免疫抑制剤も併用していく必要や、免疫抑制していくため感染症のリスクが高くなるなどのリスクがあります。また、ヒュミラは自宅で自己注射できましたが、レミケードは8週間ごとに通院が必要になりました。

死ぬことはない、でも治ることもない

死ぬことはない、でも治ることもない

編集部編集部

病気が判明したときの心境について教えてください。

竹藪さん竹藪さん

当時はまだ高校生だったこともあり、聞いたことのない病気に対して「死ぬのかな。怖い」という想いでした。医師の説明を聞き、自分でも調べていくうちに死ぬことはないと理解できましたが、治療法が確立していない難病であるということもわかり、「一生この病気と生活していくのか」と、かなりのショックを受けた覚えがあります。

編集部編集部

治療中の心の支えはなんでしたか?

竹藪さん竹藪さん

一番は母ですね。たくさん協力してくれました。あとは、病気について理解し、協力してくれている友人達です。

編集部編集部

発症後、生活にどのような変化がありましたか?

竹藪さん竹藪さん

脂質の摂取量に制限があるので、スーパーやコンビニで食品の成分表示を見るようになりました。でも時には息抜きも必要なので、体調が良い時には少量ずつ食べたいものを食べています。病気のことは隠さず、周りの人たちにきちんと知ってもらうようにしています。

病名だけでなく、何に困っているのかを理解してもらいたい

この記事の監修医師