【闘病】食事制限を受けながら「食」を振る舞う仕事に就いた女性《クローン病》(2/2ページ)

診断されて6年、まだ寛解期になっていない

編集部
クローン病で困難を感じることとはありますか?
ユズネさん
倦怠感がひどくて、長時間の立ち仕事がかなりしんどいときがありました。上司に休憩を取りたいと申し出ると、どうしんどいのかと何度も聞かれて辛かったです。病名は事前に申告してありましたし、「どうしんどいのか?」と聞かれても説明のしようがなく、「立っているのがしんどい」と説明するしかありませんでした。その時の上司の表情や言葉は、今でも忘れることができません。
編集部
病気を理解してもらえないのは辛いですね。
ユズネさん
そうですね。でも、ほとんどの人は病気の話をすると、想像していた以上に気にかけてくれました。外食をするときなども、私の食事制限を考慮してくれる人が多くてうれしかったです。
編集部
今までを振り返ってみて、何か思うことはありますか?
ユズネさん
最初の方は下痢の症状しかなく、病気かもしれないという自覚がありませんでした。今考えるとかなり長い期間お腹を下していたので、もう少し早めに受診できたかなと思います。
編集部
現在の体調や生活はどうですか?
ユズネさん
診断されてから6年目になりますが、一度も寛解期になっていません。薬も徐々に効きにくくなり、自己注射で使っているヒュミラは3年ほど前に倍量になりました。また、その1年後にはイムランという薬も増えました。でも、仕事もしつつ休みの日は出かけますし、充実した日々を送っています。お腹を下す、微熱、倦怠感のどれか、もしくは複数の症状は常にありますが、うまく付き合いながら生活しています。
編集部
最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。
ユズネさん
クローン病の私が、飲食業界で働くことは不可能だと思っていました。しかし、環境のおかげや努力で仕事も楽しく毎日充実しています。身体を休めるとき、遊ぶとき、仕事をするときのバランスを考えながら、持病を持っている方でも、毎日楽しいと思える人生を過ごせたらいいなと思います。
編集部まとめ
食事制限もある中、小さい頃から好きだったお菓子作りを仕事にしたユズネさん。6年間一度も寛解期にはなっておらず症状は常にある、としながらも「環境や努力で仕事も楽しく毎日充実しています」とのことでした。一方で、以前の自分自身を振り返って、「かなり長い期間お腹を下していたので、もう少し早めに受診できたかな」ともおっしゃっており、自分の体調を客観的に見ることの難しさも感じました。ユズネさん、ありがとうございました。