目のクマの治し方を医師が解説 クマのタイプ別の解消とは
睡眠不足や疲れが溜まっているときなどは、どうしても目の下にクマができてしまう人もいると思います。実は、このクマには3種類あり、それぞれ原因や対処法が異なることをご存知でしょうか。今回は、クマの見分け方とタイプ別の治し方について、「自由が丘クリニック」の佐藤先生に解説していただきました。
監修医師:
佐藤 英明(自由が丘クリニック 院長)
北里大学医学部卒業後、同大学の形成外科に入局。その後、北里大学北里研究所病院形成・美容外科部長や美容医学センター長など経て、2017年に自由が丘クリニックの院長に就任。美容外科手術だけでなく、ボトックス・ヒアルロン酸注入やレーザーなど、幅広い施術に精通。日本で数名しかいないボトックス・ヒアルロン酸の注入指導医でもある。日本形成外科学会専門医、日本臨床皮膚外科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医、アラガンジャパン注入指導医など資格多数。
クマができる原因は? タイプによって違うって本当?
編集部
そもそも、なぜ目の下にクマができるのですか?
佐藤先生
目の下の皮膚は脂肪が少ないので非常に薄く、皮膚の下の血管やメラニンの色素が皮膚の色に現れやすいためです。また、目の周りの皮膚には汗を分泌する汗腺が少なく、潤いを保つのが難しいので、乾燥しやすいと言われています。乾燥すると、目尻にシワが寄ってくすんで見え、クマになることもあります。
編集部
年齢を重ねるうちに、クマが現れやすくなってきたように思います。
佐藤先生
加齢はもちろんのこと、紫外線の影響によって皮膚の組織がダメージを受けると、肌の弾力が低下してハリを失ってしまいます。目の周りがたるんだり、下まぶたが下がったりして皮膚に段差が生じると、クマになってしまうこともあります。総じて、クマは一種のエイジングのサインなので、早めに対処するのがおすすめです。
編集部
どのように解消していけばいいのでしょうか?
佐藤先生
目の下のクマは、3種類に分けられます。そして、それぞれの原因と対策が変わってくるので、まずは自分のクマがどのタイプかを見極めることが必要です。
編集部
どのようにクマを見分けるのでしょうか?
佐藤先生
クマには、「茶クマ」、「青クマ」、「黒クマ」の3種類があります。文字通り、クマが茶色っぽい、青く見える、黒ずんで見えるというように、まずは色で見分けることができます。
クマのタイプの見極め方と治し方
編集部
それぞれ、もう少し詳しく解説をお願いします。まずは「茶クマ」から。
佐藤先生
「茶クマ」は、色が茶色に変色しているので、見た目もわかりやすいと思います。また、アトピー性皮膚炎や花粉症の人は、茶クマになりやすいと言われています。
編集部
それはなぜでしょうか?
佐藤先生
アトピー性皮膚炎や花粉症などで目をこする癖のある人は、目の周りに色素沈着が起きやすいからです。もともと茶クマの茶色は、皮膚の色素であるメラニンの色です。目の周りの皮膚はとても薄いので、引っ掻いたりこすったりする刺激で色素が沈着しやすいのです。また、メイクや洗顔などによる刺激でも、色素沈着が起こりやすくなります。
編集部
茶クマはどのように対処すればいいのでしょうか?
佐藤先生
目の周りに強い刺激を与えないようにしましょう。具体的には、メイクや洗顔のときに目の周りをこすらないようにしたり、メイクの落とし残しがないように注意したりしてください。また、保湿もしっかりおこなうよう心がけましょう。
編集部
次に、「青クマ」について教えてください。
佐藤先生
青クマは、疲れや睡眠不足が主な原因です。睡眠不足や疲れ、ストレス、冷えなどで血行が滞ってしまうと、外からも青黒く透けて見えやすくなります。
編集部
青クマの対処法は?
佐藤先生
まずは、睡眠をしっかりとることです。また、スマホやパソコンを長い時間使用することは避け、適度に目を休ませてください。加えて、目の周りのツボを押したり、マッサージをしたりして、血行をよくするのも大切です。茶クマと同様に、保湿も忘れずにおこないましょう。
美容クリニックでおこなう「クマの治し方」とは?
編集部
最後、「黒クマ」について教えてください。
佐藤先生
黒クマは、主に加齢が原因です。目の下には眼窩脂肪という脂肪があり、加齢とともに眼球を支える組織が衰えてきて、眼窩脂肪が前方へ押し出されてしまいます。すると、押し出された脂肪によって膨らみや黒い影ができてしまい、黒クマとなってしまうのです。
編集部
黒クマは、どのように対処すればいいのでしょうか?
佐藤先生
黒クマの場合は、茶クマや青クマと違って脂肪が飛び出しているという物理的な問題があるので、セルフケアでは対処が難しいかもしれません。最も効果的なのは、美容クリニックでの治療です。軽度な黒クマなら、ヒアルロン酸を注入して皮膚にハリを持たせることで解消できます。
編集部
ほかには、どのような治療法がありますか?
佐藤先生
脂肪によるたるみが大きい場合は、脂肪を除去したり、脂肪を移動させたりする手術をすることもあります。
編集部
美容クリニックでケアできるのは、黒クマだけですか?
佐藤先生
いいえ。青クマにも対処できます。青クマに対しては、「PRP療法」という、血小板を多く含む血液成分を注射する方法がよく用いられています。PRP療法は再生医療の一種で、自分自身の血液から採取した組織を使うため、アレルギー反応の心配もほとんどありません。一度注射すれば、1年ほど効果が持続するので、青クマに悩んでいる人にはおすすめです。
編集部
茶クマの治療法はありますか?
佐藤先生
茶クマに対しては、レーザーで色素沈着を取り除くこともできます。しかし美容クリニックで治療しても、睡眠時間が少なかったり極度に疲労がたまったりすると、クマが再発してしまうこともあります。治療を検討するのもいいですが、まずは生活のリズムを整えることや睡眠不足に気をつけること、目の周りを保湿することなどを継続していただければと思います。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
佐藤先生
クマがあるとどうしても疲れているように見えてしまい、相手に与える印象も悪くなってしまいがちです。コンシーラーやメイクで隠すこともできますが、厚塗りすればするほど皮膚に負担をかけることになり、逆効果ということも考えられます。美容クリニックでの治療であれば、一度の施術で1年くらい効果を見込むことができます。また、様々な治療法を組み合わせることで、一人ひとりの症状に対して、細やかに対処します。クマで悩んでいる人は、ぜひお気軽にご相談いただきたいですね。
編集部まとめ
目の下のクマは老けて見える原因になり、男女問わずクマを消したいと思っている人は多いはず。クマは正しく対処すれば、きちんと消すことができます。セルフケアで限界を感じている人は、ぜひ美容クリニックでの治療を検討してみてはいかがでしょうか。
医院情報
所在地 | 〒152-0023 東京都目黒区八雲3-12-10パークヴィラ2F・3F・4F |
アクセス | 東急東横線、東急大井町線「自由が丘駅」徒歩10分 東急東横線「都立大学駅」徒歩10分 |
診療科目 | 美容外科、美容皮膚科、美容内科 |