~実録・闘病体験記~ 乳がんが脳に転移した女性「もっと自分の胸に向き合ってほしい」(2/2ページ)

SNSでのがんサバイバーとの交流が心の支えに

編集部
治療中の心の支えとなったものは、何でしたか?
佐々木さん
SNSで知り合ったがんサバイバーの方々の存在が大きいですね。ブログを見て「同じ抗がん剤で頑張っている人もいるから、私も頑張ろう」と思いながら治療を乗り越えてきました。やっぱり同じ病気の方の書き込み、たとえば「抗がん剤が終わった」、「定期検診をクリアした」などの言葉を見ると、心の支えとなりました。
編集部
もし昔の自分に声をかけるとしたら、どんな助言をしますか?
佐々木さん
「半年に一度の乳がん検診は頑張ってたね。エライエライ。でもシコリを最初3か月も放置したのは馬鹿だぞ。あと、がん保険に入っておくべきだったね」と言いたいですね。
編集部
現在の体調や生活などの様子について教えてください。
佐々木さん
術後は力仕事などで腕が疲れたり、痺れたりします。また腕を上げたときなど、筋肉のつっぱりや皮膚のひきつりを感じます。タモキシフェンの副作用でホットフラッシュと滝のような汗、浅い眠りに悩まされていますが、経過観察になって全体的に体調も落ち着いてきたので、無理のない範囲で仕事も続けています。ヨガやジム、習い事などもまた始めようと思っています。
編集部
医療関係者に伝えたいことはありますか?
佐々木さん
「主治医に自分の不安を正直に話せないまま」で、治療することになりました。SNSでもそういう声は見かけます。お忙しいと思いますが、患者の持つ不安や恐怖を聞く時間を作ってほしいですね。
編集部
最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。
佐々木さん
がんは治療で失うモノと時間がとても大きい病気です。しかし早期発見・治療すればそれらは少なくて済むと思います。自分は大丈夫と思う方が多いのですが、がんは誰にでも起きる身近な病気です。早期発見のために、そして家族のためにも、がん検診を受けてください。あとお風呂の時などに自分の胸に触れ、胸と向き合う時間を作ってください。
編集部まとめ
今回のお話をお聞きして、乳がん検診の大切さと早期発見、早期治療の大切さを感じました。また様々な治療法があり、それぞれの副作用に対応する大変さも伺うことができました。そして医療関係者ならびに同じくがんと闘う仲間とのつながりが、治療を受ける患者さんの心の支えに必要であるとも思いました。