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「カサカサ唇を舌で舐めて潤す」はNG! リップクリームとビタミンB2で乾燥対策を

 更新日:2023/03/27

寒くなるにつれて、乾燥で唇がカサカサに……。そのたびに、唇を舌で舐めて湿らすクセがある人は多いのではないでしょうか。しかしこの方法、実は逆効果で、唇をより一層、乾燥させてしまうのです。では、唇が乾燥している時は、どのような対策をすればいいのでしょうか。今回は、これからのシーズンのお悩みについて、「自由が丘ファミリー皮ふ科」の玉城先生に解説していただきました。

玉城 有紀

監修医師
玉城 有紀(自由が丘ファミリー皮膚科 総院長)

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帝京大学医学部卒業。その後、日本医科大学武蔵小杉病院、東京女子医科大学皮膚科、町田市民病院皮膚科などに勤務。2019年、東京都世田谷区に「自由が丘ファミリー皮膚科」を開院。ほか、「溝の口駅前皮膚科」院長、「二子玉川ファミリー皮ふ科」総院長を兼任。「クリニックだからこそできる丁寧な診療」をコンセプトに掲げ、一人ひとりの患者さんと向き合うことを大事にする。日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本臨床皮膚科医会、日本アレルギー学会、日本感染症学会の各会員。

唇が乾燥するメカニズムとは?

唇が乾燥するメカニズムとは?

編集部編集部

毎年、寒くなると唇がカサカサになり、乾燥してしまいます……。

玉城 有紀玉城先生

そもそも唇は、皮膚を潤してくれる「皮脂腺」がないため、乾燥しやすくなっています。また、食事をしたり、口紅を塗ったりと、常に外気へさらされており、様々な刺激を受けやすいのです。そのため、唇は非常にデリケートな部位と言えるでしょう。

編集部編集部

なぜ、冬が近づくと唇の乾燥がひどくなるのですか?

玉城 有紀玉城先生

外気はもちろんですが、室内も暖房や空調などの影響で湿度が低いですよね。もともと唇は粘膜と皮膚との中間のような存在で、常に水分を含んでいます。乾燥によって水分が蒸発した際、一緒に唇の潤いも奪われてしまうのです。

編集部編集部

皮膚はターンオーバーで再生すると聞きます。唇も皮膚のように再生しないのですか?

玉城 有紀玉城先生

たしかに、唇にもターンオーバーはあります。一般に、皮膚のターンオーバー周期は約28日ですが、唇は3〜4日ほどです。そのため、きちんとケアすれば早く治りやすい部位です。しかし反対に、放っておくと症状が悪化してしまいやすいのが特徴です。

「唇が乾燥している時、舌で舐める」はNG行為

「唇が乾燥している時、舌で舐める」はNG行為

編集部編集部

唇が乾燥している時、つい、舌で舐めてしまいます。

玉城 有紀玉城先生

唇を舐めるのはやめましょう。唇が乾燥してカサつくと、舐めて潤わせたくなりますが、一時的に唾液で湿るだけです。やがて唾液が蒸発して唇の水分が奪われ、その結果、ますます乾燥がひどくなってしまいます。

編集部編集部

それが原因で、口周りが荒れた経験があります……。

玉城 有紀玉城先生

唇を頻繁に舐めることで、唾液によって唇がかぶれてしまい、赤みがでたりかゆくなったりすることもあります。これは、「舐めまわし皮膚炎」や「舌舐めずり皮膚炎」とも言われ、繰り返し舌で舐めることによって、口の周囲が荒れてしまう皮膚病の一種です。ひどいとジクジクとした感じが強くなるので、けっして唇は舐めないようにしましょう。

編集部編集部

では、唇の乾燥をどのように対策すればいいのでしょうか?

玉城 有紀玉城先生

一番大切なのは、リップクリームなどによる保湿ケアです。リップクリームは、唇が荒れてから塗るものではなく、普段から使って潤いを与えるのが本来の使い方です。つまり何が言いたいのかというと、「唇が乾燥していなくても、普段からリップクリームを塗ってしっかり保湿してあげましょう」ということです。

編集部編集部

どれくらいの頻度でリップクリームを塗るのがいいのですか?

玉城 有紀玉城先生

一般的にリップクリームを塗る回数は、1日に3〜5回くらいが目安とされています。あまり頻繁にリップクリームを塗ると、かえって唇が摩擦によってダメージを受けてしまうこともあります。また、塗る際の注意点として、強くこすったり押し付けたりしないようにしましょう。

潤いのある唇を目指すために

潤いのある唇を目指すために

編集部編集部

そのほか、おすすめできる唇の乾燥対策があれば教えてください。

玉城 有紀玉城先生

女性の場合、口紅をしっかり落とすことですね。口紅を塗ると、唇の縦ジワに口紅が入り込み、落ちにくくなることがあり、それが唇を傷める原因になってしまいます。落ちにくい口紅を使う時には、ポイントメイクリムーバーなどでしっかりと落としましょう。

編集部編集部

ほかにも気をつけることはありますか?

玉城 有紀玉城先生

マスクを着用する時も、しっかりとリップクリームを塗りましょう。最近では、マスクを使用する時間が長いことから、マスクと唇の摩擦によって唇が荒れてしまう人が増えています。また、リップクリームを選ぶ際は、ホホバ油やシア脂などの保湿力が高い成分を含むリップクリームや、ワセリン、オイルを使うのがおすすめです。

編集部編集部

食生活でも唇の荒れを改善することはできますか?

玉城 有紀玉城先生

肌や髪をつくり、粘膜を保護する作用がある「ビタミンB2」が不足すると、唇が荒れやすくなります。しっかりと保湿をしても、頻繁に唇が乾いてしまう場合は、栄養不足が原因かもしれませんので、食生活を見直してみましょう。なお、ビタミンB2はレバーや牛乳、のり、わかめ、卵、納豆などに多く含まれているので、乾燥が気になる人は積極的に摂りましょう。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

玉城 有紀玉城先生

「舐めまわし皮膚炎」や「舌舐めずり皮膚炎」は、子どもに顕著です。口の周りに色素沈着が起こってから皮膚科を受診させる親御さんが多いのですが、できれば症状が悪化する前に来ていただきたいですね。また、女性の場合は唇が荒れると口角が切れる可能性があります。シミの原因にもなり得るので、早めに相談することをおすすめします。

編集部まとめ

唇の荒れを防ぐには、リップクリームなどでの保湿が大切とのことでした。加えて、栄養不足もカサカサ唇の原因なので、ビタミンB2を摂るのも対策になるそうです。冬になると、毎年、唇の荒れに悩まされる人は多いでしょう。特に最近は、マスクをする時間が長いので、唇だけでなく顔周りまで荒れてしまうケースも。この記事を参考に、唇をしっかりと守ってあげましょう。

医院情報

自由が丘ファミリー皮膚科

自由が丘ファミリー皮膚科
所在地 〒158-0083 東京都世田谷区奥沢5丁目23−18メディス自由が丘 4階
アクセス 東急東横線「自由が丘駅」徒歩2分
診療科目 皮膚科、小児皮膚科

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