「オメガ3脂肪酸」が体にいいって聞くけど、どんな効果があるの?
「オメガ3脂肪酸」が体にいいと耳にするようになりましたが、私たちの体にどのような効果を与えてくれるのでしょうか。そもそもオメガ3脂肪酸は、どんな食材に含まれていて、どのように摂取すればいいのかも知りたいところです。そんなオメガ3脂肪酸の魅力について、「管理栄養士」の吉筋由衣さんに聞いてきました。
監修管理栄養士:
吉筋 由衣(管理栄養士)
人間総合科学大学卒業後、管理栄養士免許取得。聖隷沼津病院栄養管理課に勤務する。2020年9月、「食を通し、体の内側から美・健康へ導きたい」という想いを掲げ、フリーに転身。体質改善アドバイザーとして、薬膳をベースに一人ひとりの体質に合った、食事の処方箋を提案している。
オメガ3脂肪酸は動脈硬化や脳卒中の予防にも
編集部
最近、「オメガ3脂肪酸」が体にいいと聞くようになりました。
吉筋さん
オメガ3脂肪酸とは、不飽和脂肪酸と呼ばれるものの一種で、摂取が必要な必須脂肪酸と言われています。脂肪と聞くと悪いイメージを持ちがちですが、エネルギーを産生するといった、人間の体にとって重要な成分です。しかし、不飽和脂肪酸を体内で生成することができず、食事によって摂取するしかありません。
編集部
オメガ3脂肪酸を摂取すると、体にどのような影響がありますか?
吉筋さん
抗炎症作用があるため、炎症が起きにくい体になります。また、中性脂肪の原因となる悪玉コレステロールを減らす効果があり、動脈硬化や脳卒中、アトピーやアレルギーの予防や改善にもつながります。
編集部
つまり、上記のような症状で悩んでいる人は、特に摂るべきだと?
吉筋さん
そうですね。血液がドロドロで詰まりやすい人にはおすすめです。アトピーやアレルギーで悩んでいる人で、日常的に足りていない場合は積極的に摂ってみるといいと思います。
マグロや青魚、アマニ油、エゴマ油に含まれる
編集部
オメガ3脂肪酸は、1日にどれくらい摂取するといいのでしょうか?
吉筋さん
1日1〜2gで、魚一切れくらいの量と言われています。食品から摂るものは即効性がなく、毎日積み重ねていくことが大切です。3日に一度6g摂取するのではなく、毎日少しずつ摂っていくと、体に好影響を及ぼします。
編集部
先ほど食材からしか摂取できないとのことでしたが、具体的にどんな食べ物に含まれているのでしょうか?
吉筋さん
マグロや青魚、アマニ油やエゴマ油などに含まれています。マグロや青魚などのお刺身を毎日一切れ食べれば、オメガ3脂肪酸を摂取できたことになるのです。なお、オメガ3脂肪酸は酸化しやすい性質なので、焼いてしまうと効果がなくなります。アマニ油やエゴマ油に関しても、開封して1週間ほどで酸化してしまうので、すぐに使い切ることをおすすめします。こうした油が小瓶や遮光瓶で売られていることが多いのは、酸化防止が理由です。
編集部
なるほど。正直、魚を毎日食卓に出すのは大変です。
吉筋さん
そうですね。確かに毎日となると安価なものでもないですし、肉が食べたい日もあるので難しいですよね。そのため続けるならば、油の方が摂りやすいと思います。
適量を摂取して健康な体へ
編集部
アマニ油やエゴマ油の場合、どうやって摂取するのがおすすめですか?
吉筋さん
加熱には向いていないので、火を通さずに食べるのがいいです。味に少々クセがありますが、サラダのドレッシング代わりに油を使うのもいいと思います。また、醤油と混ぜておひたしにかけたり、味噌汁に入れたりすると、味のクセが緩和されるのでおすすめです。
編集部
過剰摂取によるリスクはありますか?
吉筋さん
油なので摂取しすぎると、下痢を起こす可能性は考えられます。脂っこい食べ物を食べた翌日、お腹を下した経験がある人は気をつけた方がよさそうです。アマニ油やエゴマ油は、1日にスプーン1杯分摂るだけで十分です。
編集部
最後に、読者へのメッセージがあれば。
吉筋さん
オメガ3脂肪酸には、動脈硬化や脳卒中、アトピーやアレルギーなどの予防効果があります。毎日コンスタントに摂取していくことで、体に好影響を及ぼしてくれます。若いうちからオメガ3脂肪酸の含まれる食材を摂取しておけば、将来的にも病気のリスクを減らせるかもしれませんね。それと同時に、動脈硬化や生活習慣病のリスクを上げる油(お肉やサラダ油)を普段から大量に摂取していないか、今一度食事を見直してみてください。
編集部まとめ
オメガ3脂肪酸は動脈硬化や脳卒中、アトピーやアレルギーの予防や改善に効果的ということが分かりました。また、マグロや青魚、エゴマ油やアマニ油に含まれているとのことです。毎日少しずつ摂れば徐々に効果が出てくるので、これらの食材を刺身やドレッシング、おひたしなどで食べて、オメガ3脂肪酸を摂取してみてはいかがでしょうか。