【漫画付き】二重手術は「埋没法」と「切開法」どっちがいいの?
見た目の印象を大きく変える二重手術。みやもと美容クリニックの宮本先生によると、その手術方法は、大きく2通りにわかれるそうだ。それが、糸でラインの溝を付ける「埋没法」と、メスでラインを作る「切開法」だ。それぞれの特徴や価格、リスクなどを、しっかり覚えておこう。
監修医師:
宮本 英治(みやもと美容クリニック 院長)
藤田保健衛生大学医学部卒業。藤田保健衛生大学医学部形成外科入局後、一般医院の勤務を経て医学博士取得。2015年には、愛知県海部郡に「みやもと美容クリニック」開院。内面からきれいになることで、精神や肉体の健康が保てるよう、正しい知識に裏付けられた医療サービスを提供している。日本形成外科学会専門医。国際形成外科学会、日本頭蓋顎顔面外科学会、日本乳房オンコプラスティックサージェリー学会、日本美容外科学会(JSAPS)の各会員。
もっとも大きな違いは「ダウンタイム」の長さ
編集部
まず、二重の手術内容について、くわしく教えてください。
宮本先生
クリニックで手術をおこなう場合、「埋没法」と「切開法」の2種類があります。前者は、特殊な糸で、新しくできる二重の部分を皮膚の内側に固定させる方法です。外見からはわかりませんが、まぶたの中にずっと糸が残っています。後者は文字どおり、メスで二重をつくっていきます。
編集部
受けるとしたら、どちらが“いい”のでしょう?
宮本先生
まぶたの状態や患者さんの要望などによりますね。「術後のダウンタイムを短くしたい」という方は、糸による施術をお勧めします。もともと二重があって、「もう少しクッキリさせたい」という方にも向いています。
編集部
「切開法」の特徴についてもお願いします。
宮本先生
「切開法」はラインをつくる自由度が高いので、細かな要望のある方にお勧めです。また、もともと一重の方は、まぶたの脂肪量が多いですから、同時に処置のできる「切開法」を選ぶといいでしょう。目の幅が小さい細い目の方も同様です。
編集部
「ダウンタイム」について、詳しく教えてください。
宮本先生
手術後の一定期間、どうしても腫れが伴います。「切開法」ですと、平均して1カ月ほど腫れが続くのではないでしょうか。その点、まぶたへの負担が少ない「埋没法」なら、腫れは1週間ほどで引いてきます。この期間を「ダウンタイム」というのですが、長ければ、それだけ気付かれやすいですよね。
編集部
社会人にとって「ダウンタイム」は1週間でも厳しいです。
宮本先生
腫れは、目を開けている状態だとほとんどわかりません。どうしても気になるなら、いつもお使いの眼鏡か、「だて眼鏡」をかけていただくといいでしょう。他方、「切開法」の腫れは、目立つのでやっかいです。隠そうとしたら、サングラスなどが必要になってくると思います。
編集部
ダウンタイムが終わってからの見た目で差はありますか?
宮本先生
どちらの方法でも、自然な見た目にすることができます。ただし、あまり細かな要望を「埋没法」で再現すると、糸で行う間接的な方法ですから、無理が生じますよね。そのような場合は、ラインにある程度の妥協をするか、長い「ダウンタイム」を取ってでも「切開法」にするかいずれかとなるでしょう。
気になる「埋没法」の後戻りについて
編集部
後戻りのリスクについても教えてください。
宮本先生
糸で留めて二重をつくっているので、頻繁なまばたきや目を触る癖などによっては、緩んできて元に戻ってしまうことがあります。「切開法」ですと、その部分を切ってラインを作るので、後戻りというのはありません。
編集部
逆にいうと、元に戻すことができるのですか?
宮本先生
そういうことです。つくった二重が気に入らない場合は、元に戻せます。他方、「切開法」でひとたび切ってしまうと、元に戻すことはほとんど不可能です。その意味では、糸で留めて二重をつくるほうが「受けやすい施術」なのかもしれません。
編集部
後戻りする方はどれくらいいるのでしょう?
宮本先生
当院の場合で、100人に2人か3人といったところでしょうか。「フロントサイド法」という、糸の緩みにくい特殊な方法を採用しているのですが、それでもたまに後戻りする方がいらっしゃいますね。
編集部
「フロントサイド法」とは何ですか?
宮本先生
一般的な「埋没法」はまぶたの裏側から糸を通すため、針や緩んで突出してきた糸などで眼球を傷つける恐れがあるのです。そこで当院は、「フロントサイド」、つまり表側のみから糸を通し、なおかつしっかり固定する方法にしています。
費用相場や医院を選ぶ際のコツ
編集部
続いて、だいたいの相場費用を教えてください。
宮本先生
6万円から15万円といったところです。この差は、糸の通し方や取れにくい方法などによって変わってきます。なお、両目を同時に施術することが多いので、その前提での費用になります。
編集部
「切開法」の相場価格は?
宮本先生
簡単なケースで10万円台、脂肪や皮膚の切除などが伴った困難なケースで40万円くらいが相場だと思います。こちらも両目が前提です。
編集部
手術が適応できるのは、何歳からでしょう?
宮本先生
15歳以上の未成年者は、ご両親の同意があれば受け入れています。ただし、将来的に好みや骨格の変わる年代でもあるので、糸による施術をお勧めしています。体への負担が多い「切開法」は、未成年者に適していないと考えています。
編集部
逆に年齢の上限はあるのですか?
宮本先生
難しい質問ですね。まず前提として、高齢になるとまぶたがたるんできたり、上まぶたが覆い被さってきたりすることがあります。その兼ね合いと「ダウンタイム」の期間をどれくらい取れるのかによって、どちらがいいのかが変わってきますよね。年齢よりも、その方のまぶたの状態が問われるのではないでしょうか。
編集部
クリニックの選び方についてアドバイスがあれば。
宮本先生
形成外科の専門医を標ぼうしている医院が好ましいですね。専門医を名乗るには技術審査や専門医試験が必要で、その中に「美容」という科目も含まれているからです。
編集部
エステなどが扱う「アイプチ」や「アイテープ」はどうなのでしょう?
宮本先生
接着剤を使うので、皮膚のかぶれや皮膚炎が心配です。実際、二重手術で来院される方の6割から7割は、アイプチやアイテープの経験者です。「毎日アイプチするのが面倒くさい」とか「アイプチで皮膚がかぶれてしまったけど、いまさらやめられない」といった理由で受診されます。
編集部まとめ
「埋没法」のメリットは、ダウンタイムが短いこととイザというときに元へ戻せること。デメリットは、細かな要望が反映しづらいこと。「切開法」のメリットは、ラインの自由度が高いことと一重まぶたでも受けられること。デメリットは、ダウンタイムが長いことと元には戻せないこと。ただし、まぶたの状態などにもよりますので、医師からの説明を受けて判断するようにしましょう。
医院情報
所在地 | 〒497-0034 愛知県海部郡蟹江町本町9-48 |
アクセス | 近鉄名古屋線「蟹江駅」徒歩5分 JR関西本線「蟹江駅」徒歩15分 蟹江インターチェンジから車で10分 |
診療科目 | 美容皮膚科・美容外科 |